馬人間と、デカガエル
セキュリティルームを開いた瞬間、空気が変わった。
そこにいたのは、異形とは言い切れない
――だが、確実に“人ではない”存在だった。
背に小さな尾、角は骨のように歪み、
分厚い唇と大口。柔毛に覆われたその体は、かすかに動いていた。
『なぜここにいる』
スバルたちは口を閉ざす。空気が張り詰め、
次の言葉が刃のように響いた。
『もう一度眠ってもらう』
『……結局、こうなるんですね』
「俺が行きます。数は問題じゃない」
守が心配そうに前へ出ようとしたが、スバルは一歩踏み出す。
『本当に大丈夫ですか? ダメージが残ってるのでは』
「この程度、脳筋には問題なしだ」
スバルの右手に光る大剣が唸る
「全身全霊斬りッ!」
ダイスが揺れる。行動判定は成功。
大剣が軌道を描き、異形の胸部を斬り裂く。
ぴたりと生物の動きが止まり、血の代わりに蒸気のようなものが吹き出た。
『……我らが神に、栄光あれ……』
そのまま、倒れ伏す。生き物の息が止まり、命の痕跡が消えた。
「……わざわざ自害しなくてもいいのに」
守がうなずいた。
『ともかく、これで部屋の探索はできそうです』
部屋の奥には、2つのアイテムがあった。
- 錆びた大きな鍵
- 紙切れには「3294」と記されていた
『何かの暗証番号でしょうか?』
「さっき見かけたシャッターに使えそうです」
一行は一度戻り、緑と天音に報告。
紙の番号がシャッターの解除コード、鍵は用途不明――という結論になった。
シャッター前。番号を入力すると、金属音とともに開く階段が姿を現す。
上った先には、大型の扉。鍵穴は、大きな鍵とぴったりだった。
『ここで使えるみたいですね』
鍵を差し込み、扉がゆっくり開いた。
その奥には――約3メートル。
全身ぬめりを帯びた緑黒の巨大カエル型の怪物が静かに立っていた。
カエルって懐かしいですね(第一章参照)
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最新 2025/07/19




