カエルと神と魔王様
巨大な扉が軋みながら開いた瞬間、
スバルたちを出迎えたのは、頭部が
触手に覆われた奇怪なカエル型モンスターだった。
この生物に、言語など通じるわけがなかった。
「今回は一筋縄ではいかなそうですね」
『でしたら、そろそろ私たちも戦闘に参加しますよ』
『ええ、私も構いませんわ』
『よければ、私も参戦を』
「……初めての全員戦闘ですね」
ターンが回る。最初に動いたのは触手カエル。
だがその鋭い跳躍は守を狙い、空を切った。
緑のパラソルスマッシュも空振り。
そして――
『ローズトルネード!』
薔薇の赤い旋風が巻き上がり、カエルの軟質皮膚を切り裂く。
「全身全霊切り!」
スバルの剣は一閃し、カエルの足を豪快に切り落とした。
最後に守が体当たりの《シールドバッシュ》を炸裂。
カエルは呻き、崩れ落ちた。
すると光が舞い、空間が反転するようにスバルたちの身体を包んでいく。
次の瞬間、彼らは白い部屋の中心に立っていた。
『やあ、君たち元気かな?』
目の前に現れたのは穏やかな青年風の神。名を――成神という。
『あの老人たちは元の世界に戻しておいたよ。記憶も全部消してね』
『では、なぜ私たちは……?』
『君たちは、僕が気に入ったから。
強いし、面白いし――話してみたかっただけ』
全員が沈黙し、警戒する。だがその神は軽く笑って、
『ねぇ、帰りたい?』
全員が頷くと、守・緑・優里奈は光に包まれて消えていった。
「……あれ?俺は?」
『君は死神くんと、ちょっとした縁があったよね?
だからさ――君はとは少しお話したかったからね』
スバルは言葉を飲み込んだ。
『僕は“邪神”って呼ばれる神様なんだよ』
神々の領域。その存在は“ルール”さえ超越する。
『君の力が、次なる神々を呼び込むかもしれない。覚悟しておいて』
「……しがない脳筋なんだがな」
『そういうの、大好き。あと、君の神器――魔王の大剣ね。
あれは“あっちの世界”でも職業関係なく、
君だけに使えるように調整しておいたよ
スキルもちゃんと継承されるはずだ』
神は手を振りながら、再び光に包まれていった。
『じゃあね。また会えるといいね』
(……それがないことを願うが)
気が付くと、スバルは脳筋帝国の玉座前に立っていた。
手には、触手カエル戦で使用した大剣――だが、その姿もステータスも一新されていた。
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魔王の大剣
攻撃力:+100
装備スキル
・体積倍増
・重量化
・二刀流
・武器変化
・全身全霊切り
特殊効果
・耐久値:無限
・神殺し
・アクセサリー化
・魂のつながり
・味方からの回復効果:無効
異界の神が残した“片鱗”は、確かにスバルのインベントリに宿っていたのだ
脳筋帝国は進化していた。
そして、神々の領域もまた――スバルという名の“例外”を見つけてしまったのだ。
魔王の大剣の名の通り
禍々しいんだよー的な感じです。ハイ
最新 2025/07/19




