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気分は基礎医学  作者: 輪島ライ
2020年2月 病理学発展コース

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265/338

265 責任は取ります

 彼はその日のうちに写真部のグループチャットを抜けてしまって、慌ててメッセージを送っても既読さえ付かなかった。


 その日の夜に医学部4回生男子である写真部の主将からすぐにメッセージアプリで着信があり、私は恐る恐るスマホを手に取った。



「……はい、山井です」

「ヤミ子、お前柳沢と何かあったの?」

「……」

「こういう時にお前が黙ってるってことは、本当なんだな」


 付き合いの長い主将は私の本音をあっさり見抜き、観念した私は柳沢君とのトラブルを全て正直に話した。



「何つーか……ヤミ子、お前がそこまでひどい人間だとは思わなかったぞ」

「ごめんなさい……」


 1回生の頃から彼女がいて私とはフラットな感じで付き合ってきた主将は私の性格をよく知っていたが、それでも今回の件にはドン引きしているようだった。



「お前がろくでもないことをして嫌われようが大学で孤立しようがまあ勝手なんだけどさ、柳沢はうちのエース部員だしヤミ子の次の主将がいなくなったら写真部全体が困るんだよ。何とかならない?」

「ここから何とかできる方法があったら、私が教えて欲しいぐらいです。……主将、本当にごめんなさい。私、責任は取ります」

「おいおい、写真部辞めるとか絶対に言うなよ!? 恋愛沙汰で主将候補が退部って時点で風評がアウトなんだから何とかお前も柳沢も部活に残れるようにしてくれ。俺も仲介役とかできる限りの協力はするから」

「ありがとうございます。絶対にどうにかしますので、助けて欲しくなったらその時はお願いします」


 そう答えると主将は任せろ! と言って通話を切り、私は頼れる先輩がいるありがたさを感じた。


 そして主将と話している間に、私は自分がこれからすべきことを理解していた。

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