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日用品って大事だと思う  作者: タコンブ酢
一章スキルの自覚
12/20

日用品と故郷と魔物

タイトル詐欺かも……。

「只今から作戦会議を行う、まずは村の被害と状況を細かく報告してくれ。」


「えっと……、村の被害だが、まず食糧が殆ど無い、それこそ一晩で食い切れるほどしか。」


食糧が少ない、か、これは<日用品>でどうにかなるな。


「大丈夫だ、俺は生産系のスキルを持っている。後で全員に食糧を配る。」


「分かった、それと状況については村全体が酷く疲弊している、これもどうにかなるか?」


疲弊……水魔法の応用で軽く飛ばすか?いや、交代制で睡眠魔法で深い眠りに付いて貰うか。


「水魔法で全員を軽く回復させることは出来る、後は交代制で睡眠魔法を使って眠って貰う。」


「分かった、何とかなりそうなんだな、良かった……。」


「落ち着いたところで悪いが村の人数を教えてくれ、出来れば規模も。」


「え~と、人数は約260人、内子供80、男30、女150だ。

村の規模は縮小してかなり小さく成った、端から端まで2キロ位だ。」


男が30しか居ない……かなりきついな。

まぁまずは魔物の実態からだ


「魔物の死体か何かは有るか?」


「あっああ!しっかり取ってあるぞ!ほっほら、この毛皮!」


そう言って見せられたのは皮の腰巻だった。

……これで分かるなら苦労しないよ。


「……、出来れば全体像を見たいのだが。」


「ああ、すまんすまん、緊張していてな、

死体なら倉庫に山の様に積んであるから今取って来るよ。」


「ああ、頼む、すまんな」


「良いってことよ、じゃちょっと行って来るぜ。」


そう言って一人の男が走って行った。

さて男が帰って来るのを待つ間に色々訊き出すか。


「村長!魔物の次の襲撃はいつか分かりますか?」


だめもとで訊いて見る。


「ふぅむ、大体日が5回程沈んだ夜に何時も現れるのぅ。」


五回?定期的にか?魔物なのに?…何かがおかしい。どうなっている?


「前の襲撃が一昨日じゃから明後日の夜にまた来るのぅ。」


取り合えず思考を放棄して、明後日に向け対策を練ろう、

それが一番正しいはずだ。俺は間違ってはいない。


思考を巡らせていると先ほど出て行った男が帰って来た。


「こいつだ!このウサギだ!!」


急いでくれたのか息が切れている。上下する肩で大きい白ウサギを背負っている。

背負われたウサギは死んでから2日も経っているのにまるで生きているかの様な造形だ。

これは、魔物の体内には微量の魔力が含まれており、それが腐敗を防ぐからである。

そのせいで、魔物は人間の消化器官では吸収できず体を壊すだけなので食用としては使えない。

もっぱら素材として用いられるのだが、この白ウサギ……いやラージラビットと冒険者に呼ばれるウサギは…

て言ってもまぁラージラビットは茶色なんだが、これは白だから亜種だろうな

で、こいつは魔物の階級の最底辺に存在する種で一対一なら人間でも簡単に殺せる位弱い、

そんな奴の素材など、それこそゴミにしか成らないだろう?

まぁ毛皮として加工すれば幾らかは使えるだろうが、魔物の毛皮は加工しにくいからな、余り主流じゃないな。

だから、こんなのが襲って来ても何の足しにも成らない

そう言う所でも苦労しているのだろうな。


「こいつは、王都ではラージラビットと言われている魔物の最底辺に位置する者だな。」


「ラージラビット?最底辺?」


「ああ、魔物の中で一番弱い、どうやらそこまで焦る必要は無い様だな。」


本当は一番弱いかは分からないのだが安心させるために嘘を吐く


「……なら何とか成るのだな?」


「成る、余裕で撃退出来る。安心しろ。」


「良かった……。」


嘘だ、幾ら弱くても億万の数で攻めて来られれば全滅する、

正しそれはバカ正直に正面から戦った場合だ。

魔物との戦争に正義もクソもあるものか。

卑怯で外道な戦いとも言えぬ物で虐殺してやる!!!



「まず、村の塀だがあれではダメだ、

チタン製の高さ10メートルはある塀で迷路を築く

なるべく細く、複雑な物を。」


たかがラージラビットとは言え魔物は魔物だ。油断ならない、

鉄より更に硬いチタンを使う、俺の知っている金属で一番硬いのはチタンだからな。

…後で勉強だな。


「材料はどうする?チタンなんて物は此処には無いぞ。誰が築く?後始末は?」


予想通りの質問入りましたーと、そんなの簡単だ。


「全部スキルで解決だ。」


「……分かった。」


何か不服そうだなぁ、どうでもいいけど。


「後は上から物を投げたり、弓で撃ったりだな、

弓矢は作れないから、急いで作らせてくれ、俺は食糧を配った後砦を構築する。

何か質問のある者はいるか?無ければ解散にしたいのだが…?」


俺は辺りを見渡す、誰も意見、質問は無い様だ。


「では、解散とする。」


その言葉を境に皆が自分の役目に合わせて動き出した。


「さ~て、食糧と快眠しか届けないサンタさんを召喚するよー。あれサンタさんって何だっけ……?」


次回「悪魔の如き日用品」

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