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日用品って大事だと思う  作者: タコンブ酢
2章ハイパー登山~王都
19/20

ハイパー登山一日目

思考錯誤の末、ゴミ小説が山程……疲れた!


……改良して、番外編にしちゃおっかな……。

俺は現在山登りをしている。


魔界の様な樹海には当然の如く、道が無い。


と、言うのも、此処の木は異常に成長が速く、3日もあれば種から樹齢100年を想わせる大木へと成長する。


早い話道を作っても直ぐに埋もれる為意味が無いのだ。


前回王都に向かう時は単身で荷物も少なかった為、木々の間を縫う様にして進む事が出来たが、今回は大きなリアカーを引きながら歩いている。


どうしても引っかかる、ではどうするか?簡単だ、通る所片っ端からへし折ってゆくのだ。



バキィ!、メキィ!!、ボガッ!!!、強化軍手を付けた拳や強化靴を履いた足で木の根元から根こそぎへし折ってゆく。


根元から木が吹っ飛ぶ為、地面がガタガタに成って行く。


これではリヤカーの中身がこぼれてしまう。


「まぁ、無問題なんだけどな。」


リヤカーの中味、つまり大量の魔道書を保護する為、上から覚えたての結界もどきを何重にも張り、更に上に鉄製のスキル強化板を張り、更にその上から結界を張りまくり、強化した鉄線でリアカーが見えない程までぐるぐる巻きにした。


俺の結界は熟練度が低い代わりに恐ろしい魔力を込めた一級品?


<日用品>で魔法水や薬を大量に出し、魔力を補充しながら張ったのだ、だから一つ一つに俺の全魔力が籠っている、もう絶対に壊れない筈。



さて、俺は大体成人男性が全力疾走する速度の3倍程度の速度で歩いている。


前回はちんたらちんたら歩いていた為、何年も掛かったがこの速度ならそう時間は掛からないだろう。


ガタガタ音を立てるリアカーを引きずり回しながら俺は勘を頼りに樹海を突き進んで行く。



途中、音や魔力に惹かれた魔物が何回か襲ってきたが――――――瞬殺。


森を突っ切る為、何者かの巣に突撃した事もあったが、宿主をぶち殺して、今日の寝床にした。


何も問題は無い。





巣の中は立派な洞窟で、しかも洞窟のイメージに合う、くねくねした物では無く、広々とした快適な空間だ。


恐らく、自然ではあり得ない構造をしているのでここの宿主がせっせと硬い岩石を何年もかけて削ったのだろう。


御苦労なこったい、まったく。


ちなみに樹海は魔物だけじゃなく、普通の虫や獣も居るが俺が魔力を帯びているのと、激しい音を立てている為、近かづいてきすらしない。


あと、虫避けの魔法と<血清>で製作した虫避けの秘薬と村で貰った虫避けの薬と<日用品>で出した虫避けの香、計4つの対虫アイテムを同時に使用している為、虫どもが我先にと逃げてゆく。


地中の虫すら全力で逃げる為、地面が少しうねる、少し気持ち悪いが、まぁ不快って程でもない。


洞窟の様な今日の寝床に松明100本を乱立させて明かりを確保し、自分の周り5立方メートル程の空間に結界を6枚張り合わせ立方体にして酸素を確保した。


食糧、水は<日用品>で無限に出せる為、全く困らない。


サバイバルなのに王族並の食事が楽しめる。




あと、洞窟の中に温泉を作った。


何を言っているのか分からない人もいるだろうが言葉通りの事をやっただけだ。


土系魔法で地面を掘り起こし、一度水を入れ、<日用品>で出した洗剤をぶち込み、風と念力と水系の魔法で回転させ洗浄し、汚れた水をテレポートで排出し、炎系の魔法で壁を固めて、もう一度同じ手順で洗浄し、水を入れて温めれば完成だ。


ほかほかと湯気を立てる温泉と、その中に浮かべられた<日用品>で出した温泉たまごが良い雰囲気を出している。


早速温泉に浸かって見る……………!!!


何と言う事だ!全く持って我ながら素晴らしい!下手をすれば此処を安住の地として永住したく成ってしまう様な魔力とも言うべき魅力が俺に纏わりつく。


そして側に浮かんでは沈んでゆく温泉たまごを手に取る。


この硬くも薄い殻の中には一体如何程のうま味と言うべきか美味と言うべきか……魔性の味が濃縮されているのだろうか。


少しばかり考えただけで顎がキュッと引き締まる。


早速俺は小皿と醤油を取り出し温泉たまごを割って見る。


全人が魅了される魅惑の味を遮り、忠実に守って来た清純なる高貴で美しい守護神を割って出て来たものはぷりぷりの白身、

濃厚にて濃密な無限の〝味〟それを有限なる小さな身一つに内包した正に神の如き食品に俺は手を付ける。


まずは一口、――――ほぅ………本当に美味いものを食べた時に出る言葉など何もない、あるのは唯々その美しさとも言える味に感動し、平伏したくなる精神を律する心だけである。



ついで二口、次は醤油を掛けて頂く。


素の味のたまごが完全な味なら、これは不完全な味と言えよう。


それは何故か?素のたまごは完全に調律の執れた極上の一品、確かに全人を魅了する完璧にて完全な味を持ち合わせているだろう。


しかし、味という物は何も穏やかさだけで決まる物ではない。


時に荒潮の如く、派手に口の中で暴れまわる豪快さこそが味の真髄という物ではないだろうか?言いすぎであろうか?否、そんな事は無い。


一見荒々しく、無秩序に見えるその味も、究極的に問い詰めて見ればそれが実に調律された動きである事が分かるだろう。



より、身近な物で例えると――――――そう、音楽。


素の味のたまごが律調のとれたオーケストラだとすれば、醤油を纏ったたまごの味は一見、無茶苦茶な動きをしている様に見えるジャズだ。


しかし、その内には何者をも魅了してやまない音があるだろう、荒々しさの中にこそ精密で調律の執れた動きが、この世に唯一無二の音が影を持ってして忍び込んでいるだろう、この世の頂点にも届く個性的な音達、それらを一つ束に纏め上げ、天を突き抜ける音を無自覚の内に演出するのがジャズだ、言いかえれば醤油を纏ったたまごだ。


両者に優劣など関係ない、その様な蝸牛角上の争いはとうの昔に卒業している。


故に!両者に最高の敬意を持って平等に食するのが俺が今取れる唯一の手段だ。


美味いっ!!!!



ちなみに温泉は段差的に成っていて、一番深い所は水深5メートルはある深さだ。


温泉で泳ぎ回るのが俺の夢だったのでな。


実に楽しいっ!








お風呂でさっぱりした後、俺はベットを取り出し就寝の準備を進める。


勿論ベットはふかふかのキングサイズベットだ。


まだまだ夜は長いが疲れたのでもう寝る。


……ちなみに洞窟の周りには落とし穴やベルや鈴を括りつけた糸が張っており、いざという時に、直ぐ起きられる様に成っている。


あと、多少の時間稼ぎも出来る様に、<日用品>で強化した超強力版ゴキブリホイホイと強粘着性の糸を超大量に張り巡らせている。


勿論、土砂崩れや落石で洞窟自体が壊れない様に洞窟ごと結界で覆ってある。


これ等のアイテムは結界以外全てを<日用品>で賄っている。


普通はこれ等のアイテムを常に持ち歩くか諦めるかをしなければいけないのだが、<日用品>のお陰で全く気にする事は無い。


常に手ぶらで最高峰の更に上をゆくアイテムを無限に使用できるのだ。

作者自身はそんなに温泉もたまごも好きじゃないです。

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