表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日用品って大事だと思う  作者: タコンブ酢
一章スキルの自覚
4/20

あって良かった日用品

「これは……城か?」


「ちょ、でか過ぎでしょ。」


俺達は気球のすぐ側まで来ていた。……のでは無い。まだ王都も出ていない、

けれども目に飛び込んでくる赤い気球それはまるで、天国に昇るつもりなのかと思えるほどだった。


「がはははは、でっけーなぁおい。」


「と、とにかく早く行きましょう。」


気球の側に寄るとそれがどれだけ大きいのか良く分かる。

なんせ、見上げて上が見えないのである。

なんて物を注文してくれたんだ。俺は二、三人入れば十分なのに、

これは簡単に百は入るぞ!!??、俺はこの先の旅の移動手段を思い出し、身震いした。


「よーし、クルトさっさと乗り込むぞ。」


「はぁ……分かりましたよ。」


俺達が乗り込んだ後、気球に乗っていたギルド員が一声掛けてから気球に火を入れた。

と言ってもそれはさい先、火ではなく剛炎だったが。


「おお、王都が一望できるぞ見ろ、クルト。」


「確かに綺麗ですね。」


普通の気球では狭すぎて景色等楽しめ無いのだが、そう言う所ならこれでも良かったかなって思えてくる。


「おお、もう王都が見えなくなったぞ。」


空はある程度昇れば息苦しくなったり寒くなったりするのだが、

この気球には魔法が掛けられているらしい。

つくづく俺達には勿体無い気球である。


「そろそろ転移しますよ。」


「おうよ!!!何時でもこい!!!」


俺はコンパスと地図で改めて方角を確かめて魔法を発動させた。

転移の時に生じる風切り音がうるさいがそれ以外に何も問題ない

魔力が減る様子は全く無い。嬉しくなって一気に数十回飛んだ。


「これが転移かすっげーな速い速い。」


アースさんはとても楽しそうである。

あれから、実に百は飛び続けた。

そろそろ俺は魔力が減り始めたのが分かった。

けどまだまだ行ける、余裕である。更に数百回は飛び続けて

ようやく俺の魔力が殆どカラになるのが分かった。


「ふぅ、そろそろ休憩しますね。」


「うぐぁ、おえぁ。」


数百回の転移で、アースさんは酔ってしまったらしい。

俺は<日用品>で魔法薬を大量に取り出し片っ端から飲んでいった。

俺が出したのは最上級の魔法薬なので、水で薄まっていない物である。

その為お腹がたぷたぷと言うことには成らない。

飲んだら直ぐに吸収されてしまうのだ。

幾らでも行ける。


「おぃ、ぐヴるぅどぉ、それはなんだぁ。」


倒れているアースさんが苦しそうに訊いた。


「スキルですよ、スキル。ユニーク持ちなんです私。」


「おぉぉぉぉおでもユニークもってるぞぉぉぉ。」


やはり苦しそうである。可愛そうなので異常状態回復の魔法を掛けてあげることにした。


「おお、楽になった、それにしてもお前ユニーク持ちだったんだな。どんなのだ?」


「日用品を出したり消したりするスキルです。」


初めは戸惑ったが、今となっては俺の大事な相棒である。


「それいるのか……?」


失礼な、次魔法掛けてやらねーぞ


「この大量の魔法薬、スキルのお陰なんですよ。」


<日用品>が無ければこんなことしていない


「まぁそうか、で俺のスキルだがな……。」


アースさんのユニークは何というかバトル系のスキルぽい

何で分かるかって?勘だよ勘


「<バトルマスター>らしい」


ビンゴ、やっぱり当たった。俺の勘は良く当たるなぁ


「どんなスキルですか?」


「<剣神>とか<打神>とか<身体強化>、<移動速度>、<剛力>なんかの戦闘系スキルを三倍した物を足したスキルだそうだ。」


「めちゃくちゃなスキルですね……。」


何だそれは俺の<日用品>が急にしょぼく感じてしまう


会話をしながらも魔法薬を飲んでいく


「そろそろ、出発しますよまだ70キロぐらいしか進んで無いんですから。」


俺は大量のゴミの山を消す。


「まじかよ……。」


力無くつぶやくアースさんを無視して俺は再び転移を繰り返した。


それから転移と休憩を繰り返してようやく海に出た。


「おお、海だ、海だ、昔海龍の討伐に行った時以来だぜ。」


「私ははじめて来ました。」


「良い所だったぜ魚は旨いし魔物もいっぱいで退屈しない!

初めはパーティのみんなで泳ぎの練習をしたんだか

俺が一番へたくそだったもんだから、みんなでどうしようかと悩んでたら

リーダーが<バトルマスター>使えないのか?と聞いて来てな、

それで、めでたし、めでたし今は一番俺が上手いってわけだよ

まぁスキル無ければ今もかなずちだがな」


なんとアースさん泳げなかったんだ、以外である。

しかし、今の話におかしな点が一つある


「スキルって自動なのでは?」


「俺はめんどいからスキルについてあんまり詳しく無いんだよ。」


こいつぁーひどい、正に豚に真珠、猫に小判だ。


「つっても、リーダーに怒られてからちゃんと覚える様にしてるけどな。」


「そうですか……。」


良かった、本当に良かった。顔も名前も知らないけどありがとうリーダー。


「さってと、海も見えて来ましたしさっさと行きますよ。」


「はぁ折角忘れかけてたのに……。」


アースさんはテレポートが嫌いらしい

でも仕方が無いので無視して再び転移を繰り返す。


直ぐに島が見えてきた。


「やっと着いた……。」


「着きましたねー。」


次回「大量生産、大量消費の日用品」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ