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待つ宵の夢


カクヨムにて執筆中の作品です!

中二が暇なときに書いている作品なので拙い文章だと思いますが、どうぞよろしくお願いします!



 ある夢を見ていた。

 多分僕がその夢の中にいる間『これは夢だ』とは意識していないと思う。

 そこでは大きな満月がなにかにあがくように輝き、潮のにおいが鼻孔をくすぐり、さざなみの音が聞こえている。


 夢の中の僕は、隣の林から聞こえてくるコオロギやキリギリスなんかの虫の鳴き声に耳をすまし、見え隠れする満月の光が反射している海を見つめながら、小さな砂浜を歩いている。


 左右には林が、目の前には海が広がり、後ろにはちょっとした壁があり砂浜とその向こう側をわけていた。

 夢特有の独特な雰囲気がなんだか緊張感を漂わせており、そこにいることに不安とともに期待を感じた。


 しばらく見え隠れしていた月がまた雲の後ろから姿を現し、夜を明るくしていった。

 月の光に照らされた大きな流木が視界の隅に映り込んでいる。

 その大きな流木に腰を掛けると、足元に何かあることに気づいた。


 それは───一冊の薄い本。


 表紙をめくり中をのぞくと、そこには見覚えのある題名と作者名が書かれている。その本は、僕が初めて書いた短い小説だった。

 なぜここにあるのかと不思議に感じたが、懐かしみつつそれを読み始めた。


 しばらくの間その本を読んでいると、背後から砂を踏む音が聞こえてきた。

 後ろを振り返ると、白いワンピースに麦わら帽子を被った女性が裸足でこちらに向かってきている。


 その女性の手には一冊の本が握られている。

 その本の表紙は暗い影に隠れてよく見えない。顔には白い靄がかかっていてどんな顔つきをしているのかわからない。


 肌は白く透き通っていて、黒く長い髪が風に吹かれて揺れていた。

 大きな流木から腰を上げて立ち上がり一歩一歩近づいてくるその子と向き合う。


 わずか数十センチしかない距離まで近づくと彼女は立ち止まった。するとその女性のおでこと顎のあたりから徐々に白い靄が薄れていった。


 ………彼女は泣きながら緩やかに笑っていた。


 漫画のキャラのような大きな目に、すっと通った鼻筋、右の目元にはここにしかないというところに小さなホクロがある。

 その笑顔は本当に綺麗で儚くて優しいものだった。


 笑いながら細めた目から涙がこぼれ、頬を伝い、まるで雨上がりの葉っぱのように顎の先から、涙のしずくが落ちそうになっていた。

 そして彼女は持っていた一冊の本を突き出し、こう言ったのだ。


「この世界に、残り続けるような物語を、書こう」


 そこで───目の前の景色はなにも書いていないまっさらな本のように白くなっていった。



 どうも、はじめまして。作者の繊月せんげつハクサイです。


 この度は僕の初作品「君と作る、物語(仮)」の記念すべき第一話を読んでいただきありがとうございます。初めて書く長編作品が難しい設定になりましたがこれからも読んでいただけるみなさんの心に響くような作品を書き続けるので応援よろしくお願いします。


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