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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第1章~子供時代3~
25/42

過去話1 あの頃の僕

最初の記憶を取り戻したばかりの頃ですね。

過去のお話です。


タイトル修正:過去話1(閑話4) → 過去話1

 





 魔法に武術、そして超能力、僕には無敵な力がある。

一昨日に記憶が戻った僕はそんなことを考えた。

そこで僕が始めたのは、自分の能力を試すことだった。


 魔法に関しては魔力…というのが体の中に流れてるのを感じるのが最初、と前世で見た気がした。

まずは試してみよう……うまくいかない…

血液や気?らしきものが流れてるのを感じたので気?らしきものを集めるイメージをしてみたのだけれど、魔法になる気配がない……波O拳なら撃てそうだけど……できるの…か?


 やり方を変えてみよう。

まずは属性、最初から火は危ないから水かな?

水を手のひらに集めるイメージを…あれ?

体を覆っていた・・・・・・・何かが動いて手に集まってきた。

もしかして、魔力って体を覆ってるオーラみたいなものなのか?

なら、これを集めて……成功! 水の珠ができた!

大きさはこのくらいで、次は属性を変えてみよう。

水→闇→土→雷→火→光→風→氷→水、このパターンが一番楽に変化させられる。

逆回しでもいいけど…ともあれ属性も自在に変えられるみたいだった。

確かもっと属性があったはずだけど、とりあえずよくファンタジーで見かける8種類が使えれば十分だよなぁ。

残りは後で調べよう。

とにかく、魔法を実際に使うときが楽しみだ。


 武術に関しては、見よう見まねの演舞をしてみた感じだと、かなりのものだと思うんだけど…相手がいないからなぁ…

これは実戦で試してみるしかないな。


 さてと、いよいよお待ちかねの超能力の時間です!

能力については天界で説明読んだから覚えてる。


PK/念力:エネルギー生成

PK/念動:物質操作

心霊治療/ヒーリング:診断、回復、再生

心霊治療/ハンドオペ:悪性部分摘出、生命維持

瞬間移動/テレポート:自分と触れているものを転移

瞬間移動/アポーツ:物体を転移引き寄せ

超知覚/千里眼:透視や遠視

超知覚/テレパス:自他思考確認操作

ESP/予知:未来予測

ESP/過去視:物や場所の過去を見る

発火/パイロキネシス:火炎操作

憑依/トランス:能力リミッター解除


とりあえず念動とヒーリングは試したから、次は念力かな。

おぉ~、出た出た!

プラズマみたいな光の塊、どのくらいの威力か楽しみだ、とりあえず今は消しておこう。

さて、次は…千里眼でも試すかな。

外の景色は…マズッ!

いやぁ…ヤバイ…アレ!

外を歩いていた老若男女全員がハ、ハダ…

ちょっと嬉しいものから、見たくないおぞましいものまで見えすぎた…

いや3歳で良かったわ、リアクション出来ないし…

これはさすがに犯罪チックだ、今は・・使うのをやめておこう。

将来、大人になって適切に使えるまで封印しとこう、うん。


 次はテレポートか。

テーブルに触れて、部屋の隅から隅へ移動…成功。

次に触れたままテーブルを除外して、移動…あれ?

テーブルを除外したら一緒に服が脱げてスッポンポンに…

慌てて戻って服を着なおす…あ~ビックリした。

ちょっと練習しないと自分と身に付けたものを細かく区別できないみたいだな。

練習が必要だな、でも気にしなければ移動手段としては問題なさそうだ。

なら、テレポートでどこかに行ってみようかな。

まずは屋敷の上空200m付近へ移動、すぐに念動で浮遊からの飛行!

うわ、っと浮遊維持、ちょっとタンマ。


「耳がキーンってする。頭も痛い」


 そうか…一瞬で200mも登るとまずいんだ。

昨日の重力の時の立ちくらみもそういったものだったのかな?

少し慣れたら寒さにも気がついた、とはいえ今日は暑いからちょうどいいかも知れない。

街の外にある平原の周りで居そうなのは森と山と海…か。


「とりあえずは森か山かどっちかに行ってみよう」


 よし山のほうが強そうなのがいるかもしれない。

行ってみよう。

テレポートと念動飛行の複合は移動手段としてはすごく良いな。

早くて便利、ワープフライト!

 ところで超能力は種類別に分かれてるように見えるが、実はたった2種類のものの制御に分類できるそうだ。

この情報は全超能力を取ったことで開示されるそうだが、その2種類とは…

『脳の情報制御』と『物質の運動制御』だそうだ。

この2種類の組み合わせですべての超能力は出来てるらしい。

大枠でとってる場合は2種の組み合わせで新たな能力の開発もできるらしいが、それ以前に『制御』であるということが問題らしい。

要は自分の熟練度が関係するし、どんな時でも事故の可能性はついて回るということである。

世界最高の飛行技術を持った飛行機パイロットでも事故の可能性が完全に0にならないのと一緒のようだ。

まずはじっくり慣れていこう。

とか考えていたら良い所に出た。

下に巨大熊と蜂?がいる…というか、あれは蜂…なのか?

羽音と姿からすると蜂だけど大きさが…カラスくらいある…かなり怖い!

とりあえずまとめて焼こう……どうせなら、念動の大技試してみよう。

空気による屈折…光の収束制御…焦点固定…

ソーラークッカーを応用した太陽の大砲?!

名づけて…陽天砲サンブラスト



 一瞬、山全体が暗くなった後、放たれた光撃は巨大熊と蜂をまとめて焼く…というよりも一擊で焼滅させた。

その焦点温度は1万度近くにも達し、周囲の草木までも輻射熱ふくしゃねつで発火し、広範囲を燃え上がらせ始めた。

そして昇ってくる熱波は空高く浮かんでいたディルにも感じられるほどだった。



 うわっやば!

思ったより威力がありすぎた!

パイロキネシスで火炎操作!

空中へすべての炎を浮かす、そしてゆっくり縮小!

やばかったぁ…あやうく山火事起こすところだった。

ちょっと・・・・焼け焦げちゃったな…

少しばかり・・・・・、周囲の光を集めすぎたか……

とりあえず、切り札にはなりそうな威力だった…

地面がまだ赤熱化してるし、周囲も炭化というか灰化してる…

魔法で水や氷を出したら……水蒸気爆発起こすよな…

念動や念力で熱を奪えないかな…あ…できた。

急速に地面が冷えていくようで赤熱化が消えていく。

これ応用すれば絶対零度もできそうだ。

思ったより凄いな、超能力…

初めての狩りは…成功とは言えないけど…討伐はできた…

巨大熊と蜂を一瞬で骨も残さず焼き尽くすとは思わなかったけど…

MP消費無しだから、いくらでも高威力にできるんだよなぁ。

逆に手加減を覚えないと危なそうだ……


 とりあえず、帰ろう。

テレポートで部屋まで一瞬で戻る。

目の前にメイド長がいた!


「坊ちゃま、どこから…」


 まずい!…テレパス発動!


「忘れてっ」


 パキン!


「え?」


 何だ?

いまの薄氷を割ったような感触は?

メイド長が倒れた…

しまったか…どこか怪我してないかな…

ヒーリングで確認…


「…っ!?」


 えっ?息…してない…なんで?えっ?

身体異常確認…発見…脳の活動の阻害を確認、テレパスの影響と思われる。

このままの場合、呼吸停止による脳へのダメージ、最悪死に至る。

ヒーリングに診断結果が出た、早く治療しないと!

落ち着いてやればなんとかなるはず…

ヒーリングとテレパスの重複で慎重に解除…まずい早くしないと…

トランスを起動、さらに思考加速に集中、重複発動!

思ったより負担が大きいけどこれならなんとかなる。

並列思考を選んでおいて本当に良かった、神様に感謝しなきゃ!

急がないと…まずは脳の活性化をして……よし息を吹き返した!

これでまずは一安心……

それにしてもテレパスはまずい、強すぎる…

卵を掴むのに重機のアーム使うような感じだった。

よっぽど熟練しないと卵を割ってしまう!

慎重に操作するか精神的に頑丈な相手でもないと、うかつには使えそうもないな…

よく見ると全ての記憶をブロックしてる、このままには出来ないのでとりあえず全部解除して、少し前に見た分だけブロック、あとは後遺症こういしょうの治療と…うわぁ精神の形が壊れてるみたいな感じだ。

直しておかないといけないよな…自分の精神を参考にして…こんな感じかな。

よし、これで大丈夫なはず…治った!


 これで大丈夫…だと思ったんだ…この時は…








―――――――――――――――――――――――――――――――――――








 しばらくして、ある噂を聞いた。

メイド長がおかしい…と…

詳しく話を聞いてみると、気味が悪いくらいに優しくなって皆どうしたんだろうと思っているとの事だった…

もしかしたらあの時何かやってしまったのかもしれない…

これは今夜にでも確認しないと!








 そして深夜、僕はメイド長の部屋に忍び込んだ。

女性の部屋に無断侵入とか…3歳でなければ通報されそうだよなぁ…

ともかく昼寝をたっぷりしておいて良かった。

眠気は無い。

慎重にテレパスを起動させる。

そっと覗き込むような感じで精神を確認…

記憶に変な影響も無いし、精神の構造も僕と同じ・・・・だし、更に欠けた所もない・・・・・・・し、おかしなところは特に感じない。

もうちょっと深く潜って確認してみるしか…ってあれ?

精神の奥のそのまた奥に扉みたいなのがあるように見える!

まさか、これが原因か!?

入ってみよう。





 中は広大な世界だった。

どこまでも広がる綺麗な星空の夜の平原みたいな感じだった。

人の精神ってこんなに広かったんだ。


【誰じゃね?】


 え?

誰かに声をかけられた!?

周りには誰もいない。


【こんな場所に普通の人間…というわけでもなさそうじゃな】


 やっぱり誰かいるようだ!

声の調子からすると危険という感じでもなさそうだけど、正体が分からない。


「あのすいません、どこにいるんでしょうか」


【ふむ、どこと言われてもここにいるとしか答えられんが…正確に示すならこの世界そのものと言ったほうがよいのかの?】


「この世界ですか…」


 世界が語りかけてくるとか言われてもどうも実感が沸かない、というよりもここは何なんだろう?


「ここって一体どこなんでしょうか?」


【ここは『全ての命の願いの集合場所』『想いの土地』『真ナル魔法の世界』『まぼろばの夢』色々な呼び名があるが、『祈りの国』というのがワシは一番好きかの…ふむ、ワシのことはオラティオとでも呼んでおくれ】


「オラティオさんですか」


 すごい存在なような気もするけど、どういう存在なのか理解ができない…

なんか間違って来てしまった感じがする…


【お主がここに来た理由はよくわかった】


 は?


「まだ何も言っていないんですけど…」


【ワシは全ての命の願いと繋がっておる。何を望んでここに迷い込んできたのかは話している間に流れてきたわ】


 どうやら本気でかなり凄い存在らしい。

なら、解決法も知っているかもしれない。


「あの、では…」


【結論を先に言うとじゃな、お主はアホか! ということじゃな】


 ちょっ! いきなり馬鹿にされた!

さすがに失礼じゃないかな、それは…


「いきなり何なんですか!」


【よく聞くのじゃぞ、そもそも全ての命の精神構造は全部違うものじゃ、人間であろうと、そうじゃなかろうと『資質』『環境』『教育』『思考』全てが違うのだから人生観も全て違うものになるのは当然、同じ国で似たような環境で教育を受ければ多少似ることはあっても絶対に同じ形になる事はない、ましてや欠けた部分の無い精神なんぞそもそも有り得ん! 善悪正邪ありとあらゆる全てを認めながら一人で生き続けられる精神なぞ人間どころか生物の精神ですらないわ!】


「え?」


 これは……遅ればせながらトンでもない事をしでかした気がする。


【精神に『干渉』するということはその者の生きてきた人生を否定することに等しい。まぁ今回の分はワシが何とかしてやろう。但し、お主が変えた精神で過ごした数日間の経験がその者の精神に与えた影響分まではどうにもならん。今後の生き方が多少変わることは間違いないの…】


「それは…すみませんでした!」


【ワシに謝ってどうする。謝る相手が違うじゃろう。ちゃんと謝罪するんじゃぞ】


「はい……わかりました…」


 当然だな…メイド長にどうやってお詫びをしようか…

何か出来ることがあればいいのだけれど……


【まぁ『干渉』は駄目じゃが『覗く』までならギリギリ許容範囲じゃな、悩みを確認するくらいなら良いじゃろう、あと人間以上の存在なら精神も強固じゃから無理な干渉をしなければ問題は無いはずじゃ。それと、最後に言っておくが…】


「な、なんでしょうか?」


【人の心はそれぞれ違うのが当然じゃ、しかし心を他人に見せても胸を張って誇れる生き方を目指すが良い。でなければ器が小さくなり続けるぞい! 惨めにはなりたくないじゃろう?】


 胸を張って誇れる生き方…か…

僕はそんな生き方が出来てるのだろうか…


 これは今回の件をちゃんと謝罪しなかったり、こそこそ隠したりするな、というメッセージなんだろうな…

覚悟を決めてメイド長のために全力で何かお詫びをしないとな……


【そろそろ帰りなされ、もしここにまた来たいのであれば自分の心の奥底から来るが良い】


「はい、色々ありがとうございました、ではまたいずれ…」


 そうして僕は『祈りの国』から退出した。








―――――――――――――――――――――――――――――――――――









【なかなか興味深いモノじゃったの。次に来る時が楽しみじゃ。さてと、ワシも久しぶりに仕事でもするかの】


 そう言って、オラティオと言っていたナニカ・・・は動き始めた…

人間の知覚では何をしてるのかさっぱりわからないが……








―――――――――――――――――――――――――――――――――――








 しばらくして、メイド長がいつもの調子を取り戻したという話が聞こえてきた。

しかし、どこか優しさが残り人間味が増したという評価についてはどうかと思う。

その言い方はあんまりじゃないのかな…



この先メイド長に新たな事件が起こり、僕が影で暗躍する事になるのはまた別の話…


次回、閑話前世話!



オラティオさんの正体についてはまたいずれ^^

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