狂戦士 vs 獣王
守春とシルフが戦闘準備を終えると、シルバーウルフの一匹が声を上げた
『では… 始め』
戦闘開始。
守春は初手から 狂戦士 を発動。
その瞬間――
守春の身体を 血のように赤いオーラ が覆い始める。
戦気が荒々しく渦巻き、大気が震える。
ゴォォォォ……
空間が歪み、足元から 地鳴り のような振動が広がる。
――それは、まるで戦場そのものが 守春を中心に変異 していくかのようだった。
燃え上がる戦気、獣の咆哮のような鼓動。
守春の瞳が 淡く光り始める。
純粋な戦闘への 昂揚 が、肉体を駆け巡っていた。
近づく者の意識を鈍らせ、反応を一瞬遅らせる――ひるませる効果を秘めた戦闘オーラ。
シルフは守春の周囲の 不安定な戦気 を感じ取り、内心で唸る。
(この戦気……低級の魔物なら、これだけで戦意を削がれるな)
しかし――
シルフは違った。
『面白い……それが狂戦士の力か』
シルフの体から 蒼白い戦気 が溢れ出し、守春のオーラに対抗するかのように舞い上がる。
――両者の戦気がぶつかり合う。
森の静寂が完全に消え去った。
ここは 戦場 となった。
ーーーーーーーーーーーーー
守春は拳を構え、突撃――
しかし、そこに シルフの姿はなかった。
背後から 鈍い痛みが走る。
『どこを見ている』
「速ぇっ!」
反射的に裏拳を放つが、そこには 誰もいない。
(ヤバい… 見えない)
守春は素早く状況を整理する。
(HPは… まだ余裕あるな)
幸運にも、守春は 気力回復 の恩恵で、シルフの攻撃ダメージを ほぼ無効化 できていた。
しかし、攻撃を当てることはできず、戦いは長時間に及ぶ――
それを見かねたシルフが提案する。
『…なぁ、スバルよ。そろそろこの勝負、終わりにしないか?』
守春は 息を切らしながら 言った。
「…は? どうやって?」
『簡単なことだ。
お互い攻撃を必ず受けること。
どちらも連続攻撃をしないこと。
先に倒れたほうが負けだ。 これでどうだ?』
守春はしばし考えた後、ポケットから あるものを取り出す。
「じゃあ、先攻後攻は、この 木の枝 で決めるか」
それは、かつて カエルを倒すために拾った木の枝 だった。
守春が枝を投げた瞬間――
白い影が サッと枝を奪い去る。
それは、 試合開始を宣言したシルバーウルフ だった。
――この後、ひと悶着あった のは言うまでもない。
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