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「はぁ…疲れた。」

サナはため息をつく。

「魔法使い様のところにきたら、いきなり神とお話するんですもん。しかも無理難題ばかり…。心労が酷いよ…」

横で魔法の書を読んでいたが、ヒロトは

「はは、無理もないね。いきなりこんなことに付き合わせちゃってごめん。」と謝った。

「そもそもヒロトさんはどういう人なんですか?教えてくださいよ〜。」と少し馴れ馴れしく話す。指で頬をツンツンしながら。

「俺は先祖代々から神に使える仕事をしているんだ。俺だって声しか聞いたことない。見たことがない神様を見るなんて、サナは恵まれてるよ。」

「私には荷が重いです。メッセンジャーのお仕事しかできません。ヒロトさんはすごいなぁ〜。」

「すごい…か。代々伝わるこのお仕事さえなければ、おれも普通の人間として生きれてたんだが…」

ヒロトは少し顔を俯く。

「そんなのはやめやめ!早くご飯にしましょう!」とサナは元気よく、ご飯の支度を始める。

サナは道中キノコや木の実や山菜を拾ってきていた。

「一応、料理については父母直伝のメニューがあります!」と早速作り始める

「じゃあ、任せるよ。」と本読みながらもサナの方を気づかれないようにチラチラ見る。

「まずは、木ノ実を潰して、スパイスを作ります!」

手際がいい。一人で暮らしていたのもあって、やはり料理にはなれているのだろうか。

「次は、このキノコをナイフで切って…」

「危ない!」とヒロトさんが駆けつける。

「ふぇ?」サナはびっくりしてヒロトを見る。

「その持ち方だと切れた後に指まで切っちゃうぞ。正しくはこうだ。」とまな板にキノコを乗っけて、猫の手をして切った。

「ああ、なるほど。その手がありましたか!」

と手だけに上手いことを言いつつ、学んで真似する。

「すごい切りやすいですね」

「普通はこう切るんだが、まあ学べばいい。」

その上に山菜などを切る。タンスにはパスタがあったので、煮込んで、パスタとキノコを茹でる。

パスタを茹で終わったら水切りをして、皿に乗っけた。

「そして、ここにキノコを和えて、スパイスをかければ…」

「我が村直伝の山菜パスタの完成です!いや、ワイルドマッシュルームパスタの方がかっこいいかな…」

「では、どうぞ!山菜パスタです!」と皿によそい、ヒロトの前まで持ってくる。

ヒロトは山菜パスタを少しつまむ。

「美味いな」

「魔法使いベタ褒め!山菜パスタとして店でも出しますか!」

「ふふっ。」とヒロトは笑った。つられてサナも笑う。幸せな空間だった。

「じゃあ、そろそろ寝ようか。サナはここに」

ヒロトは指をベッドに向ける。

部屋はおそらく彼が使っているであろう、ベッドが一つ。寝るのにはちょうどいい長さのソファが一つある。

「俺はここにでも寝るよ。」

とソファを指さした。

サナは「いやいや、私がソファでヒロトさんがベッドですよね!」と少し嫌がる。

「明日の英気を養うためにも、サナはベッドで寝るといい。」

この問答を二、三回繰り返したが、意見は対立の一方だったので、

「分かりました。私がベッドで寝ます…」

と仕方なくサナはベッドに寝転がる。

ベッドから見える窓には夜景が見える。

今日は星が綺麗だった。

「星、見てくださいよ」とサナは空を指さす。

ヒロトはソファから窓の方を見る。

サナは「綺麗ですよね。」

ヒロトは「ああ、これが俺の見た夜空で一番キレイな景色かも知れない。」

「俺は宿命を果たす。俺の願いが叶うように、今日は星に祈ろう。」

とネックレスの十字架の手に持ち祈った。

(そして、君との関係性も…)とヒロトは心のなかで呟く

サナが完全に寝た頃に、横に手紙を忍ばせ、ヒロトは外に出る。

「すまない、サナ」と窓に映るサナを見ながら、ヒロトは魔法で夜空を飛ぶ。向かう果ては何処かは分からなかった。

眩しい朝。小鳥の声が聞こえる。

「ヒロトさん…むにゃむにゃ」とサナは起きる

「あれ?いない!?」異変に気づいた私はヒロトを探し回る。

付近に手紙が置いてあった。

「置き手紙すまない。君を連れて危ない場所にはいけない。俺一人で書物庫を探す。念のため、君への連絡手段は残すが、連絡するのは大分後になりそうだ。」

「はあ!?」サナは激怒した。

私に片棒担がせておいて、自分だけ犠牲になろうなんて許せない。私とヒロトさんで半分半分。いや、私が全部。ヒロトさんは0で良かったのに。

サナは今あった状況を冷静に分析し始める。案外、こういう頭の冴えるキャラなのだ私は。

ヒロトさんは書物庫。場所は分からない。連絡手段はこの魔法の懐中時計のようなもの。私の移動手段は徒歩しかない。トホホ。

庭に出て、少し考えながら待ってみる。

しばらくすると、ガサガサ草の茂みから音がし始めた

だんだん近づいてくる。

しばらくして、巨大の男が出てくる。

「だ、誰?」サナは少し構える。敵かもしれない。この世界に今は法などない。私が殺されても、彼は何にも裁かれない。

男は全身をマントで隠しており、顔は仮面をかぶっている。左側が白、右側が黒に分かれた仮面。

「名を聞きたいときは自分から名乗れ。」と巨体の男は要求する。

「私はサナ。あなたは?」

「まあ、名乗らんのだが!」と、マントから本を投げた。

サナは抜群の運動神経で避ける。その直後爆発。

「何の目的で私を狙っているの?」とサナは聞く。

「この辺は邪神の臭いが濃い、我ら神聖なる魔女団の者としては、特にお前の方から邪神を感じる。だから殺すまでだ。」

「私は邪神ではない!」攻撃は止まない。彼の本は何冊でも出てくる。雷撃、氷撃、斬撃、打撃。

様々な本を持っている。私としては分が悪い。

私は次第にスタミナがなくなる。あっちは投げるだけでいい。私はそれをかわすようにずっと走り続けなければならない。対抗手段の攻撃もない。

一か八か。賭けに出る。私はその本を投げようとする。すると

「危ない!」とどこかで聞いた声がする。私が知っているヒロトさんの声だ。

瞬時、バリアを張って、投げる前の魔法書を跳ね飛ばす

その瞬間起爆する、どうやらすぐか数秒待ってか相手は選べるらしい。

ヒロトさんは、「魔女団の仕業か。」と服を見て判別する。

「あいつらは頭がおかしい。敵とみなした者は善悪どっちであれ殺す。野蛮な連中だ。」

「そんなことより何とか間に合ったようだ。数秒でも遅れたら君は死んでいた。」

サナは「何でもっと早く来れなかったんですか?」と質問する。

ヒロトは「こっちも折り入った用事があったんだが、戻ってくるまでも長かった。君に渡した懐中時計から危機を察知したんだが。」

懐中時計。こんな役割があったのかとサナは少し感心する。

巨体の男は「では、助けに来たお前も殺す。邪神徒めが。」と言い、今度は魔導書の通り、魔法を唱え始める。投げる訳ではないようだ。

ヒロトもすかさず唱える。

結果、目に見えない何かがぶつかり合う。サナの目からは何も見えないが、ロケットくらいの速さで魔法が飛んできたり、弾かれる音がする。

「お前は中々骨があるみたいだな。どれ視てやろう」と巨体の男は仮面を外してこちらを見る。

金髪で白い肌。右目は普通の人間のようだったが、左目は義眼のようだった。まるでカメラのレンズのような目で、色は赤い。

「分析完了。まあ、大本のデータはもらったから、俺はここで帰る。」

「待て!」とヒロトさんが言い終わる前に、彼は消えていく。上から徐々に消えていった。

ヒロトは、「面倒な奴に絡まれちまった…」と少し後悔していた。

サナは「先ほどのやつもそうですけど、なんで急に出てくんですか!」と怒った

彼は、「だから手紙に書いた通り、サナは連れて行けない。ああいう奴らばっかりなんだよ。魔法の世界っていうのは。」

サナは「そういう言い訳はいりません!」とまだ怒っている。

ヒロトは「分かったよ。俺が勝手に出ていって申し訳ない。」

サナは「言い足りないことはありますけど、私も少し疲れたからもういいです。」

ヒロトは、「まあその件は置いて、書物庫に行ったんだが、神の永久降臨に必要なものは一つだけ。」

「それは?」とサナは聞く。

「依代の俺とと付き添い人のサナで遺跡に行って、奥には棺桶がある。そこで解呪をする。神はそこに眠っている。」とヒロト。

「それってどこなんですか?」とサナ。

「ここからは少し遠くなるが、君の村の奥深くだ。」

「そんな場所ありましたっけ?」とサナ

「ワープゲートだけある。俺等はそこを使って、遺跡にワープする。そして、解呪に成功すれば、1つ目はクリアだ。」

サナは「なるほど。じゃあ、いつにするんですか?」と聞く。

「今日、今すぐだ。」

「分かりました。」とサナ。急すぎではあるんだけど。

何とか、村にたどり着いた私達は、今の現状を目の当たりにする。

水は、赤く染まっており、人は誰もいない。

昨日挨拶してきた村長さんも、見るに耐えない姿へと変貌していった。

遅かった。それに心が折れてしまった。

村は死んだ。私はここで泣き叫ぶ。

ここで私の冒険は終わった。

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