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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代1~
34/42

(26)第一予選開始のようです

いよいよ、学園舞踏k…武闘会が始まります。


 





 いよいよ、合同武闘訓練が開始された。

僕は今、敵の集団に囲まれています。








 合同武闘訓練ではまず前半戦にクラス対抗で1ヶ月の間に教わったりした事の成果を先生方に見せる為に演舞をする。

全員で同じ型を揃えて見せる『仮称ラジオ体操式』、一人一人が型を披露しながらグラウンドを周りタッチで交代していく『仮称パリコレ式』、殺陣をしながら型を見せる『仮称時代劇式』など色々な魅せ方があるようだ。

ちなみに、うちのクラスはパリコレ式になった。

全員の型を合わせる時間などは無いし、時代劇式は主役が決まらないと出来ないため、消去法でそうなった。

とは言っても、型の見せ合いではやはり上級生には敵わない。

練度や下準備が違う感じだ。

ところでこれ、一般人に見せたらウケると思うんだけど、どうなんだろう?



 そして次の出し物はメインイベント、通称『学園一武闘会』の予選その1、バトルロイヤルだ。

1年基礎クラスの希望参加者と上級クラスの推薦参加者、うちのクラスは義務参加だ。

つまり、強制的に参加が決定していた。

2年と3年はバトルロイヤルに関しては1年入学前に済ませているらしい。

あの時戦った先輩、名前は……なんだっけ?

…そうだ、オリバー先輩だ…もバトルロイヤル勝者で第二予選に参加することが決まってるらしい。

現在決まっているのは2年84枠、3年92枠だ。

そして1年で40試合を行い勝ち残った2名が先に進めるらしい。

ちなみに1試合のバトルロイヤル参加者は…10名を超えている。

そして僕は今、何故か囲まれています。





「一応聞いておきますけど、何で全員僕狙いなんでしょう?」


「そりゃ……さっき聞いた話だと2年の優勝候補に勝ったとかいう奴相手に単独で勝てるわけねえからだろうがよ」


 あぁ、試合前にこそこそ動いていた人がいたけど、そういうことか…

さっきオリバー先輩に絡まれてた時の話を聞かれていたんだ。

あの先輩、無駄に声でかいからなぁ…でもあの人、優勝候補だったんだ。

そっちは知らなかったけど、今の状況は納得できた。


「さっき偶々会った先輩との会話を聞かれてたんですね。それでこの状況ですか。仕方ないですね」


「というわけだから、さっさと倒させて…「ちょっと本気で行きますか!」」


「「え?」は?」


 周りを囲っていた生徒たちが発言に驚いている間に僕は武器を最大(8m)まで伸ばして、同時に1瞬だけ重力を解除した上で全力稼働させた腕力を用いて周囲をなぎ払う!

7~8名が場外に吹っ飛んでいった!

偶然か実力か、しゃがんで避けた3名が残ったけど、1対10とかじゃなくなったから良しとしよう。


「な、一撃で!」


「ちょっ、これに勝てって無理だろ!」


「…………」


 あれ?

さっき喋っていた相手は…吹っ飛ばしちゃったか。

あとはどうしようかな?


「で、まだやります?」


「「「遠慮します!」」」


 そう言って僕を無視して3人だけで戦い始めた。

しばらく様子を見ていたけれど、最終的に無口だった子が勝った。

勝因は水の低位魔法での目くらましだった。

あの魔法は水の防御膜を張るだけのものだったはずだけど、どうやらこっそり詠唱していて、相手を飛び込ませたらしい。

いきなり現れた水に突っ込ませて、予期しなかった水が顔にかかるという事態に遭えばひるみもするよな。

その隙を突いた一撃が勝利を握ったようだ。

とにかく、これで第一予選は終わりの様だ。

次は予選突破者同士のバトル、3回勝てば本戦出場らしい。 


 そういえば言い忘れていたけど、この期間の学校全体には儀式魔法『非殺結界』が敷かれているらしい。

この結界内では何があっても死なないとの事だ。

剣で刺しても撲殺しようとしても生命維持が発生するらしい。

頭や体の一部も切り落としは不可能らしいけれど、さすがに普通の手段では殺せるかどうかは試せないだろう。

だから、この中の戦闘行為で死者が出ることはない。

さらに、結界内と外は行き来自由だけど攻撃しあうことは不可能らしい。

なので、この結界の中にいる限り、外で核爆発級の大破壊が起きても一切影響が無いそうだ。

この世界に核は無いだろうけど……

逆に中から外に向かっても干渉は不可能らしい。

ちなみに持続時間は1週間(5日間)だそうだ。

予選は観客の一般人立ち入り禁止だからいいけど、明後日からは観客が来るそうだから…うちの家族は多分、いや間違いなく来る!

シャルちゃんの前で格好悪いところ見せるわけにも行かないだろうから、明日も気合入れていこう。

簡単には負けられないよな。


 ところで他の人たちの試合は……








 稲光とともにソレはやって来た。

手から雷を放ち、手に持つ武器には電撃が宿っている。

その一撃で次々と参加者を薙ぎ倒し、俺の前に………

(或る参加者の日記より)








 リザリィは雷属性の稲妻付与サンダーウエポン雷神槍ライトニングで周りを圧倒してるな。

どちらも実用的な戦闘用魔法でかなりの高威力だったと思うんだけど、なんていうか弱い者いじめにしか見えない。

参加者の大半が逃げ回っているし、向かってくる相手は瞬殺……

心配は不要そうだな。


 他には…

サリエラは…周り全部眠らせていた…

あの魔法って視線を合わせないと効果発揮できなかったはずなんだけど……

見ると男子も女子も幸せそうに眠っていた……

何があったか、見なかったことにしよう…



「なかなかやりますね!こんなに楽しいのは久しぶりですよ!」


 聞き覚えのある声がした。

あれはクロスとかいうエルフの少年だったか。

いっつも黒い服着て怪しい言動かますから忘れたきがつきたくなかったよ。

でも戦闘方法はちょっと気になるのでしばらく見ていよう。


「いい加減にしろよ、テメエ」


「とっととやられろクソエルフ」


「チョコマカしやがって、なめてんのか」


 周りの人が熱くなって襲っているけど…

…思わず呟いてしまった。


「なに、これ…」


「なんでも、片腕だけで十分とか大見得切ったらしいわよ」


 答えが帰ってくるとは思わなかったのに、気がつけば横にメーナが来ていた。


「やっほ~、旦那さん。負けちゃった」


「旦那言うな!」


 クラスでの僕のあだ名は『旦那さん』になっていた。

シャルちゃんの事なのか、それとも店の事なのか、どっちにしろ不本意なあだ名だ。


「ところで、どういう状況?」


「あぁ、最初に何か封印された左腕を使うまでもないとか右腕だけで十分だとか何か言って周りを全部敵に回したらしいわよ」


「うわっ、なにその中二病!」


 そうか、あの黒い服は…

言動からもなんとなく想像していたけど、予想よりかなり悪い。

ほぼ末期の症状だ。


「チュウニビョウが何かはわからないけど彼は多分ダークエルフね。子供じゃないんだからちょっと恥ずかしいわよね」


 ダークエルフ?

ただのエルフだと思っていたけど違うのか?

そんな種族あったんだ。


「ダークエルフって?」


「あら、旦那さんは知らないの?ダークエルフって言うのは…」


 旦那言うな!

ところで話に出てきたダークエルフだけど、これは『闇』が大好きな思春期のエルフらしく、主に若い頃に発症するらしい。

『黒』歴史な過去の遺物であり、また『闇』という単語が好きなことからこの時期の彼らをダークエルフと呼ぶらしい。

それって……中二病まんまじゃん!

つまり『中二病エルフ=ダークエルフ』って図式なのか!

最近では自分たちからダークエルフを名乗る若者が増えているらしく、エルフたちの間で問題になっているんだそうだ。

知りたくなかったよ、そんな情報こと


 無駄知識を一つ得たけれど、この舞台ではクロスは勝ち残りそうだ。

意外に強いな…性格は残念だけど…


 他に見て回っていたら倒れてるクラスメイトを発見した。

ニコラと黒っぽい塊だった。

その傍にレミーとディアラナがいる。

レミーはわかるけど、どういう状況なんだろう?


「どうしたんだその二人?…でいいのか?」


 黒っぽい塊だけど、包帯らしきものが巻かれて周りに怪しげな物がお供えされているけれど…一応人間のようだし…多分…


「あ、あぁ旦那か。ちょっとエリオットを竜の吐息ドラゴンブレスに巻き込んでしまってな…」


「あたしの方もちょっとはしゃぎ過ぎてニコラまでぶっ飛ばしちゃって…」


 黒い塊はエリオットだったようだ。

話を聞くとレミーとニコラ、エリオットとディアラナは同じ試合会場だったようだ。

そこでレミーは久々の殴り合いで興奮しすぎてニコラまで殴り倒してしまったんだそうだ。

それにしても、幼なじみで試合まで一緒になるとか…縁があるというかなんというか…

自分にもカウンター来そうだから口には出さないけど。


 一方エリオットとディアラナは別々に敵を倒していたんだそうだが、ある時ディアラナの竜化魔法のブレスの効果範囲に巻き込んで一緒に焼いてしまったのだそうだ。

それで、責任を感じて看病してる…らしい。

…看病?

言ったらヤバそうなのでこれまた口には出さないけれど。


 一応、レミーとディアラナも勝っているらしい。

明日の対戦では戦いたくはないなぁ。

話を聞く限りじゃレミーはどうも戦闘狂の気があるみたいだし、ディアラナの竜化魔法にもブレス攻撃があるらしいし、どちらが相手でも多分キツいだろうな。


 ほかの会場も回っていたら声をかけられた。


「やほ~、旦那さん。こんなとこでどしたの?」


「こんにちはディレットさん、どうしたんです」


「リサと…ユーリか。明日の対戦相手の様子見をちょっとね。二人はどうだったんだ?」


「なんだ旦那さん、勝ったんだ。なら明日は戦うかもだね」


「そうなんですね。あたしは負けちゃいましたから明日は応援する方ですね」


「そうか、だとクラスで勝ったのはリザリィ、サリエラ、クロスとレミーにディアラナ、そしておまけでユーリか」


「誰がおまけだ! あ、ミカゲとケンジロウも勝ってるよ。エメリーとナクトは負けちゃったみたいだけど」


 ふむ、これでクラス全員の勝敗を聞いたことになるな。

うちのクラスの第一予選突破者は僕を含めて9名か。

負けたのが6名だからクラス単位での勝率は60%って所か?

まぁ、うちのクラス同士での潰し合いが不本意ながらごく一部で起こったみたいだからうちのクラスメイトの戦闘力はかなり高いみたいだな。

でも、明日からは上級生とのバトルだし、楽じゃないだろうな。


「ところで、二人は何をしていたんだ?」


「ユーリさんが勝ったのでお祝いに何か食べようということになりまして…」


「…要するにたかり魔に捕まっていたのか」


「そ、そんなことは、ナイよ。アタシだって遠慮するときはちゃんと遠慮…するもん」


 何故だろう。

この世で3番目くらいに信用ならない言葉が聞こえた気がする。

遠慮するような奴は初めて顔を会わせたクラスメイトに出会った当日からクラス全員分おごらせたりはしない!


「リサも嫌なら嫌ってちゃんと言ったほうがいいぞ」


「あ、いえ大丈夫ですから…」


「そうだそうだ! 旦那の横暴~。責任とってアタシに奢れ~」


 言ってる傍からたかってきたよ。

本当にこいつはどうしてこう、遠慮がないんだ。


「とにかく、そういう話は後にしよう。ところで、警戒するような相手はいなかったのか?」


「あ、誤魔化した! …まぁ、いいけどね。 そうだなぁアタシの見た感じだと戦いたくないと思ったのはミカゲかなぁ、なんかイヤな感じがした」


「そうなんですか?私はてっきりケンジロウさんの方かと。 体格を活かした攻撃力と多分魔法なんでしょうけど武器を破壊して回っていた破壊力はかなり派手でしたけど」


「そうなんだけどね… ケンジロウは正面から戦ってる感じなんだけど、ミカゲは気が付いたら後ろから刺されていそうなイメージっていうか…よくわかんないけど、まともに戦わせてもらえない気がするんだよね」


 そういえばユーリってなんか無駄に鋭いところがあるからなぁ。

普段の授業でも色々残念なのに、何故か選択問題では間違えないというか…

直感だけで生きてる気配がするからなぁ。


「ねぇ、旦那さん。今なにか失礼なこと考えなかった?」


「いや、別に。ただミカゲとケンジロウの事を考えていただけだよ」


 ホントに無駄に鋭いよな、こいつ。

しかし、そうすると1年での要注意はうちのクラスがメインで問題なさそうだな。

どこかに隠し玉もいそうな気もするけど、見た限りでは今の状態でも負ける気はあまりしないし、多分大丈夫だろう。

と、ここで油断してフラグたてて明日は伏兵に大苦戦とか嫌だから、気合はしっかり入れておこうかな。




 で、結局、放課後になったらクラス全員がウチの店に集まっているのでした。

エレナさんが拡張して現在準備中の2階席に全員が揃ってるし……





 ウチの店、いつの間にかクラスメイトのたまり場と化していないか?


次回、自爆、強敵、マッドネス!



普通の日の売上:純利益で1日銀貨26枚

 本日の売上 :純利益で銀貨20枚+クラスメイトからの純利益銀貨3枚分

        合計23枚分。

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