理沙視点⑦
「運営の悪戯」ダンジョンを突破した理沙は、
ひと息つきながら新たに届いた運営のメッセージに目を通していた。
(もう次のアプデか……ギルドシステム、
メダル交換追加、スキル取得調整……それと、種族設定?)
その“種族設定”という文言には、思わずページをスクロールする指が止まった。
選択肢:
- 長命族
- 小人族
- 竜人族
- 悪魔族、妖魔族、骸骨兵
(えぇ……魔物側も使えるの?)
説明を読み進めているうちに、
彼女のインベントリに「プレゼントボックス」が出現。
そこから、種族変更用の専用アイテムが生成された。
(あー、キャラメイクのタイミングで選べるんだ、
それで既存プレイヤー用に配布されたんだ)
一度選んでも変更できるという情報はなかったため、
慎重派の理沙は「そのうちに」と判断しつつも、気になって二層の町へ足を運ぶ。
そこには、見慣れたプレイヤーとは違った“変種”たちの姿が並び、街を賑わせていた。
(結構みんな変えてるんだなぁ……長命族、多め?)
どこか幻想的な雰囲気を漂わせる街並み。外見が変わるだけで、風景の印象までも変化していた。
『あっ理沙ー!』
「ん?美咲!久しぶり!」
声をかけてきたのは、理沙の友人・植田 美咲。
以前よりも耳が尖り、髪色に透明感が増していた。
「あれ、香織……イメージ変わった?」
『えへへ、さっきキャラメイクしたんだー。長命族にしたのよ』
「へー、こんな感じなんだ……外見もずいぶん変わるんだね」
『うん。でもステータスは据え置きみたい。
ただし、種族ごとに特殊能力だけはあるって話』
「なるほど……ありがと」
『また今度ねー!』
「ばいばーい!」
香織と別れた後も、理沙は街を見渡しながら静かに考えていた。
(どの種族にしようかな……けど、決めたらずっとそのままになるかもしれないし)
迷いつつも、探索の手は止めなかった。
新たなスキルやダンジョン、そして自分に合った種族候補を
見極めるために、理沙は再びフィールドへと歩みを進める。
そのうち司と合わせたいなー
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最新 2025/07/19




