脳筋帝国試練編 Ver.1
クラスメイトの住居を整えるべく、スバルはNPCギルドへ建築許可の印をもらいに訪れる。
扉を開けると同時に、無機質な定型文が飛び出す。
『いらっしゃいませ、ここには何のご用事ですか』
(おっ、反応早……って定型挨拶か)
「建築許可の印、発行してもらいに来たんだが、いけるか?」
『それにはクエスト達成が必要です。内容は“守護獣との接触”と“盟約の腕輪の提出”』
守護獣──環境を守る神秘の存在。その説明にスバルは既視感を覚える。
(これ、前に出会った《シルフ》が該当してないか?
しかもあの時、腕輪も出たし)
試しに盟約の腕輪を見せるが――NPCは無言。
(止まった…これはフラグ管理系か?)
「まぁいい。もう一度、正規手順で会いに行こう」
NPCの「幸運を祈ります」を背に、スバルはポータルワープを設定。
「ポータル フレンド シルフ」
スバルの視界が大きく切り替わる
「久しぶりだな、シルフ」
『うむ、久しいな』
「突然ですまん、守護獣の力がいる」
『理解している。我が力を貸すとしよう』
シルフが肩に乗るサイズに小さくなり、共にギルドへ帰還する。
「ポータル・NPCギルド」
『いらっしゃいませ、こちらのご用件は?』
(変わらんな、まあ…)
「守護獣と盟約の腕輪、持ってきた。完了だよな?」
NPCが少し睨みながら返答。
『少々お待ちください』
(……俺、また何かやらかしたか?)
そして、告げられたのはクエスト完了ではなく――
『お待たせしました。これより第二の試練に移ります』
その瞬間、スバルの足元が消える。
「なっ!? ポータル・脳筋帝国!」
《スキル現在使用不可》
(制限スキル発動か……ッ、こんな仕組みまであるのか)
視界は暗転。身体は重く、意識はフェードアウトへ。
彼が運んだ盟約と守護の力は、本当に“建築許可”のためだけなのか。
その奥には、何かを選ぶ者にだけ与えられる――
“真の支配権”があるのかもしれない
シルフ爆誕‼
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最新 2025/07/21




