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異世界転移?ふざけるな!  作者: 力なき脳筋
異世界転移?ふざけるな!
63/222

亡骸の遺言

月の化け物――その名が刻まれた本は、開いた瞬間から空気を変えた。

ページの一部は黒く、湿った染みに侵され、文章はほとんど破れて読めない。


灰色がかった◯◯ぎった肌は、

まるで◯◯キガエ◯◯ようで、

その皮◯◯◯在に形を変える。

鼻にあたるであろう部分には、

ピン◯◯◯◯手が生えている。

性格は残虐な快楽◯◯◯◯。

牲者を惨殺するという。


『……読めませんね』


『作られて随分時間が経っているようですね』


『こういう風化した資料、私の書斎にもありますわ』


(誰もこの本から“異様さ”を感じないのか……?)


スバルだけが、ほんのりと寒気を感じていた。

あまりに不気味な気配に、一行は本を閉じ、元の棚へ戻した。


『私は鍵を見つけました』


天音が取り出したのは、隣室の扉の鍵。

ムジナがいた部屋の向かいにある扉を開けると――腐臭が鼻腔を突き刺した。


明かりを灯すと、室内は荒れ果てていた。

机や椅子は粉砕され、壁や天井に血のような赤い液体。

暴れたというより“暴力に飲み込まれた部屋”。

スバルと天音は思わず吐き気に襲われる。


『お二人はここで待っていてください』


「…いえ、行きます」


『では、私が天音さんを見ていましょう』


スバルと守が部屋を調査。

唯一、形を残した亡骸が横たわっていた。

その手には錆びたバールと、血に濡れた紙切れ。


『……これは、“馬人”…“カエル”…“犠牲”…? 日記のような……』


「この部屋で、何かが起きた。“月”と関係あるなら、俺たちも……辿る可能性がある」


『無理をしない方が――』


「慣れてます。それに――このバール、

ただの道具じゃない。“エクスカリバール”と書かれてました」


物理特化型のスバルには、むしろ安心感を与える響きだった。

さらに、セキュリティルームと記された鍵を発見。


スバル一行は次なる部屋へ向かう。

鍵の先にあるのは、“管理”か“封印”か。

彼らが知る世界の理は、もう通用しないかもしれない。


そろそろ、新世界編を終わらせたい

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最新 2025/07/19

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