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チート過多でのファンタジーライフ  作者: 老 左伝
第1章~子供時代1~
12/42

閑話2 天界にて

閑話2回目です。

 





 なんでこんなに仕事が多いんでしょう。

魂の配分調整に輪廻の輪の確認、さらに罪業ごとの浄化施設の点検…

おまけに仕事の相方がこの上司のうてんしだなんて…


「そういえば、以前お前を助けた魂があったろう? アレ、今は幻魔世界エルディアラートに転生しているらしいな」


「え! 本当ですか!?」


「なんだ、知らなかったのか? てっきり知ってるものと思っていたから近況を聞こうと思っていたんだがなぁ」


「知りませんでした」


「まったく。薄情なやつだなぁ。あれだけの恩を受けておいてただお別れしただけか?」


 そんなにあきれないで欲しいですね。

私だって恩知らずじゃありません!

まぁ、行き先知らなかったのはまずかったかなぁ…と思いますけど…


「そこまで酷くはありません。 一応、別れる際に全力で加護は掛けました!」


 あの時渡したメガネの中に全力で私の加護を込めたんです!

それがあのときの精一杯でした。


「お前の加護って、幼少期の様々な成長を促進、特に鍛練値が伸びやすい、だったか? よっぽど鍛練好きな一族に生まれるか、前世知識でもあって鍛練を自主的に始めるとかしないとあまり意味がないぞ」


「これでも頑張ったんですよ! それに無駄にはならないはずですし」


「まぁ、確かにな…無駄にはならんと思うがその程度だぞ、せめて誰かに増幅してもらってから渡せばもっと上位の加護に出来たかもしれないのにな」


「あの時私、一人だったじゃないですか、誰かいれば増幅用の術だけでも借りられたのに、誰かさんはすぐさっさと行っちゃうし…」


「仕方ないだろ、だれかの不始末で待たせてる魂の処置をしなくちゃならなかったんだからな」


「う…、それは悪かったですよぉ」


 確かにあの時は悪かったですけど…何度も何度も蒸し返さなくてもいいじゃありませんか!

それにこれでも、私にできる精一杯の事はしたんですよ。


「まぁ、受けた恩とお前の実力から考えると10輪廻りんね分くらいあの魂に仕えるくらいしてもまだ足りないとおもうが、さすがにそこまでは無理か」


「それはそうですよ、それだけの期間を神力無しでやっていける自信はありませんから」


 私みたいな下っ端じゃ、お仕事しないと神力の循環が途絶えちゃいますからね。

上位の天使や神格持ちなら、大量の蓄積やら自己生成やらが出来るのでしょうけど……


「まぁ、そうだろうな、実際できるとしたら仕事の合間を縫って会いにいく程度か…」


「そうですね…」


「で、それすらもしていなかったと…」


「そ、それは知らなかったからで……」


「恩人の動向くらい気にかけとけ。あと、会いにいくなら早くしたほうがいいぞ」


「だったら、こんなに仕事回してこないでくださいよ」


「それは知らん。大体、忙しくて時間が取れないなんて言うのは配分下手の言い訳だぞ。そこの仕事は全部、幻魔世界エルディアラートのものだ」


 正論です。

正論ですけど…それでもこの量はないですよぉ。

おまけに処理するのにいくつもの存在に許可やら了承やら取らないといけません。

せめて、一部だけでも自分で承認できれば…


「たしかにそうですけど…何の権限も持たない平天使ひらてんしにはこくじゃないですか。少しでも自己裁量で決定出来る下級上位けんてんしの位か神格からの委任状くらい無いと認可だけで時間無くなりますって…」


「お前がその権利に対しての義務と責任の重さに耐えられるなら推薦すいせんしてもいいぞ」


「う゛…、今の私に耐えられるでしょうか…」


「それこそ知らん。自分でやらなければ……やる気を起こさなければ始まらん話だ。そこまで面倒見きれんぞ」


「少し考えてみます…」


 確かに権利には義務と責任が付き物、というかセットでしか存在しませんけど…

自分の判断でこの前、大ミスをした私にとっては責任が重く感じてしまいます。

ミスする前なら増長していたんでしょうかね……


「大体あそこって上級神直轄ちょっかつの世界だろ、確か現場管理を何柱かの下級神格が代行しているんだったか」


「えぇ、認可されるほどの存在に6柱ほどが成りましたので、世界の循環を委託していますね」


「なら今度、認可取りに行くときにあそこの神格に話をしてみたらどうだ? あの魂にお礼するならあそこの管理神に気にかけてもらえるように頼んでみるのも悪くないだろう」


「確かに…でも、いいんでしょうか? そんな私的な事を頼んでしまっても…」


「それはお前の頼み方次第だな。大体お前だって平天使とはいえ天界の上級神直属の配下なんだぞ、下界の管理神と比べても……くらべて…も?」


「何か言いたいことでもあるんですか!」


 なんです? その間は…!?

何を比べてるって言うんですか!


「まぁ根本的な品格が劣っているとしても、天界勤めにもかかわらず格が劣っていたとしても、スタイルが圧倒的に劣っていたとしても、無碍むげにはされないはずだ…」


「ちょっと私の評価、酷すぎないですか?」


 今、変なの混ざっていませんでしたか?

なにかサラっとひどいセリフが混じっていたような気がするんですけど!!


「じゃあ、劣っていないと胸を張って言えるのか?」


「え……それは…」


「そこで自信をもてないからそういうことになるんだ。 …あと一つ言っておくぞ」


「な、なんです?」


「管理神に頼みに行く前に、ちゃんとあの魂の情報を自分で集めておくんだぞ」


「わ…わかってますよぉ」


 そこまで子供じゃありません。

まったく、なんだって言うんですか……








―――――――――――――――――――――――――――――――――――








「さて、あの子はどこにいるでしょう? 私の加護を確認して…」


 休憩中に下界を覗いて、自分の加護の波動を捜査する。

ありましたけど、やけに反応が強いですね…


「あら? なんか、加護が強化されてません? 誰か手を回してくれたんでしょうか?」


 気になったのでもっとよく確認してみるため、解析映像を映してみます。


「…っ! なんです、あれ!? 物凄い可能性の塊じゃないですか! おまけに神格の芽まで持っていますし…誰があそこまで…」


 解析中のあの子が映ってますけど、何をしてるんでしょう?

たくさんの人に囲まれているみたいですけど…


『すばらしいお返事です。みんな、聞いての通りです。姫様及びジルド王家は霊峰れいほうまう皇、幻獣種ラスル三柱の一角にして皇国の神、『ミコ』様への謁見えっけんに協力していただくことになります。代わりに王家は…おぉ、シャルナ=アム=ジルド様とディレット=ドゥ=エスクランス君の将来の結婚を全力でバックアップしていただきます。というか実質、姫様の婚約発表ですか!、これ!!』


 下界の誰かが何か喋ってますけど、ディレット君というのがこの前の魂で間違いないですよね。

それが幻獣種に会いに行って姫様との婚約発表ですか?

神前結婚でもするんでしょうか?


「うわぁ、なんか凄いことになってます。婚約の上にミコ様に会いにいくなんて…なんて面白、じゃなかった大変なことになってるんでしょう」


「これは…何としても会いに行かないと行けませんね。会いに行かないなんて薄情すぎます!」


 こんなイベント見逃すなんてつまらない事はしたくありません!

どんな口実つけてでも見に行かないと……


 …でも、その前に…お仕事…終わらせないといけないですよね……


次回、修行、魔法、カントリー!


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