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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代2~
41/42

(31)冷静でいなければ取り返しのつかない事もあるようです

遅くなってすみません。


 





 ようやく暴走状態が半分くらいまで治まってきて、女の子達用のコテージに辿り着いたけれど、そこには誰もいなかった。

この時の僕はまだ冷静ではなかったんだろう。

だから、あんなミスをしてしまったんだろうし……


「なんや旦那はん。そないに血相変えてどないしたん?」


 そこに丁度ミカゲ達が通りかかって話しかけてきたので皆の居場所を知らないか聞いてみる。


「ミカゲか、ちょうどいいところに。シャ…いや、女の子たちが今どこにいるか見なかった?」


「ワイは見とらんが、ナクトかケンジロウ何か知っとるか?」


「いえ、見ていませんねぇ」


「女の子達なら散歩に行くと集団で西の方に行くのを見たぞ」


 ケンジロウが見てた!

そうか「西」のほうか、僕は全速力・・・で翔け出していた。


「それがどない…ってちょ、おまっ!」


「ぇ……」


「…………」


 僕は3人を後にして翔けながらそちらの方向を確認・・していた。

無意識か、意識的か不明だが千里眼と並列思考を駆使してその方向の情報を認識していく。

もっと、もっと早く!

足りない、まだ、情報も探す範囲も、もっともっと…

集中していく思考、集まる情報量に悲鳴を上げそうになるがそれもねじ伏せ、翔け抜けながら認識していく。

ふと、思考が軽くなり、前方の全てを認識したそのとき、

見つけた!

左前方向1.2キロに全員がいた。


そこで見たものは……








―――――――――――――――――――――――――――――――








 時間は遡って


「ねぇ、ところでこの辺りに伝わる伝説の事知ってる?」


「いつもながら唐突ねぇ、少しは脈絡ってものを覚えなさいよ。昼寝してる人もいるんだから」


 レミーさんとユーリが妙な話をしてますね。

まぁ、関係ありませんけれど……

二人とも性格や嗜好が普通なら文句なしの美少女なのに、なんでこう残念なのかしら。

うちのクラスメイトは可愛い子が多いのにどうしてこう、妙な子が多いのかしらね。

それにしても、シャルナ様とサリエラさんがソファーで寄り添いながら寝ているのを見るのは眼福ですわね……嗚呼…二人まとめてお持ち帰りしたくなりますわね!


「いやいや、そうは言っても将来の彼氏を知ることができるという恋する乙女のための秘宝でも、興味ない?」


「その話、詳しく!」


 メーナさんがユーリの罠に食いつきましたわね。

それにしても旦那…こんなに可愛い子達が将来には男なんかのものになるなんて…許せませんわね。

可愛い子は世界の宝、それを男なんて野蛮な存在に明け渡すなんて…認めてたまるものですか!

シャルナ様も親戚の男と一緒で嬉しそうな顔をしていますけれど、男の本性を知ったら絶対に迷惑に思うはずですわ!

いま何か仕掛けても逆にシャルナ様に嫌われるかもしれませんからしませんけれど……

その時のために抹殺計画の準備だけはしておかないと…時期が来たら二度と私やシャルナ様の前に顔を出せないようにして上げますわ、社会的に…


「ここから歩いて1~2時間くらい行った所に古いお城があってそこに『コレーの小箱』という魔法の箱があるんだって」


「聞いたことないわね、その箱に何があるの?」


「まず一つは中を覗くと将来の結婚相手と自分の姿が浮かぶんだって、次にその姿に納得できなければ紙に希望を書いて箱の中に収めると箱が光って、それからもう一度見ると新しい未来とそうなるための方法を授けてくれるんだって」


「胡散臭いわねぇ、どこからそんな話を持ってきたのよ」


「ここを管理しているラブラブ夫婦の奥さんから。旦那さんはそれでGetしたんだって」


「マジで!」


 メーナさんはこういう話が好きでしたのね。

さっきからかなり食いついてますわ。

それにひきかえレミーさんはユーリさんの話に疑問を持っていますわね。

あからさまに怪しい話ですから当然でしょうけれど…

まったく男なんて女と見れば見境なしの獣の何処が良いのか理解に苦しみますわね。


「みなさん、楽しそうに何のお話ですか?」


「あ、リサっち。聞いて、実はね……」


 自主的に料理の仕度を手伝いに行っていたリサさんとディアラナさん、それと何故かディアラナさんに摘み上げられているエメリーさんが現れましたわね。

リサさんくらい良識にあふれた人がユーリさんの口車になんて……


「面白そうですね」


 乗りましたわ! しかもあっさりと!


「確かに気になるわね、別に試したい相手がいるわけじゃないけど…いないけど興味はある、好奇心というやつだ、うん」


 しかも追い討ちですって!

ディアラナさんまでもが乗り気だなんて……


「…みんな、おはよう、どうしたの?」


 あ、シャルナ様が起きてしまいましたわ。

とてもいやな予感がしますわね……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 …どうして、私はこんなところにいるんだろう。


「楽しみだね、どんな未来が見えるかな」


「えぇ、そうですね」


「そうでしょう、そうでしょう。あたしの事を褒めても良いのよ」


「……眠い」


 本当に眠い、ゆっくり昼寝をしていたら女子の半数以上がどこかに出かけると言い出していて、さらに言い出さなかった方の方の半分も残るくらいなら行くと言い出して、そうしたら私もいつの間にか行くメンバーになっていた、不思議。

最後の一人も、ぼっちは嫌だったみたいで、結局全員で向かう事になっていた。

まったく、何でみんなは疲れることをしたがるんだろう。

この世の人が全員寝て過ごせば争いは起こらないだろうに…

あ、でもそうするとご飯作る人も布団干す人もいなくなるのか…

それは困る。

美味しいご飯は幸せの味だし、暖かいお布団は微睡みの福音

それが無くなるのはすごく悲しい。


「ちょっと待って。この先に何かいるわよ」


 先頭を歩いていたディアラナが何か見つけたみたい。

あれは……小鬼猿ゴブリンモンキーかな?

話には聞いたことがある。

動く相手がいたらまず襲い掛かり、それが自分より強い相手ならすぐ逃げる。

頭は悪いが一応学習能力はあるので、簡単な武器や罠を使ってきたりする。

集団で行動しているので、訓練を受けていない人が戦うのは危険。

けれど、遠距離の攻撃にはものすごく弱いらしい。

20匹くらいの群れに弓矢を2~3発射掛けたら一斉に逃げ出したなんて話もあるらしい。

わたしたちは攻撃魔法が使えるし、一応飛び道具も持ってきている。

面倒だけど安全のためには倒したほうがいいだろうとも思う。

おまけに鬼系モンスターは全世界の女の敵だから『見つけたらまずもげ』と、うちのお姉ちゃんも言っていた。

確か、小鬼猿、水鬼猿、豚面鬼、大鬼、単鬼馬は特に念入りにやっちゃえとか言っていたっけ。

……ところで、なにをもぐんだろう? あたま?


「……ふ…ふふふ、うふふふふ……」


 リザリィがへんな声出して震えてる。

どうしたんだろう?

なんとなく近くに居たくない感じがするけれど……


「よく…よく今の私の気分を晴らすのに丁度良い的として出てきてくれました…別にあなた達に恨みは…いえ、どうせ同じ女性の敵ですもの、アレもあなた達も同類ですし……」


 なんかよく分からないことを言ってる。

みんなも困ってるというか脅えてるというか…あ、猿がこっちに気がついた。

猿達は全員やけに動きが遅いしフラフラしながらこっちに来るみたいだけれど、とりあえずは迎撃準…


「まとめて消毒して差し上げますわ!雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)雷神槍(ライトニング)最後におまけで雷神槍(ライトニング)ですわ!」


 いきなりリザリィの手から雷撃が乱れ飛ぶ。

閃光が走り、草木は吹き飛び、地面は抉れ、猿が黒い墨に変わっていく。

というか、これはやり過ぎだと思う。

疲れるのに無詠唱で何発も撃ちまくってるし、すごく笑ってるし、何か悪いものでも食べたんだろうか?

ちょっと心配になる、いろいろと。

そのくらい今のリザリィはおかしい。

他のみんなも戸惑って……あれ?

シャルちゃんが妙にこわい顔してる。

どうしたんだろう?



 おや、急に暗くなったような………


次回、 吐息、変身、レールガン!?


スキル魔法系の一覧表を作り直したらかなり穴あきに…

記憶を頼りに思い出しながら作業しています。

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