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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第2章~少年時代1~
32/42

(24)曲者ぞろいのクラスになるみたいです

新キャラ大増量!

性格設定してたら濃いのが……

 





 寝ていた生徒を起こして、全員が席に着席した…と思ったのだが、一人飛び抜けたバカがいた。

そいつはクラスの女子の何人かに声をかけあっさり玉砕。

その上……


「生まれる前から愛していました!」


「そうですか~、ならまた生まれ変わってからでお願いしますね~」


 先生にまで突撃していった……

そいつはさっきのニコラとか言う変人だった。

確かに先生は綺麗だけど、普通声をかけるか?

まったく懲りてないんだ。

ある意味凄いな、あいつ。

崩れ落ちたニコラをレミーが引きずっていく……

とりあえず、バカは放っておこう。


 崩れ落ちた馬鹿の事など無視スルーして先生が自己紹介を始めた。

意外にやるな、あの先生。

見事な性能スルーっぷりだ。

先生の名前はランディーナというらしい。

僕たち生徒にも自己紹介をするように言ってきた。


 では、クラスメートを紹介しよう。



 まずは出会った3人 

吸血人の無表情美少女、サリエラ

クイズで一緒だった少女、リザリィ

バカの保護者らしき虎人、レミー


 そして

まだ暑いのに黒衣を纏うエルフ、クロス

ラザネイからの留学生、ミカゲ

やたらとキザな少年、エリオット


何かを食べ続けてる女の子、エメリー

落ち着きが無いチビッ娘、ユーリ

優しく微笑んでる猫耳少女、リサ


何故か白衣のドワーフの少年、ナクト

寡黙な所と体格から岩を連想する、ケンジロウ

鋭い眼光の姐さん系竜人、ディアラナ

周りを見渡して溜息をつくエルフ、メーナ


 さらに

クラスのほぼ全員から懲りない馬鹿認定されたであろう、ニコラ


最後に僕を入れて総勢15人が同じクラスになるようだ。



「では、みなさ~ん。自己紹介も済んだことですし、最初に皆さんがすべきことを教えますね」


 確かに、入ったばかりでどんな授業があるのか分からないからな。

ちゃんと聞かないとな。


「まず、皆さんは授業に出る必要はありませ~ん」


 …………えっ?

いきなり、ナニ言い出すの、先生!


「これには理由ワケがありまして、皆さんは1年で教える事を既にクリアしてるんですよ~。 入学試験の中にですね~、幾つか1年の最後にならないと教えないようなモノを混ぜていまして~、それに答えられた人が、今日の試練で最終確認をしたんですよ~」


 なるほど、道理で試験の時に妙に面倒臭い問題やら課題やらがあったのはそういうことだったのか。

その上で今回の試練でマグレじゃないことを証明したのがここにいるのか…

あれ?

じゃあ、今日の試練で不合格だったのはどうなるんだ?


「先生、一つ質問ですが、試練を突破できなかった場合はどういう扱いになっていたんでしょう?」


「その時は~普通の上級クラスに入ることになったでしょうね~。足りない部分をどうにかしないとクラス降格になっちゃいますから~」


 ナクトの質問に先生が答える。

ところで、クラスの降格とか上級クラスとか…このクラスとか…聞きたいことがいっぱいある。


「とりあえず~、今日はこの『クラスのしおり』で説明しますね~。まずは読んでみて分からない事があれば聞いてくださいね~」


 先生はプリントを用意していたみたいだ……手書きか、これ…

そういえば、試験の時の問題は版画だった気がしたけど、15名程度のクラスに配るのにいちいち彫っていたら大変だよなぁ……手書きも大変だけど……

意外にこの先生、できる…のか?


 プリントに内容によると……


授業そのものは免除だが、自主的に授業を受けるのは自由である事。

試験テストや学校行事は必ず行い、結果が悪ければクラス転向もあり得るということ。


最初の行事は来月行われる合同武闘訓練で戦うことらしい。

上位入賞者には『再来月の期末テストを免除する』が与えられるらしいということ。


 !?

テスト免除!

これは欲しい、授業に出なくても良い上にテストも免除になるなら……

あれ?

学校来る意味なにかすることってあるの?

まぁ、僕は自主的に色々調べて見て回るつもりなので、時間が取れるのは良いのかもしれないけど、とりあえずは模擬戦なんだから適当に負けてもいいか。


「学園一武闘会では1年で優勝した人も過去に3人くらいいますから~、みなさんにもチャンスはありますよ~。ちなみにですね~クラスから優勝者が出ると先生のお給料がちょっとアップするので~、是非とも4人目になれるように頑張ってくださいね~」


 いや、給料目当てって……それ言っていいの?

生徒にそういう話をぶっちゃけないで欲しい。


「八百長したり、わざと負けたりするような子を見つけたら、先生がしたことを後悔するようにしてあげますから~、皆さんは不正なことはしないでくださいね~」


 ………参加するからには、5倍の重力で出来るところまで頑張ってみよう……

まずは、あと1ヶ月、魔法に武術に地理や旅の注意点なんかも勉強しておくか。

できたら、上級属性魔法の呪文なんかもあれば覚えておきたいしな。

基本属性と派生属性は高位魔法まで覚えているけど、上級属性はときの中位魔法1つしか知らないからなぁ。

できれば他の呪文を探しておきたい。

特に空属性と消属性にあるという防御呪文と対魔法用呪文は、あると生存率が上がりそうだ。

あとでどこで探せるかどうか尋ねてみよう。

別に先生の妙なプレッシャーに負けたとかじゃないから、違うから。


「とりあえず、質問がなければ今日のところは解散です~」


 そうして最初のホームルームが終わるかという時にソレは起こった。



「まだだ、まだ終わらんよ! 諦めたらそこで終わりだ! どうかこの俺と一緒に食事をぉぉぉぉぉ!」


 懲りない馬鹿がクラスの女子に向かって飛んでいった。

向かう先は…リサとリザリィのいる辺りか。

…迷惑だし、止めるか。


「いいかげんにしなさいよ、こん馬鹿ぁ!」


「ごふぅ!」


 僕が馬鹿ニコラの進路を阻むのとレミー怒りの鉄拳が後ろから炸裂するのがほぼ同時に起こった事で、威力倍増。

振り抜けた拳と吹っ飛ぶ人体、見事なまでにクリティカルヒットだった。

生きてるかなぁ…アレ…


「…俺は死にませーん。この世の全ての女の子に愛を込めているから」


 …あいつ、転生者かなにかか?

どこかで聞いたようなネタばかりやってるし、ちょっと聞いてみよう。

って、立ったまま気絶してる。

馬鹿は馬鹿でもここまで何かを貫いて生きているとある意味尊敬できる。

しかし、このままにしておくにも何だな…

加害者の片割れとしては放っとく訳にも行かない…か。


「何もないようなので、今日はこれで終わりですね~。ではまた来週会いましょうね~」


 ……先生も見事なスルーだ。

この一連の事件を無かったかのように教室を出て行った。

あの先生も頼りない喋り方とは裏腹にかなりの猛者な気がする。


「えぇと、大丈夫なんでしょうか、彼」


「あ、大丈夫大丈夫、殺しても死なない様な奴だから、確かリサだっけ? 気にしなくても大丈夫よ」


「え、でも…」


 確かに白目むいて仁王立ちしてる姿はどう見ても大丈夫じゃない。

確かにこのまま見て見ぬふりしたくなるけど、やっちゃいけない気もする。

仕方ない、か。


「大丈夫、僕も加害者だからね、彼にはお詫びに学校帰りに何か奢ることにするよ」


「奢る? ご馳走!?」


 うわっいつの間にか背後に女の子が!

なに、これ、こわい。

ってエメリーだっけ?


「え、何? ディレット君、奢ってくれるの!!」


「え、え~と、あの?」


 確かユーリとか言ったかな、チビッコいのが興奮してる。

別に貴女たちに奢ると言ったわけでは無いんですけど…


「みんな~、同じクラスになった記念にディレット君が学校帰りに奢ってくれるって!」


「あ、ちょ、何をいきなり…」


「そりゃ剛毅やな、金持ちは羨ましいでぇ、当然ワイも参加な、ケンジロウも付き合えや」


「…んっ!」


「歩くの嫌い…だけど…美味しいものは…好き…」


「ほぅ、この私に奢りとはなかなか殊勝な心がけであるな」


「クラスの団結を深めるにはいい提案よね」


「彼の奢る店ですか、興味がありますねぇ」


「へぇ~、何を奢ってくれるのか楽しみね、期待してるわよ」


「私が美味しいものを奢られるのは運命だったのですよ、ククク」


「いいのかしら、これ。でもあたしのお小遣い少ないし、奢りはちょっと嬉しいかも」


 いつの間にかクラス中に伝播していた。

ちょっと待って!

クラスのほぼ全員に奢ることが確定事項の様になっちゃってるんですけど!

どうして、こうなったか…このユーリとかいうチビッコのせいだ。

とはいえ、ここで奢らないという選択肢は危険すぎる。

クラス中が期待の獣になっている。


「あの、クラス中になんて大丈夫なんですか?」


「さすがに馬鹿が原因であなたが酷い目に合うのはどうかと思うわ」


 一部始終を見ていたレミーとリサが困ったように声を掛けてくれた。

しかし、こうなった以上は諦めるか。

さようなら、平穏な生活、こんにちは厄介事。


「仕方ないよ。で、ユーリ。店は僕が決めるけど良い?」


「え、ホントに? いや~言ってみるもんだねぇ。 ところでどこにするつもり」


 さすがにクラス全員分を奢るとなったらアソコしかないよな…

貯金はともかく手持ちはそこまで持ってないし……


「『トラオムヴェルト』」


「マジで! あそこ行ってみたかったんだよね。あ、でもこの人数で大丈夫なの?」


「それは、なんとかするよ」


 なんでこんな厄介事になってるんだろう。

これが3年間の全てを象徴してる気がしてならないよ。

賑やかなのはいいんだけれど、賑やかすぎるのはどうかと思う。

クラスメイトを引き連れて、僕は前途に溜め息を吐きたくなった。




 ところで、背負ってるニコラ、意外に重いな。


次回、騒動、暴露、リグレット!


いや、ニコラが重いのは重力が漏れてるからだと思いますよ^^;

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