(23)異世界の学校は一味違うようです
新キャラ登場、この子達どうして出番がこんなに遅れたんだろう。
「正解!ディレット選手1ポイント獲得。それでは次の問題です。最終問題になるでしょうか?」
薬学実験室で僕は、何故か早押しクイズに参加していた。
………なんで!?
「さて、問題です。メザリア連邦は海島の小国群の集まりですが、中でも5大都市と呼ばれる島があります、その5つの島をお答えください」
ピンポ~ン!
みんな一斉にボタンを押す。
勝ったのは……………僕だ!
「アロアロ島、クノクノ島、ユシユシ島、チメチメ島、ホワホワ島」
しかし、なんて名前なんだろう…
名前を付けたメザリアの人はセンスが無いのかと思ったよ。
「正解!2問連続正解でディレット選手も9ポイントでリーチ! リザリィ選手と並びました!」
何なんだろう…本当に、これ…
考えなきゃいけないんだけど、考えたら負けかなって思ってしまう……
「さて、次の問題。魔法には基礎となる初級低位魔法、戦闘用の中級中位魔法・上級高位魔法とありますが、基本4属性だけ中級と上級の間に入る魔法があります、さて水属性でのその魔法は何でしょう?」
またも一斉にボタンを押す。
今度早かったのは……………僕ではなかった。
「流水鎌!」
「正解! これにて優勝はリザリィ選手となりました。おめでとうございます」
リーチしていたリザリィという女の子が優勝した。
これ、試練…だったんだよなぁ…
この試練を最初に考案した先輩の顔を見てみたくなった。
イエイエ、別ニ他意ハナイデスヨ!
負ケタ腹イセトカソウイウコトハマッタク考エテマセンッテ、本当デスヨ。
いやいや、落ち着こう。
とりあえず、9ポイント獲得で悪くはないし、あんまり目立つのは良くないだろうからこれで良かったはずだ。
勝負ごととなると、つい『負けたくない』って思ってしまう。
とりあえず、この3年間は面倒事を起こすような行動は控えよう。
卒業したら『神』に会いにいく約束もあるし、実家に迷惑かけたり伯父上の顔を潰すわけにも行かないからな。
「いや、惜しかったね。でもキミの成績は凄いね。まず間違いなく上級クラスだよ」
白いネクタイを付けた(色々な意味で)牛人のお姉さんが話しかけてきた、この人も先輩だよな。
「そのことについて聞きたいんですけど、あ、僕は新入生のディレットといいます」
「あぁ、名前は知ってるよ、ディレット選手。説明はこれが終わった後に自分の教室で聞くといいと思うよ」
そういえば、クイズ大会で名前呼ばれてたものな。
知ってて当然か。
「ボクは3年のマリーだよ、よろしくね。それでキミの行き先なんだけど、確か53番だっけ? 次は……え! えぇとね、ここの4階の蒼いプレートの部屋だね。詳しい話はそっちでお願いね」
「? わかりました。ありがとうございます」
いきなり驚いてどうしたんだ?
次はこの上の階の青いプレートの部屋か。
あれ、でも試練ってこれで終わりじゃなかったっけ?
とりあえず、行けばわかるか。
あった、青いプレート…というか看板?が廊下に置いてある。
わかりやすいなぁ…とりあえず、入ってみよう。
中に入ると、もう来てる生徒が何人か…って倒れてる生徒が……寝てる?
え~と…どうしよう?
周りを見ると女子生徒と僅かな男子生徒が周りを気にせずに座っている。
寝てるのは男子ばかり…とりあえず、近くの誰かに事情を聞こう。
寝てる人の一番近くに座っていた女子に話しかけてみた。
「あの、ちょっと聞いてもいい?」
「新しい人?」
「え?」
女の子がこっちをじっと見てる。
銀髪と赤い目が印象的だけど表情のあまり出ない子だ。
綺麗な子だけど、感情ない顔でこっちを見られてると人形に脅されてるような気がしてくる。
なんか、聞きにくいな。
「…うるさく、する?」
「え? いや別に…」
「そう…」
…なんだろう、この噛み合わなさは…
聞こうと思ったけど、聞けそうにない。
「そんな所に突っ立ってても仕方ないから座ったらどう?」
別方向から声をかけられた。
あれは…確かクイズで一緒だった…リザリィさん、だっけ?
一緒のクラスなんだ…
こっちはまだ話ができそうだ。
近くに座って、眠ってる生徒について聞いてみる。
「ねぇ、あそこの3人。どうしたの?」
「見てればわかるわよ。それより、ちょっと勉強に集中したいの、邪魔しないで」
……僕、このクラスでやっていけるのかな…
偏見かもしれないけど、変な子ばっかりだ。
ん? 廊下の方が騒がしくなってきた。
何か…来る!
「お待たせしました! 全世界の美少女の味方! 世界に轟く愛の伝道師! ニコラウス=ヴィス=カザド、ただいま参上!」
「ちょっと、恥ずかしいからやめなさいよ、ソレ」
いきなり現れたやかましい男の子とその後ろから呆れてる獣人の女の子。
なんか、濃いキャラだなぁ。
「何を言うんだ、こういうのは最初が肝心なんだよ。これでクラスの女子の視線はバッチリさ! おっと、そこの美少女! そう、キミ、可愛いね、よかったら名前と住所を……」
「うるさい、静かにして……」
「おふぅ!」
男の子がさっきの無表情の女の子に突撃かましたと思ったら、玉砕…って?
後ろに倒れた!?
すごいリアクションで後頭部打ったみたいだけど痛くないのかな?
『芸人か!』と突っ込みたくなるほど見事な倒れ方だった。
え~と、あ……鼻ちょうちん…寝てる……
倒した女の子の目が光っていた…が、すぐに輝きが収まっていく。
あれは魔法陣が目に浮かんで消えた光だったみたいだ。
今ので分かった、あれは吸血人特有の夜影魔法『眠りの渦』だ。
…なるほど、あそこで寝てる3人は、同類なわけだ。
あの無口の子、吸血人か。
吸血人:魔族、月(約45日)に1度、生き物の血を微量吸わないと体調を崩す生態を持つ
身体能力はあまり高くないが、賢さが高く、美形が多い。
種族的に『頭でっかち』になりやすく、HPが低い。
謎は解けた、あそこに寝てるのは今みたいなナンパの敗残兵の跡か。
とりあえず、リアクションに困ってるネコミミの子に話しかけに行く。
倒れた子と知り合いみたいだけど、ナンパして返り討ちにあった子の対処に困ってるようだったので、声をかけてみた。
「気にしない方がいいよ。寝てるだけみたいだし、うるさくしなければ多分後ろの雑魚寝集団に入らないで済むみたいだから」
「………そうね、いつもの事だし、いいわよね。殺しても死なないやつだし。とりあえず、ありがと。ところで、あなた名前は?」
いつもの事とか、殺しても死なないって…そういうキャラか……
どこの世界にもいるんだな、こういうの…
「僕はディレット。これからの同級生だね。よろしく」
「あたしはレミー、虎人よ。そっちで眠ってるバカはニコラ。これからよろしく」
虎人だった、猫人とか聞かなくて良かった。
多分言っていたら……うん、口は災いの元だね。
しばらくして、先生が来た。
……美人だけど、またケモノミミ……流行ってるのか?
あれは、狐人だったよな。
「みなさ~ん、席に着いてますか~ 着いてない人は早めに座ってくださいね~ 後ろで寝てる人たちも~起きて座ってくださ~い」
…狐ってシャープなイメージがあったんだけど、そんなのは全く感じなかった。
この先生……ゆるゆるでふわふわなんですけど……これが、担任…大丈夫…なのか?
癖の強そうな同級生が何人かいる教室を見渡して、この先に不安を覚えてしまった。
そんなこんなでホームルームが始まる…のか?
次回、七罪、おごる、アンラック!




