獣化の覚醒と試練の終幕
シルフから《獣化》スキルを受け取ったスバルは、自身のステータスに驚く。
(おっ、素早さがめちゃくちゃ上がってる……げっ!? 防御が大幅に落ちてる!?)
過去の戦闘で、シルフの戦闘体がワンパンで崩れた理由も納得がいった。
「お前、よくこの防御力で生き残れるな」
『我ら風の種は、攻撃を避けることで生きてきたのだ。
受けることは選ばぬ』
「でも、攻撃を受けると俺のカウンターが入るからな。
接触することにメリットもある」
『ふむ、それなら擬態対象を変えればよい。別の魔物を登録するといい』
「わかってる、そうするつもりだ」
スバルがスキルリストを開くと――
脳筋帝国でテイム済みの魔物たち、《ハルコン》を
はじめとしたいままで接触した魔獣名が並んでいた。
(この中なら、憤怒の魔人が一番馴染みある、
立ち回りも分かってる。よし、こいつだ)
獣化を憤怒の魔人に設定。
この瞬間――召喚したハルコンと
獣化したスバルの二体のゴーレムが並び立つことになる。
「準備完了だ。動けるぞ」
『うむ、なら進もう。我が盟友よ』
試練領域の先は一本道。出現する魔物は雑魚級で、スバルの一撃で片付くレベル。
「この程度なら、俺の素手でも余裕だ」
『だがおぬし、姿が変わっても動きにあまり変化がないな』
「人型だし、素手型の動きそのままだからな。
狼姿よりもこっちの方が動きやすい」
『先ほどもなかなか俊敏だったがな。ふふ』
会話を交えながら進み、ついに試練の終点らしき神殿へ辿り着く。
『おそらく……ここが最終試練の場であろう』
「なら遠慮はなしだ。スキルも全開でいくぜ」
スバルとシルフが神殿の奥へ踏み入ると、
地面が震え、砂の渦が形を取り始める
現れたのは――人の顔を象った巨大な砂の構造体。
その瞳は動かずとも、静かにこちらを見据えていた。
脳筋が見事に消えましたね
魔物の姿になりました
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最新 2025/07/21




