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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代2~
40/42

(30)暴走時に冷静に戻るのは難しいみたいです

やっとPCが戻ってきました。

しかしバックアップがなかったせいで復旧作業が…

とにかく、頑張るしかないです。

 





 さてと、夕飯前に何かデザートでも作ってみるのも良いかもしれない。

僕はポシェット・・・・・の中の材料を確認してみた。


「えーと、ククルビータとイポモが100キロ位ずつか、それと他には…卵がかなりあるなぁ」


 ククルビータというのはカボチャっぽいもの、イポモというのはサツマイモみたいなものだ。

ただ、この世界のイモは木に生るので最初見たときは違和感が半端なかった。

だって、想像してみてよ、サツマイモが果物みたいに木に生えてるんだよ。

最初見たのはジャガイモっぽいので、その時に思ったのは『ジャガイモに太陽光当てて良いのか』だったけど…

あれ、光当てると毒を生成して緑に変色するんだよなぁ…食べても腹痛程度で済んでたけど…前世の幼馴染が……

まぁ、この世界のジャガイモは毒無さそうだったからいいんだけど、それに持って来たのはサツマイモだし…

一方、ククルビータというのは小さめのカボチャっぽいもので、これは逆に地中に出来る。

球根なのか、地下茎なのか不明だけど、味はカボチャで見た目は………

皮が白くて中が黒っぽい、うん、見るからに美味しく無さそうだけど実はそれなりの高級品らしい。


 基本的に前世の世界の食材は、多少性質や形状が違ってもこっちの世界にも在ると思う。

今まで見てきた食材や話に聞いただけの食材なんかの話を聞くとそんな気がする。

お米も存在してるとの噂もあるので、早めに手に入れたいと思っている。

ただ、かなりの秘境でしか栽培されていないとか、白ではないとか、実物を見てみたい。

1回でも実物を見るか産地の正確な場所が判れば取り寄せるのは簡単なんだけどなぁ……


 まぁ、それはそれとして、この世界の食べ物の味は前世とほとんど変わらない。

なので、調理法もそれほど前世と変わらないため前世知識が意外と役に立っている。

食べ物の種類や味などに何かしらの神様のテンプレとでも言うようなものがあるのかもしれない。


「とりあえず、人数分蒸して下ごしらえをしておこうかな」


 僕はポシェットから自動蒸し器の魔道具2つを野外調理台の上に据え付けて、ククルビータとイポモを30キロずつ蒸し篭せいろの中に入れた。

サツマイモやカボチャと同じくククルビータやイポモも長時間じっくり熱を通すと甘みが増す性質があった。

遠赤外線調理式石焼芋作成魔道具作ったとき、家に仕えている使用人たちに試食してもらったけれど、これがある意味大失敗だった。

好評すぎたため、うちにいる女性全員が放してくれず『お願い・・・』をされたため彼女たち全員の所有物ということになってしまった。

目を血走らせながらこちらに迫ってくる集団のあまりに本気過ぎる『お願い』に思わずうなずいてしまった。

なのでしばらくは、石焼芋は作らないことにした。

自動蒸し器でも十分に甘みを出せるし、構造が簡単だからすぐに作れる。

僕はスイッチを入れて蒸し始めた。

あとは待つだけの簡単なお仕事です。

せっかくだからもう一品、卵で何か作ろうとしたそのとき、


 不意に何かが目の前に現れた。


   崩れる城壁


「え!?」


   燃え上がる街並み


   黒く大きな影


 これは、まさか…


   薙ぎ倒される兵士たち


 無意識領域にセットしておいた予知能力か。


   慟哭するクラスメイトの姿


   そして、傷だらけになったシャルちゃんの姿が…


 僕はそれが見えた途端、調理台の前から飛び出していた。

頭の片隅で焦るな落ち着けという声が囁いてるが、ダメだ考えてなんていられない!

思考の9割以上が暴走している感覚だ、冷静な部分だけでも動員して制御しないと助けられるものも助けられなくなる。


 まず、今見えた『予知』はまだ確定の未来ではない。

予知で見た未来はそれを『知る者』が『介入』する事で必ず・・変質することが判っている。

変わらない様に努力して予知の通りに演技をしても大筋は変わっていなくても、細部に変化はどうしても出手くることになる。

0.1秒の誤差とか本当に細部ではあるのだろうけれど……

細部であっても未来に小さなズレをどうしてもは出してはしまうので、その世界は予知した世界とは別物になったということになる。

俗に言うパラレルワールドに近いと思う。

予知とは隣のパラレルワールドの未来を覗き込む行為だと言えるのかもしれない。


 そうすると、全く変えない方法というのを僕は2つしか思いつかなかった。

全く変えない方法は『知らないでいる』か『介入しない・できない』しかない。

『介入しない・できない』は自分に関係が無い場合、つまり当事者でない場合にだけ選択できる。

明日、遠方に大雨が降るとする。

距離や自然現象に『介入しない・できない』ので未来は変化無く確定するという事になる。

つまりは、そういうことだ。


 もう一方の『知らないでいる』は知らないのだから演技や介入をすることもないので、予知の未来と同じ筋道を辿るのは当然の事だろう。

僕が普段使用しているのもこっちのほうである。

精神力消費が無い超能力さえ使えば世界の端の5秒後に自殺する人だろうが、火山の噴火だろうが止めるのは簡単だからなぁ。

だから、僕は自分の並列思考を駆使して普段は予知を確認する思考部分と、それを全体認識にしないうちに消去する部分を自動化している。

大問題だと自分の一部が認識したときだけ、予知を流すようにしているのだ。

ところが、今回は自動化した分裂思考が大問題だと認識しすぎたため自動化されたまま表面に出てきて俗に言う大混乱状態になってしまった。

制御する前に自分で自分を暴走させてしまった状態だ。

制御を切るとこの混乱状態自体が冷静な部分と統合されるので冷静な部分で先に受け皿の準備をし(覚悟を決め)なくちゃいけない。

そうしないと冷静な判断は下せなくなる。


「BE COOL、BE COOL」




 ……なぜだろう、全然冷静になれる気がしない。

逆に獣にでも覚醒しそうな気がする。

30分で出来る世界崩壊とか起こしませんように……



30分あれば星ごと破壊するのは簡単です。

なんて超能力兵器なんでしょうね^^;

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