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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代1~
33/42

(25)クラスメイトの辞書に遠慮という文字は無いようです

なんか変な方向に話が進んでる気がするけど…気のせい、ですよね??

 




 途中で気がついたニコラに事情を説明して一人で歩いてもらう。

そして、ブレる事なく女の子に話しかけて無視されるニコラ…

クラスの女子は既に馬鹿の対処法を習得しつつあるみたいだ。

そんなこんなで総勢15人の集団が夢見る異世界トラオムヴェルトにやってきた。

事前に連絡は入れておいたけど、大丈夫かな。


「おやおや、店が閉まってますね…なにやら事件でしょうかねぇ」


「そんな~ せっかくお腹いっぱい食べに来たのに…」


 なんか騒がしいけど、今日は休曜日じゃなかったよな。

あ、そうか、連絡したからか…


「あー、多分大丈夫だよ」


 そう言って僕は店の扉に手をかける。

やっぱり鍵はかかっていない。


「いらっしゃいませ、ようこそ喫茶店『夢見る異世界トラオムヴェルト』へ」


「すみません。店長のエレナさんを……ってシャルちゃん、何してるの?」


「エレナさんに連絡をもらったから驚かそうと思って。どう、似合う?」


 そこにいたのは給仕服に身を包んだシャルちゃん(10歳の美少女)だった。

確かにすごく似合うけど、その服の元ネタ的に王女様が来ていい服じゃないと思う。

でも、この世界にはヒラヒラタイプのメイド服ってないから、使用人の服とは認識されないんだろうなぁ……

どうせ着せるんだったら第二店舗用の巫女服きゅうじふくの準備を急がせたほうが…って違う違う、そこじゃない。


「確かに驚いたけど…いつの間に…」


「エレナさんも叔母様も『風』使えるから、あたしもよく『風声エアボイス』で話し合ったりするよ。そこで今日のディルくんの行動とかも聞いたりするんだ」


 ビックリしたよ、というか…うちの母様とエレナさんを味方に付けていたことは知っていたけど、まさか遠話でやり取りするほどだとは…というか母様とエレナさん、どうして僕の私生活プライバシーを勝手にバラしてるんだよ!


「いや、まぁもう慣れたけどね…」


「何に慣れたというのですか?」


「それは毎度の…って皆も来たんだ」


貴方おごるひとが入って何かをするのなら気になるのが当然でしょう」


 確かクロスとか言ったっけ、黒い服が暑かっただけじゃないのか?

いつの間にか、みんなも入って来ていた。


「お嬢さん、出会えると信じていました!」


 あ、馬鹿ニコラが飛び出していった。

…止めるか。


「どうか付き合って「あたし婚約者いますから♪」…ぐふぅ!」


 頭をはたきに行こうとしたら速攻玉砕していた。

だれかれ構わず口説くのはどうかと思うぞ。

ん?誰かが袖を引っ張って…え?ちょっと何?


 入口の方まで引き戻されたけど、誰だ?

引っ張ったのは、リザリィとリサだった。


「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど、あの子ってもしかして…」


 あ、もしかしてシャルちゃんのこと知ってたのか?

ここ数年、公務で人前に出ていないって聞いていたから大丈夫かと思っていたけど、知ってるってことは、この二人は貴族かな。


「あー、多分合ってる。でも内緒にしててよ。騒がれたく無いだろうし…」


「あの~、ディレットさんってひょっとしてエスクランス家ですか?」


「まぁそうだけど、校則・・で爵位や何かを出すのは禁止されていたでしょ。だから知らなかったことにしてくれると嬉しいんだけど……」


 この学園に入る前の同意書に爵位や地位など本人の実力以外のことをひけらかすのを禁止する。

もし破った場合は……

実例交えて破った場合の罰則が書いてあったけど、アレは嫌だ!

一番軽いのでもそういう性癖の方以外はアレは罰だろうな…

実力者を育成するのならそうするしかないんだろうけど、学内では親の権力は一切使えない。

この校則は破れない。

精神的にとか罰則的にとかでなく魔法的に・・・・破る方法が無い。

破った場合、確実に感知される『儀式魔法』がかかってるからだ。


 そもそも僕の場合、それ以前に強くならなきゃいけないから破る気はゼロだ。

昔、こっそり一度Aランクの魔物と戦ったことがあるけど、アレは別格だった。

超能力使わなければ死んでいたからなぁ。


 なにやら騒がしくなって来たけど、どうしたんだ?

クラスのみんなとシャルちゃんと…いつに間にか来ていたエレナさんが話していたみたいだけど…


「ねぇディレット君。この店を作ったのがご両親でなくてあなた自身だって本当?」


「この店の食べ物全部考案は君なんだって?」


「この店のオーナーってほんまかいな?」


 なんでバラしてんだぁぁぁ!

シャルちゃんか、エレナさんか、どっちにしてもバラすなよ!

そして、戸惑っていると、横から肩を叩かれた。

そこには血涙を流した馬鹿ニコラがいた。


「なぁ。 あそこの美しいお嬢さんの婚約者がオマエだって本当か?」


 まったく、どうしてこう次から次へと…馬鹿以外は食い気に興味深々だけど、どちらにしろ今日は逃げられそうにない。

あぁそうか…僕は不意に悟った。

今日の不運の兆候はこれだったんだ…と。


店長エリザ、他の生徒たちを案内してあげて。僕は彼の血涙いきのねを停める為にちょっとこぶしで語り合って来る」


 そう言って僕はニコラと外に出て行った…

そこで起こったことは…語る事は無いだろう。




 ところで、遠慮のないクラスメイトの食べた量が洒落にならない領域に達していたのは…気にしたら負け、なのだろうか?


次回、演舞、集団、ランナーズ!



シャル「(む、ディルくん後ろで女の子と話してる)実はディルくんはあたしの婚約者なんだよ!」

女子「「「えぇぇ!本当に!」」」

男子「ほぅ「フム」「なるほど!」」

エレナ「(このままだとシャル様の正体がバレますね矛先をそらさないと)えぇ、そうですね。この店のオーナーでこの店のメニューと店構えをすべて考案、製作したのが彼です。なので今日はオーナー権限で食べ放題ですよ」

女子「「「ホント!」」」

某男子「興味深いですねぇ、それはこの店が彼個人の所有物だということでしょうか?」

エレナ「えぇ、そうです出資者からお金を借りて1年で返済。この店の所有権は全てディレット様にあります」

某女子「どの料理でも食べ放題?」

エレナ「えぇ、そうですよ」

シャル「(食べ物で仲良くなったほうがいいのかなぁ)なら普段お店に出さない裏メニューも出しちゃいません?」

エレナ「そうですね、ちょっと待っていてくださいね」

男子「(ひそひそ)なぁ、見たことない食べ物が多いぞ」

男子「でも、美味そうやなぁ」

女子「ねぇ、彼にもちょっと聞いてみましょうか」

女子「仲良くなればまた食べ放題になるかもだし」

女子「! ちょっと話してくる!」

…………


全ての原因はシャルちゃんの嫉妬とディルの行動だったんだよ!

作者「な、ナンダッテー(棒読み)」


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