僕らの小規模戦闘(終)【魔王の裁く罪】
11人のチーター系プレイヤーとの乱戦、
いや、もはや“無法地帯”と化したタイマン戦。
スバルは魔王の大剣を「魔王の大盾」に変化させ、
攻撃の嵐を受け止め続けていた。
「俺はいつまで耐えればいいんだ? 暇じゃないんだがな」
『あ゛!? 何言ってんだ、攻撃できねぇの間違いだろ!?』
「やれやれ。現状把握もできないほど
頭が回らなくなったか…ま、反撃させてもらうぞ――《全身全霊切り‼》」
無数の武器と召喚モンスターによる暴力的な攻撃。
しかしスバルはただの拳すら通じない状況を読みきり、魔王の剣を振り抜いた。
『なんでやられるんだよ! HP無限のはずだろ!?』
『知らねぇ!こいつがおかしいんだろ!』
子供たちは崩れ、内輪揉めを始める。
口調は乱れ、言葉の応酬すら崩壊しかけたそのとき――
「黙れガキどもが。全員まとめて光にしてやる。動くなよ」
剣が唸り、残りの10人は瞬時に光となって消えた。
あれほどイキっていた者たちは、剣一本に裁かれた。
「神々《チーター》が頑張っても、駒が無能なら意味はないな」
周囲の観戦者たちから歓声と驚きが巻き起こる。
『あんた、どうやったんだ!?』
「どうもなにも、魔王の大剣でぶった斬っただけだ」
『それ、譲ってくれないか? 言い値で買う!』
「残念だが――こいつの入手時、瀕死だったからな。それはできねぇ」
『じゃあ、手に入れた場所だけでも……!』
「……狂戦士」
『ひっ!』
「付きまとうなよ。剣の錆になりたくないならな」
(もしこのスキルがなかったら、
俺も別の道を選んでいただろう……それほど、《バーサーク》の火力は絶対だった)
子供たちが光に消えたあと――あたりは静寂に包まれた。
そして、スバルの背に声が届く。
『……久しぶりだね、スバル』
「ん?おぉ、理沙か。久しぶりだな」
戦いの気配が一変した瞬間。
理沙の声には、いつもと少し違う“揺らぎ”があった。
理沙と再会した司、この先どうなっていくのか…
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最新 2025/07/19




