表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日用品って大事だと思う  作者: タコンブ酢
一章スキルの自覚
7/20

日用品復活

「うっう~ん、俺は?」


「おっ生き返った。」


ドラゴンの血液のお陰で瀕死のクルトが生き返った。

しかし、アースの顔に驚きは無い、必ず効くと確信していたからだ。


「ん?魔物達は?」


「ああ、俺が全部やったぞ」


「マジですか、俺の意味ねぇ……。」


「いや、少なくて殺り易かったぞ。サンキュークルト。」


「さいですか……。」


俺、役に立ってねぇ……、クルトは軽く落ち込んだ。


まぁ終わったことは気にせずにさっさと帰るか。

クルトは軽い男だった。


「さぁ帰りましょう、乗って下さい。」


「いや、クルトお前死にかけてたんだから、まだ安静に……。」


アースは青い顔でそう言った。


「いや、俺ならもう全快、というか何か来る前より調子良いですし、直ぐ帰れますよ。」


そう、何故か以前より調子が良いのだ。どういうことだ?


「そっそうか。」


アースの顔は引き攣っている。明らかに嫌がっている。

しかし、


「そうです。さぁ早く乗り込みましょう。」


現実は残酷だった。クルトは殺る気満々だ。


「あっああ分かった。早く帰りたいなー。」


「分かりました。全力で行きますよ!」


墓穴掘ったー!アースは心の中で叫んだ。


二人を乗せた気球はある程度の高度を稼いだ後、転移によって消えた。


「何 か 調子 良 い んで 、早 く付 きそ う で す よ。」


「」


途切れ、途切れの言葉でアースにとって絶望の言葉を言い放つ。

しかし、幸か不幸かアースは完全にダウンしているため、耳には入らなかった。


実際、転移限界の距離は、行き50メートルが100以上の距離に成っている。

魔力も、もう数百回は飛んでいるのに、減る様子が無い。転移のタイムラグも確実に短く成っている。


結局休憩を数回挟んで一行を乗せた気球は王都に着いた。


「っと、もう着きましたよ。ってアースさん?」


クルトにとっては、正に一瞬で王都まで戻ってこれた感じだ。

実際に、1時間も掛かって無い、しかしアースにとっては無限の時間に感じた。


「あっ異常状態回復の魔法掛けないと。」


そう言って、魔法を掛けて行く。


「おおっ楽に成った。やっぱ魔法ってすげーな。」


「それは良かったです。」


まるで俺タクシーみたいだな、何しに来たんだろ……。

クルトは再び落ち込んだ。


「さってと、ギルドに報告は俺がやっとくから帰っていいぞー。」


「本当ですか!!ありがとうございます。」


ギルドの報告は面倒くさいことで知られており、

全カット出来ることに素直に喜んだ。


俺は適当に走りながら、宿へ向かった。

今日は色んなことがあり、もう疲れた。寝る


「お帰り、クルト。」


宿で迎えてくれたのは、白髪青目の低身長の腰の曲がったお爺ちゃんだった。


「ただいま、グレンさん。」


この老人はグレンと言い、この小さな宿を経営している、気の良い人だ。


「もう、寝ます。ご飯は要りません。」


「あい、分かった。それじゃあお休み。」


「お休みなさい。」


簡単なやり取りを済ませて俺はベットへ沈んで行った。

血は落としているが汚れたままだ。




















その夜、


「ふわぁぁ、さてっと行くかぁ。」


昨日の鞄屋?に行くのである。

毎日通えば売ってくれるかもしれない。そんな淡い希望を胸に走る。

夜風が寒い、明日は冬用品の買い物だな。

そう言えば、報酬ってどうなったんだろう?

そんなことを考えている内にテントに着いた。

もっとも、その姿は全く見えないのだが。


「おじゃましまーす。」


一度見た、あの不思議な光景が目に飛び込んでくる。

前は余裕が無くて気付か無かったが、自分の体も歪み曲がっている。

更におよそ重力と呼べるものが無くなっている。

これではまるで夢の中の様だ。


「そうじゃよ、ここは我の夢の中、この世界の中では我は神と同じ存在じゃ

何だって出来る。……、お前など一瞬で消滅させることが出来るのだぞ?」


「うお!?、いきなり目の前に! それは、それは……、まぁそれは置いといて、鞄が欲しいのですが。」


うん、神様かそれは凄い、でも俺は鞄が欲しいんだ。そんなのどうだって良い、はよ寄越せ。


「これは、これは、随分面白い人間が来たもんじゃのう。」


心を読むな、そして鞄を寄越せ。


「いやじゃ、あれは我でも作るのに時間がかかるんじゃ。」


嘘こけ、コラ、お前神だろ、んなもん、ポンポン作れるだろ。


「ああ、嘘じゃ、大嘘じゃ、それと口が随分悪い様じゃのう、神の御前だぞ控えい、控えい。」


うるせぇ、ばばあ、鞄もくれない様な奴が神な訳無いだろう。


「ふふふ、お前と話していると、昔をおもいだすのぅ、あれはまだ我が……。」


語らんで良い、語らんで、早く鞄を寄越せ。


「やったら、もう来ないだろう?」


当たり前だ!、早く、早く寄越せ。


「なら、やれんのぅ、さぁ明日もまた来なさいな。」


またしても、杖を掲げられ俺の意識はプツリと途絶えた。













その朝、


「っは!!!、またかよ……。」


またしても、ベットに戻されているのである。

誰だって嫌にでもなる。


「はぁ……、ご飯食べよ。」


スキルでサンドイッチを出して食べる。

シャリシャリのキャベツが良い感じだ。うまいっうまい。


「さてと、ギルド行くか。」


昨日は依頼をこなしたのだ。

お金が銀行に振り込まれているはずだ。

ギルド冒険者は無料で自分の口座を持てるのだ。


「あんまり活躍しなかったからなぁ……少ないだろうなぁ。」


それでも、初月給ならぬ初報酬だ、浮かれるのも無理ない。


着替えて、水魔法で体と服の汚れを落とす。

うん、魔法ってほんと便利便利。


「テレポートで行くか。」


昨日以来テレポートはお気に入り魔法だ。


部屋から道路、空中、上空、天空、と高度を上げていき、ギルドを見つけて

一気に飛んでいく、目に一瞬だけ映る景色が脳に強く焼き付いて、何度も再生される。

ほんの一瞬でギルドまで着いた。








「こんにちは、リリアさん。」


「キャア!!??、いきなり何!!!??」


次回「日用品のぱわぁーあっぷぅー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ