新しい力と、帝国完成
「気をつけろよ」という成神の忠告は、
スバルの頭に引っかかっていた。
だが今はそれよりも――魔王の大剣を試すべき時だった。
場所はゲーム内の2階層ダンジョン。
スバルは四層・五層に属する
雑魚モンスターたちの“事前スカウト”を進めていた。
ターゲットは、配合進化に使えそうな素材枠のモンスター。
しかも大剣の性能確認もかねて、戦闘は全力で行っていた。
魔王の大剣に備わったスキルを順に確認する。
- 体積倍増:刃が巨大化し、リーチ延長&ダメージ2倍
- 重量化:振るたびに威力が増し、耐久を削るタイプではない
- 武器変化:まさかの盾化。攻防バランスの切り替え可能
- 二刀流:大剣が分裂し、両手持ちに。超重量コンボが可能
- アクセサリー化:小型化して装飾品に変化。武器枠を空けられる
- 神殺し:効果不明
- 全身全霊切り:超倍率斬撃。
(……神殺しってどう作用するんだ?でも、それ以外のスキルは文句なし)
実際、《ジュエルハンド》と《素手喧嘩》が外れるため、
攻撃力は210も下がるのだが――それでも全身全霊切りの一撃で、
同等かそれ以上の火力が出せていた。
(常識がねぇなこの剣……ほんとにやばい時だけ使うか)
そして、スバルはテイム体制に切り替えた。
魔王の大剣をアクセサリー化し、
武器スロットを空けて《ジュエルハンド》+《ステゴロ》を再装備。
テイムの打撃調整用に、《パワーサクリファイス》も加えた。
(この編成ならいける。スキル倍率で削って、スカウト範囲に落とす)
モンスターたちは驚くほどスムーズに捕獲されていき、
予定通りの素材枠がどんどん埋まっていった。
ふと――思い出す。
(あいつら、どうしてるかな)
“あいつら”とは、クラスメイトたち。
異世界での遭遇は今だゼロ。
街でのイベントも、神話級の戦闘も、ムジナとの接触すら、彼らとは無関係だった。
(巻き込まれてないといいんだが……)
脳筋帝国の準備は、着々と進んでいた。
モンスター配合のタイミングは、まもなく訪れる。
スバルは地上を見上げ、拳を握った。
(ここまできた。次は、帝国を“完成”させる)
長かったぁ~ひとまず区切りがついたので
次回以降の数話を理沙視点にシフトします
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最新 2025/07/19




