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国際金融権力による人類支配構造

作者: 鈴木美脳
掲載日:2026/06/29

### 主体性の錯覚


* 「国際金融権力による人類支配構造」があるという主張は、常識的に見れば陰謀論的だ。

* しかし、家畜を最も効率的に働かせる方法は、奴隷である事実を忘れさせて自由を錯覚させることにある。


### オーガニックな自然災害


* 経済学の最大の使命は、社会システムについて、トップダウンな強制性を隠蔽し、ボトムアップでオーガニックな選好だと騙すことにある。

* 中央銀行の最大の使命は、国家という主体を錯覚させることにある。国家が奴隷である事実を忘れさせて、自由を錯覚させることにある。

* そうして、強制性の主体は国家だと錯覚させ、中央銀行が強制性の実際の主体である事実を隠す。

* そうして、苦しみの原因は国家による経済政策の失敗にあると錯覚させ、家畜の感情的な不満が金融権力に向かないようにする。

* また、すべての搾取についてオーガニックな自然災害であるかのように錯覚させ、利得者としての金融権力が能動的に関与した事実を矮小化する。


### 負債による信用の創造


* こういった主張が事実であることは、現代の貨幣システムにおいてマネーが負債からしか生まれない事実を起点に論証できる。

* 銀行には、キーボードで電子的な帳簿に書き込むだけでマネーを作り出す特権が与えられている。これを「信用創造」と呼ぶ。

* ここで「信用」とは、英語のクレジット(credit)の訳語であり、債権が契約通りに返済されるという評価の高さを意味する。

* 銀行の貸借対照表の左側の借方には、資産として債権が記載される。債務者の貸借対照表の右側の貸方には負債として債務が記載されると同時に、左側の借方に資産としてマネーが記載される。こうして、負債が誕生すると同時に、マネーも生まれる。

* ただし現実には、負債には利子が伴う。したがって、現時点で借りた金額よりも、将来に返す金額は少しだけ多い。

* 利子は、将来の労働力を債権者に上納することを意味している。

* 経済全体をマクロで考えると、マネーを借りた時点では、利子分のマネーが出回っていない。

* したがって、民間の誰かが新しく借金をするか、政府が国債を発行して中央銀行に買い取ってもらうことでマネーを作り、利子を支払うしかない。

* したがって、国債つまり政府の財政赤字は増加しつづける運命にある。

* そして、その利子分は、金融権力に対して国民を支配する鎖を提供する意味になる。

* なぜなら、国債の利子によって国民の将来の労働力を提供する対価をすでに国はマネーとして受け取っており、国が強制的に徴税しなければならないという搾取的な義務だけが残っているからだ。


### 負債主体の大衆化


* 歴史的な王権は世界中で繰り返し負債を踏み倒していたが、英国の名誉革命(1688)とイングランド銀行設立(1694)を一つの画期として負債の主体は国民に移動した。利益は金融権力に私有化され、損失は民衆に公共化されて、その徴税の義務は国家が負うという近代的な貨幣システムが確立された。

* すなわち、現代のグローバル資本主義の実態である「負債ベース貨幣システム」(debt-based monetary system)は、歴史的には、貨幣の唯一の形態ではなかった。現代の経済学は、「負債ベース貨幣システム」が貨幣の唯一の形態であるかのようなナラティブによって誤解を広げている。

* 例えばゴールドはその希少性によって貨幣として利用されうるし、金本位制の兌換紙幣もそうだ。

* また、例えばゴールドといった何らかの財について国家権力が納税の義務を定めるとき、その財は貨幣として機能する。

* 国が納税の方法として定めるものは、紙幣であってもいいし、銀行の電子的な帳簿の上に記載される金額であってもいい。

* したがって、貨幣は「負債ベース」でなくてもいいし、銀行の信用創造も「負債ベース」でなくてもいい。


### 貨幣システムの世界線


* 「負債ベース貨幣システム」においては、利子を通して富める者が常により富みつづける。格差は増加しつづけ、民衆は奴隷化されていき金融権力が利益を得つづける。

* したがって、民衆は長期的には構造的に詰んでおり、「負債ベースではない貨幣システム」のほうが民衆の幸福のためには好ましい。

* したがって、「負債ベース貨幣システム」がボトムアップにオーガニックに選好される可能性は実在しない。「負債ベース貨幣システム」は、暴力を背景とするトップダウンな強制性によって、他のシステムを歴史的に駆逐してきたことによって、覇権を獲得し現在の地位を得たのだ。


### 資金調達と自然選択


* その歴史的な原因としては、技術発展によって軍事力が人数にただちに相関しなくなり、戦争で勝つためには多くの戦費を調達する必要性が生じたという経緯がある。

* これは現代における株式会社などの競争でも同様であり、競争相手よりも多くの資金を調達することが生き残りを意味する。

* しかしながら、仮に外部に金融権力が存在しない状況で独立した2つの国家を考えると、「負債ベース貨幣システム」を採用した側が自動的に有利だという事実は存在しない。

* すなわち、中世ヨーロッパなどの歴史的な国家において資金調達が生き残りのために最重要になっていた事実は、実際の武力である所有権の主体がすでに超国家的な性質を確立していた事実を意味する。

* なおかつ、歴史的な多くの戦争は常識的に言われるようにオーガニックな自然災害ではなく、金融権力が両方に投資しながら開戦を能動的に煽ることも稀ではなかった。


### 技術発展と格差


* 技術発展が未熟で軍事力が人数にただちに相関していた時代には、人類の文明は実は自動的に公平で民主的だった。

* 非道を行って激しく憎悪されれば夜道で殺害されるといったサイコパシーへの淘汰圧も実在し、一方的で強制的な搾取は現実的ではなかった。

* しかしながら、現代の経済学のナラティブは、現代の資本主義システムを自己正当化するために、歴史的な奴隷的な不平等から現代的な非奴隷的な平等へと歴史が進歩してきたと教える。強制されたシステムがオーガニックに選ばれたものだと家畜達を騙すためだ。

* 技術発展が進むほど人類において力の分布の格差が増加する事実が、根本的で普遍的な変更不能の自然現象として存在するのだ。

* そして、人間が実際に行ってきたことは残念ながら、技術によってその自然現象から公正を防衛することというより、公正だという幻の印象を増加することで、格差拡大と搾取深化を効率化することであった。公正で自由だという認知を増加させながら、不公正で奴隷的な現実を深化させてきたのだ。


### 中央銀行の中立性


* したがって、現代の国家が「負債ベース貨幣システム」を採用していることは、国民のためではなく国際金融権力のためである。

* 各国に置かれた中央銀行の独立性とは、その国のためではなく、国際金融権力のためのものだ。

* ある国の為政者が「国民を搾取して血液を上納する奴隷商人であることをもうやめたい」と権力に告げれば、ただちに失脚して入れ替えられるか、そのような為政者のもとに団結した国民ごと軍事的に滅ぼされる。

* したがって、国際金融権力に逆らうことが自動的に合理的だというわけでもない。

* そのようにして、中央銀行の独立性とは、国民や政府のオーガニックな選好によってではなく、国際金融権力の側から暴力を背景としてトップダウンに強制されたものである。

* しかし、そうであるこそその事実は隠蔽し、搾取に対する憎悪は弱者に対してでなければ国家に対して向かうようにしなければならないのだ。

* したがって、中央銀行は無色透明で公益のために中立だとされねばならず、そう偽装するための虚偽のナラティブを乱す事実的なナラティブについては、アカデミアやメディアから排除しなければならない。

* そのため、経済について搾取的な実態を明らかにする研究は、経済学において主流にはならない。

* 経済について搾取的な実態を隠蔽する欺瞞が、経済学において主流になる理由がこれだ。


### 国民国家の成立と滅亡


* したがって、名誉革命(1688)を一つの画期として、国家は国民のものではなくなった。

* 近代を通して国民国家が生まれたのではなく、近代の開始において国民国家は滅亡したのだ。

* そのため、主権国家は錯覚であり、錯覚させるために強調される。

* 投票行動を行うことでシステムの変更に参加した印象が得られたとしても、実際には政府から独立して中央銀行は守られている。

* そのため、国民主権は錯覚であり、錯覚させるために強調される。

* 人間にも国家にも主体性は実在せず、人々は主体性を錯覚させられながら、実際には「負債ベース貨幣システム」によって家畜化されている。

* 自分達が奴隷的に労働力を搾取されているという事実すら認識できない立場へと家畜化されている。

* オーガニックな自然災害だと偽装された金融危機や武力衝突のたびに利益は金融権力へと回収されている。ただしもちろん、実際にオーガニックな自然災害も存在しないわけではない。


### 暴力の消滅


* マネーは暴力性を脱臭した暴力だ。

* 現代社会とは、暴力性を脱臭した暴力である。

* なぜなら、長年の自然選択によって民衆に埋め込まれた本能は、共感性や利他性を残していて、暴力性や搾取性を嫌うからだ。

* 暴力性や搾取性を完全に脱臭した言い訳を用意してやるとき、人間の利己心は最大限に発揮され、人間は最大限に暴力的で搾取的に動作するようになる。

* 経済学は、そのためのゲームのルールを民衆に与えている。

* 人間が人間を躊躇なく道具として扱うように、システム環境を整備することによって人間の性質を変更した。打算的に動作する部品ほど恐怖支配しやすく、搾取のために効率的だからだ。

* そのように、ナラティブと認知が徹底的に変わっただけであって、社会と人間の実態は今も古代と変わらない暴力だ。

* 平等な尊厳を持った双方の合意による財やサービスの交換だという建て前を整備してやることによって、人間はマネーを通じて常に暴力を発動している。

* 所有の格差によって実際には交換が公平ではないことの加害性を隠している。


### オーガニックな自然災害


* したがって中央銀行を中心とした国際的な「負債ベース貨幣システム」は、機械的で形式的な合理化の成果ではなく、むしろ徹底的に心理学的で感情的な現象である。

* 心理的な免責を現実世界に制度化したものであり、認知的な錯覚を現実社会に制度化したものである。

* そしてこの搾取的な構造の巨大な精緻化は、ごく一部の誰かが深く理解して意識的に主導したものではなく、自動的で自然的な物理現象にすぎない。

* すなわち、「国際金融権力による人類支配構造」の存在は、オーガニックな自然災害だ。

* そのため、もし家畜が自分が奴隷である事実に気づいたとしても、彼や彼女がいかに絶大で特権的な富裕層だったとしても、このシステムを変えることはできない。

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 本文で問われている金貸しにこそ一神教の戒律の違いが深く関与していた訳で、それ故ヴェニスの商人を生む事にもなってしまっただけに皮肉的ではありますが、creditが信用となった理由においても、この宗教に…
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