力の差
久々にクラスメイトのもとを訪れたスバルは、
空気の違和感を察知する。
案内してくれたケイ(理沙)によれば、
ここは転移直後の“クラス集会所”のような空間。
だが、入り口に立つスバルを出迎えたのは――
かつての不良木田
今は残存するクラスメイトを従わせる暴君になっていた。
「お前、何の職業選んだ?」
『死ぬ奴に教える必要はねぇ!』
「残念だな。情報共有もできない奴とは、勝負にならんぞ」
木田が取り出したのは、禍々しい太刀。
『剛力の太刀、粉砕!』
「大振りすぎて、避けるまでもねぇな」
『俊足の太刀、瞬刀!』
剣が空を裂くが、スバルには届かない。
「速さだけじゃ意味ねぇ。防御力4桁、バーサーク未使用だぞ?」
『くそっ!弱化の太刀、粉守!』
「……その攻撃は、俺に聞くかもしてない。が、当たればの話だ」
『なんで当たらねぇんだよ!』
「動きが単調なんだよ、わかれ。馬鹿」
木田は明らかにキレていた。
「お前、この世界で誰か“本当に”死んだのか?」
『ゲームだって理沙が言ってただろ!』
「じゃあ安心だ。削り切っても、システムがどうにかするだろ」
『よし、今度は俺が受けてやる!』
「じゃあ、見せてやるよ。これが“帝国式”の殲滅コンボだ」
魔王の大剣を抜き――立て続けにスキルを発動した
《狂戦士》《全身全霊切り》《スラッシュ》
『ぐっ……』
「なんだ、しぶといな。なら、追加戦力。《召喚・ハルコン》」
剣をしまい、《ステゴロ》+《ジュエルハンド》の素手構成に切り替える。
木田は笑った。
『攻撃通らないからってあきらめたか?
死ぬか従うか、選べよ!』
「なら三つ目。お前を倒す、だ」
『ふざけんな!武器ねぇじゃねぇか!』
「……いつから俺が無防備だと錯覚してた?」
『勘違いじゃねぇ、さっきまで剣だったろ!』
「それはただの“サブ武器”だったんだよ」
『じゃあ来いよ!』
「言ったな。《気功砲》+《メテオストライク》」
最高峰のスキルが組み合わされ、一撃の隙を誘う。
『こっちを破壊すりゃ……勝ち……ぐはっ!!』
「ククッ……気を取られたな。見てなかったのは“本命”の方」
爆発とともに、木田のHPが0へ。
スバルが最後につぶやいたのは、圧倒的な決着を皮肉る一言。
「汚ねェ肉団子だ」
空間が揺れ、視界が元の場所へと戻っていく―
だが、勝敗以上に、“空気の支配者”は交代されたようだった。
司がどんどん魔王化していくなぁ~
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最新 2025/07/21




