スカウト④ クロノス Ver.3
攻撃スキルを全開にしてぶつけたスバルだったが、
クロノスはそれらを見事に別スキルで相殺。
連勝記録を持つ男の冷静さと対応力は、さすがだった。
『そういえば、その大盾は先に出現したゴーレムですか?』
「あぁ。こいつは俺の相棒だ。今のところはな」
『ですが……あなた、まだ何かを隠している気がします』
「おっと。そこまで見抜いたか。
であれば、本来の戦い方で決めるとしよう」
インベントリから、スバルは改めて“魔王の大剣”を装備する。
その禍々しさと存在感に、周囲の空気が一瞬重く沈んだ。
『その大剣が奥の手、ですか。
先ほどまでと装備が異なるようですね』
「お褒めにあずかり光栄だ」
二人のスキル応酬が加速する。
『豪焔の剛剣!二刀流!ラピッドブレイド‼』
「全身全霊切り!体積倍増!ヘイトアップ!」
クロノスが詠唱を始めかけた瞬間、
スバルの《メテオストライク》《スラッシュ》が割り込む。
さらに――
「ここだ!重量化!全身全霊切り‼ ……なっ!?」
『少し危なかったですね。しかし、私には届きません』
スバルは顔をしかめながら、一歩後退。
だがその直後、【ハルコン】召喚の効果解除と共に、すべての溜め技を解放する。
「ハルコン、大盾化解除──
ラースフレイム!ラースサンダー!麻痺吐息!ラースブラスター!」
魔王の大剣を振りかざし、あらゆるエフェクトが交差。
最後の《ラースブラスター》は、漆黒の光線としてクロノスへと奔流する。
『ぐぁぁぁぁぁッ──!』
「よし……決まった」
クロノスのHPがゼロに落ち、決闘の場は静寂に包まれた。
魔王の大剣は冷たく黒い輝きを放ったまま、スバルの背で揺らめいている。
やべぇ、結構長期戦になってるな
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最新 2025/07/19




