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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代2~
39/42

(29)長期休暇では友人と旅行もありのようです

来月に試験を控えて私は何を^^;

書いちゃったものは仕方がないので、とりあえず、投稿っと^^

 





 試験が終わった。

学科は『歴史Ⅰ』『算学Ⅰ』『応用魔法学』『調合術Ⅰ』『武術実技』『魔法実技』の6科目だが1日2科目、実技だけは1日1科目で計4日間の試験期間は終わった。

あとは終業式を終えて冬の長期休暇に入るだけになった。

試験結果?

それは特に心配はないな。

歴史と魔法学は暗記タイプの学科なのでこの世界に来てから覚えたけれど、子供の頃からやっていたせいで問題なし、歴史でたまに時事問題が出るけど、伯父が伯父だけにそういう情報も入ってくるし……世間一般的なやつ以外もたまに入ってくるのが少し怖いけれど……

算学は小中学生レベルだったから問題はないし、調合術も理科の実験モドキだし、前世で大学生(予定)だった僕には特に難しいことはなかった。


 試験以外でもこの1ヶ月は大変有意義だった。

先輩の話していた『魔導大鑑』もすぐに見つかった。

『魔導大鑑』百科事典のような大判な本が全38冊…多すぎだろ!と最初は突っ込んだりもしたけれど、中身を見ると属性魔法、精霊魔法、強化魔法に付与魔法、夜影魔法や竜化魔法、果ては錬金魔法に治癒術までが種類別で1冊ごとに載っていた。

どうやらこれは各適正別の魔道書を紹介する本だったようだ。

この本自体だけでも魔法の訓練法や簡単な魔法が書かれていて勉強になるのだが、その部分のところの大半は既に取得済みだ。

そこで前の大会で先輩方が使っていたと思われる魔法を調べ上げ、記載されていた参考魔道書を発見したりして、いくつかの魔法を新たに身に付けることができた。

ちらっと使ってみたけれど、あれは酷い。

上級4属性の上位の魔法には二つ名が付いているそうだが……それぞれ『無敵』『最強』『反則』『万能』という……覚えた魔法を使ってみたが、まさにそんな感じだった。

新しい魔法だけじゃなく、既存の魔法も創意工夫を凝らしたところ、かなり強化された。

基本4属性、派生4属性も新魔法を作り上げ新たなお披露目が楽しみだ。

僕だけの独自技術をいくつか作り上げたし、いつかどこかで使おう。


 更に、魔道具作成でも『魔導大鑑』は役に立った。

自分が使えないのでそこまで詳しくなかった精霊魔法や夜影魔法、錬金魔法を応用することで、あの『道具』が完成した。

効果の程はお楽しみだ。

ただ、『魔道大鑑』で最終巻だけ暗号っぽい何かで書かれていて読む事ができなかった。

解くためのヒントがどこかに無いか探したけれど見つかっていない。

在学中になんとか見つけてみたいと思っている。


 それはそれとして、1学期はかなり有意義に過ごせたと思う。

僕の実力も一気に強化された感じがするけれど、これも基礎を繰り返し修練していた……いや、基礎しかやっていなかった気もするけれど……おかげで応用がすぐに身に付いたと思う。

なんというか経験値は貯まっていたけれど上限が解放されていなかったのでレベルアップがとまっていたのが一気に解放されたような気分だ。

冬休み中に今の実力をどこかで試してみたい。

多分、以前の僕を5人まとめて相手できると思う。

本当に長期休暇が楽しみだ。






「んで、旦那は冬休みの間は何かするのか?」


「特にまだ予定はないけど、旦那言うなよ変態」


「誰が変態だよ!」


「…知らないのか?僕が旦那と呼ばれてるようにニコラの方も…」


「……もしかして…裏で…」


「いや、堂々と。女子たちが主に…」


「Nooooooo!!」


 やけに良い発音と共に仰け反り崩れ落ちる変た…もといニコラ。


「およ、どうしたの?」


「あぁ…ニコラは今日、やっと自分のあだ名を知ったんだ」


「え! 旦那さんが喋っちゃったの!?」


「みんな~、ニコラがやっと自分のあだ名に気が付いたそうよ」


「なにぃ、よりにもよって今日かよ。明日だったら勝っていたのによ」


「旦那って参加していなかった? 誤算だったわね…誰も連絡しなかったの?」


 クラスの大半が騒いでるけど…なんだこれ…


「んで、負けたのは誰ですかねぇ。ふむふむ、なるほど…」


「ワイは賭けに勝ったでぇ! この勢いで幸せになったるんやぁぁ!」


「ククク、ダメ元のつもりでしたが運は私の味方のようですねぇ」


「勝てるとは思っていなかったんだけど、わからないものねぇ……」


 なにやらニコラをダシに賭けをしていたらしいのは分かったけれど…何やってんだろうこいつら。

…早く何とか…は無理か……手遅れっぽいし…諦めよう。








 僕はクラスメイトとキャンプ場に来ていた。

何がどうしたのか説明しなければ分からないだろう。

まず、あの賭けはニコラがいつ自分のあだ名に気が付くかを賭けたものだった。

そしてクラスの全員が賭けに参加していた。

僕は知らなかったのだが、その理由は…シャルちゃんが僕の分も賭けていたからだった…

…気が付かない方に……


 つまり、僕は自分で自分を負け組に入れたわけだ。

賭けたのなら話しておいて欲しかった……

ちなみに負けたほうは共同で勝ったほうを豪華キャンプ場に招待する…と…

ちなみに、胴元はナクトとレミーでこの二人が場所を提供するという事で、今回ここ、湖畔の別荘地にクラス全員で来ている。

現在は大バーベキュー会で肉やら野菜やらを勝者のために焼いてはお皿に盛っていく。

勝者をもてなすのが敗者の役目(罰仕事)とはいえ、割と重労働だったりする。


「うまいでぇぇぇ!」


「本当にこの黒いタレを付けて食べるといけるわねぇ確かショー…ねぇニコラ、なんだっけ」


「忘れた、それよりも今はこの悔しさを食欲に変えて食べてやるんだ、ちっくしょ~うまいぞ~」


「レミーさん、それはショーユです。ディレットさんが持って来てくれたんですよ」


「ククク、なるほど、この味は単なる塩味じゃありませんね、野菜のような肉のような妙に癖になる味ですが…製作法がさっぱりわかりませんねぇ」


「素晴らしい黒の中にこれほどの味を秘めていようとは、さすがは伝説に名を連ねるソースだけのことはありますねぇ」


「何、そんなに有名なのか、このソースは?」


 クロスの相変わらずの妄言に何故か衝撃を受けるディアラナ…

いや、伝説も何も、今までこの世界に無かったんじゃないかな~と思うんだけど、いや、他国に似たような調味料があるという可能性もあるけど、クロスがそれを知っていて喋ってるとはどうしても思えない。

まぁ、それにしてもみんな、よく食べるなぁ、一人黙々と食べてる(エメリー)もいるけど…

先日の賭けの勝者たちは楽しそうに食べている。

一方の僕らはそれを見ながら働いている。

一方はお客様、もう一方は従業員である。

ちなみに勝待(しょうたい)客はミカゲ、クロス、ディアラナ、リサ、そしてエメリー。

敗膳(はいぜん)役はユーリ、エリオット、ケンジロウ、サリエラ、リザリィ、メーナ、そして僕とシャルちゃん。

ナクトとレミーは胴元として、ニコラは賭けの対象として勝者側に入っている。

8名で8名を歓待するというある意味バランスが取れているように見えるこのキャンプ。

勝者側はほぼ全員食べまくっているが、それだけでここまで忙しくなる事はない。

重労働の最大の原因は、エメリーの存在だ。

焼いても焼いても終わる気配が無いってのは、どうなってるんだ!?

あのちみっこい体のどこにあんなに食べ物が入るんだ?というくらい食べている。

とにかく食べる量が半端無い。

彼女だけで他の人の5倍以上は平らげてると思う。

というか、いまだに食欲が落ちていないんだけど、本当に何だろう、あの吸引力は……



「相変わらず凄いわね…焼き肉がまるで飲み物のようだわ」


「あれだけの食べ物があの体の一体どこに入ってるんだよ」


「考えたら負けだ…次、焼けたぞ」


「僕の方も焼けたけど、そろそろ手元の材料はなくなりそうだよ」


 僕の焼き網の前の焼く材料(肉と野菜)はもうなくなりかけていた。

男3人+メーナでかなりの数の肉や野菜を焼きながら、それでも追いつかないエメリーの食いっぷりに恐れ慄いている。

前世の大食い選手って言うのもこういう感じだったのかもしれないけれど、エメリーの場合はどうみてもちんまい女の子なのに『コレ』だからなぁ。

焼いた食べ物は女の子たちが運んでいる。

サリエラはいつもの如く眠そうに、リザリィは黙々と…というか妙にキビキビと、ユーリとシャルちゃんは何やら楽しそう…というか賑やかに働いている。

全員を足して4で割れば丁度いいのに…

それにしてもリザリィがこんなに働くとは思っていなかった。

こういう風に働いた事なんて無さそうな雰囲気があったのだが、予想外に良く働いている。

妙に生真面目なキャラだから思わず夢中になって(ハマって)いるだけかもしれないが……


 そうこうしていると手持ちの材料(おにく)が無くなった。

…が、すぐに見事な赤身肉と切った野菜が大皿ごと僕の手元にやってきた。

とりあえず、様子を見ると、そろそろ他の人達は食べるペースが落ちてきている。

相変わらずのエメリーと妙に自棄食い気味のニコラは置いておいて、ミカゲ、クロス、ディアラナの食べる速度は落ちている。

レミーとリサはもう食べるのを止めている。

エメリーが満足すれば僕たちも食べる順番が回ってくる筈なんだけど……


お嬢様・・・、そろそろこちらの御時間で御座います」


 エメリーの前に特大の………焼き菓子の塔が現れた。

カロリーメイトみたいなバーを組み合わせて作ってあるんだ、あれ……

確かショートブレットとかいう料理だったと思う。

出したのはさっき皿盛り肉を・・・・・・・・持ってきてくれた・・・・・・・・家令さんだ。


「…もう、おしまい?」


「そろそろ終わりでございます」


「わかった…じゃあ今日はここまでにする」


 家令さんの説得?でエメリーの食事?は終わりそうだった。

ナイス、家令さん!

家令さんがどこから出てきたかって?

そりゃ、貴族の息女やら良家の子息などがいるのに子供だけでのキャンプに行くとか言って許可なんてされるわけが無いじゃないか。

当然、保護者が付いてくる訳で……

今回はニコラとレミーが段取りを決めただけあって両家の家の執事さんと使用人達を中心にそれぞれの保護者が付く事になっていた。

そんな中でも特筆すべきなのはエメリー専属・・・・・・家令さん(最上位の使用人)が付いて来ている事だった。

なんでも『エメリーが友達とキャンプに行く』と聞いて親御さんが急遽家令さんを付いてこさせたらしい。

………あの手際を見ると、何で付いて来させたのか察する事ができるだけに、親御さんの苦労が目に浮かぶようだ。

家でもどんだけ食べてるんだよ!


 僕らも家令さんのおかげで、第二陣としてメイドやフットマン、執事さん達の焼いてくれたバーベキューを楽しむ事ができた。

家令さんには『セバスチャン』の称号を与えていいと思う…そういえばあの人の名前聞いていなかったな。

後で聞いておきたい。




 しかし、この時の僕はこのキャンプであんな事件に巻き込まれる事になるとは思ってもいなかった。


遅々として展開が進まない。

困ったものです。

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