ヒール(悪役)インタビュー
クロノスとの約20分に及ぶ激戦を終えたスバルは、
新たなギルドメンバーとして魔法剣士・クロノスを迎え入れた。
だが決闘の余韻も冷めやらぬうちに、
敗北したプレイヤーたちに囲まれ、“質問責め”という第二の戦場が始まっていた。
「うるせぇ!質問するなら、分かれて言え!」
『じゃあ俺から! さっきの……なんとかブラスターはお前のスキルか!?』
「俺のって言えば俺のだし、違うって言えば違う」
『……どういうこと?』
「あれは俺の“相棒”のスキルだ」
『あのゴーレムか!?』
「そう、ハルコンの技だ。なかなか頼れる奴でな」
(……なんか周りの視線が痛いな)
「他に質問あんのか?早く済ませろよ」
『はいっ!カウンターってどう防いだんですか?』
「簡単だ。カウンターは一つ前の攻撃の威力を倍返しする。
だからその前に、弱めの攻撃を挟めばいい」
『でも、攻撃なんてしてました?』
「《ヘイトアップ》だよ。喋ってる間に5秒経ったみたいで、
それが攻撃判定に乗ったんだろ」
『でも挑発スキルってプレイヤーに
効果薄いんじゃなかったっけ……』
『いや、挑発の方が一般的だしな。
あまり使われないスキルだし、相手の仕様次第か』
『なるほどね……』
「ちょっと待て。勝手に分析すんなよ。寂しいだろ」
『寂しいって……見た目と違って繊細なんだな』
「まったく、失礼な奴らだな。俺はもう行くぞ」
『そういえば! 名前は?』
スバルは振り返り、少しだけ肩をすくめて言った。
「ただの、しがない脳筋です」
『『『『しがない脳筋って……いや、違うでしょう!』』』』
こうして、騒がしくも賑やかな
“決闘後問答&スカウト劇”は終幕を迎えた。
だがスバルの足はすでに次なる仲間、
あるいは次なる強敵へ向けて歩み始めていた。
魔王の大剣は、静かに――笑っているようだった。
破撃王はかつてのワシの中二センスじゃ
妙に匂う名前じゃが、許してほしいのじゃ
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最新 2025/07/19




