真夏のキミと花火を見たかった+ 金森愛華編
僕と愛華が付き合ってもうすぐ1年になる。
「おはよう危川!」
「おはよう田島!」
「おっはー!!」
「おはよう愛華!」
「おっ!相変わらずアツい2人ですな!」
「よせよ田島!」
「ねえねえ彩!これ見て!」
「なんだよ?えっと、観光バスツアー1人1万円!?」
「そう!安いでしょ!」
「安いけど、これ怪しくないか?」
「大丈夫!調べたら、ちゃんとした旅行会社が運営してるみたいだし!」
「そうなんだ!1万円なら出せるな!」
「でしょ!私もコンビニバイトでお金が貯まったのよ!」
「高校最後の夏休み、2人で旅行かぁ!いいな危川!」
「え?2人って…」
「なんかよぉ、危川と金森って付き合ってるは付き合ってるんだけどさ、なんかまだ友達って感じだよな。」
「何が言いたいんだ?田島?」
「つまりだな、高校最後の夏休み、2人でこの観光バスツアーに行って、少し恋人って距離をさらに縮めたらどうなんだ?」
「それは…」
「賛成ー!賛成よー!田島あんたいいこと言うわねー!彩!さっそく準備してよね!夏休み初日に行くわよ!」
「えっ!?初日から?!」
「まぁいいからいいから!準備しておきなさいよね!」
「うん…わかったよ!」
「よかったな!危川!楽しんでこいよ!」
こうして僕は愛華と夏休み初日から旅行に行くことになった。楽しみだけど愛華と2人きりか。どうなることやら。
こうして時は過ぎ夏休み初日。
「確か待ち合わせはこのバス停なんだけどなぁ。」
「お待たせー!彩!」
「おっ!愛華!やっと来たか!」
「お待たせ!今日から2人きりで楽しむわよー!」
「そうだな!おっ!バスが来た!」
「さあさあ早く乗って!」
「まだドアも開いてないだろ!」
「もう!いいからいいから!」
「わかったよー!もぅ…!」
こうして2人を乗せたバスが出発した。
「なあ愛華。この旅館有名だよな。」
「そう!有名なのよ!私たち、ここに行くのよ!」
「えっ!?ここに行くの?!」
「そうよ!この旅館が目的地なのよ!このバスツアーは!」
「なるほどな。雑誌を見た感じ、飯もうまそうだし、素晴らしい旅館だな!」
「そうなのよ!っでね!これこれこうで…。」
こうしてバスで移動中、2人は旅行の計画を立てた。
キキーッ。
「えー、お客様にご連絡いたします。ただいまこのバスは40分の休憩をとります。1時40分までにバスにお戻りいただきますよう、よろしくお願い致します。」
「ふぁ〜、やっと休憩だ。」
「なぁに疲れてんのよ彩!旅はこれからでしょ!」
「そうだけど座りっぱなしは疲れたな!あっ、そういえば荷物は?愛華、結構持ってきてたでしょ?」
「大丈夫!座席のシートに上手く被せてきたから!」
「それなら大丈夫だな!」
「うん!さて、とりあえずお土産売り場行く?」
「そうだな!まだ旅は途中だけど、ここのサービスエリア限定のものもあるかもしれないからな!」
「だね!早く行こー!」
「これとこれと、これも、あとこれ!」
「おい愛華まだか?」
「ちょっと待ってよ!」
「バスの休憩終わっちゃうんじゃないか?」
「大丈夫よ!確か、1時間とかいってたから!」
「本当か?ならいいけど」
「私、限定って言葉に弱いのよね!これもっと。」
「それも買うのかよ!」
「えへへ」
(20分後)
「やっと買えたー!」
「買いすぎだぞ!バスを降りてから55分、ギリギリじゃないか!」
「大丈夫よ!あと5分もあるんだし!」
「まったく…あれ?」
「あれ?バスがいない…」
「確かここに止まってたよな!」
「うん!ここに止まってたわよ!」
「…」
「…」
「置いてかれたー?!」
「置いてかれたー?!」
…。
「置いてかれたみたいだな…」
「そうね…」
「いろいろ見たけど、このサービスエリア公衆電話無いみたいだし。」
「しかもこのサービスエリア山奥にあるせいか、私のスマホ圏外だわ。」
「はぁ…どうするんだよ!」
「私に言われたって分からないわよ!」
「愛華がお土産とかいっぱい買ってるからだろ!」
「そっちこそ!弟に買っていくお土産迷ってたくせに!」
「なんだと!」
「なによ!」
「おーい!喧嘩はやめんかー!」
「え?」
「え?」
奇跡にもサービスエリアに置いてかれた2人は
長距離トラック運転手に拾われた。
「そうかー。そりゃ大変だったね。」
「はい、もう彼氏が大変で。」
「はぁ?愛華だってお土産を…!」
「まぁ喧嘩はそんくらいにしときなよ!」
「あっすいません…私ったら。」
「あっ、ごめんなさい。」
「それにしても2人は付き合ってるんだな。カップルか。喧嘩ばかりしてると愛が壊れちまうぞ。」
「えっ?」
「えっ?」
「いいか、カップルってものはな、愛で出来てるんだ。その大切な愛を喧嘩で壊したら、愛が壊れて、カップルまで壊れちまうよ。だからよぉ、喧嘩はもうやめたらどうだ。」
「はい。わかりました。」
「そうですね、わかりました。」
「わかったらそれでいいや。はいよ、到着。ここからこの階段を上がって行ったら旅館に着くぞ。サービスエリアから旅館が近かったから俺も送って行けたからな。」
バタン。
「すいません、ありがとうございました、私たちのために。」
「ありがとうございました。」
「おう!喧嘩しないで仲良くやれよ!じゃあな!」
ブーン。
「…。喧嘩はダメだってね。」
「…。そうだね。」
「上がろうか、階段。」
「うん、そうだな。」
こうして2人は無事に旅館に着いた。
「えっと、このバスツアーの予約部屋は、最上階の中央だから、ここね!」
ガチャ。
「おー!綺麗な和室だわー!」
「おー!THE「和」って感じだな!」
「さてと、バス会社から運良く取り戻した荷物を置いてと、さて!お風呂行きましょうか!」
「あぁ、そうだな!」
…。
「えーと、女湯はこっちで、男湯は向こうね。」
「そうだな。」
「…、覗くんじゃないわよ!」
「はいはい、間違っても覗きませんよ。」
(そしてお互い入浴が終わり…)
「お待たせしました。お食事です。」
「わぁ!美味しそうー!」
「うまそうだなー!」
「いただきまーす!う〜ん、お味噌汁が沁みるわ!」
「このマグロうまいなー!」
(そしてお食事が終わり…)
…。
「はぁ、お腹いっぱいだわね!」
「そうだな!美味かったな!」
「っでこの後どうするんだ?」
「実はね、この後花火が上がるのよ!」
「花火?」
「そう、毎年8月1日は、夏の始まりってことで、この旅館、花火が上がるのよ!」
「なるほど、だから今日来たかったのか!」
「そそそ、そゆこと!」
「8時まであと、5.4.3.2.1…」
ヒューーーーーーッ…パァァァァァン!
「おっ!上がったぞ!」
「綺麗だわねー!」
バーン!ドーン!ヒューーーッパァァァン!
「綺麗…ね」
「そうだな。」
…。
「ねぇ、彩。」
「なんだい愛華?」
「私ね、付き合って初めてのデートの夏祭りのときから1年経った今、また彩と花火が見れて、私、幸せよ。」
「愛華…」
「だから、これからも、私で良ければ一緒に居てほしいの!」
「…。」
「いい…?かな?」
「もちろんだよ!俺もあれから1年後、また愛華と花火が見れて、幸せなんだ。」
「彩…やだ…私また泣いちゃう。」
「愛華…来て。」
「うん…」
チュッ。
「私たち、ずっと一緒に居ようね!」
「あぁ!もう喧嘩して愛を壊さないようにな!」
「もちろん!私たちの愛は誰にも絶対壊させないんだからね!」
-END-




