向かいの部屋で読書タイム①
ムジナと合流したスバル一行は、
最初に目覚めた部屋の向かいにある
鍵のかかっていない扉の前に立っていた。
守がそっとドアを開くと、部屋の中には机と本棚、
そして一目で“嫌な予感”のする箱が鎮座していた。
『私は本棚を見てきます』
『じゃあ、私は机を』
『スバルさん、あの箱……どう思いますか?』
(連携とれてんな……でもあの箱、見ただけで嫌な感じがする)
箱には〈絶対開けるな〉と手書きの紙が置かれていた。
妙に古びた書体。何かに使い込まれたようなクセのある文字。
「開けるな……逆に開けると有利になるのか、それともガチで危険物なのか」
『開け……たい、のですか?』
スバルは無言で頷き、慎重に箱の蓋を持ち上げる。
内部には、刺激臭を放つ透明な液体が詰まった小瓶が並んでいた。
薬品とも毒とも言い切れない液体。光が瓶の表面に反射し、不気味な輝きを放つ
『触ったら皮膚が……溶けそうですね』
「使い道は不明だが、保険として。3本持っておきます」
守も同じく数本を回収し、2人は入り口へ戻る。
本棚を調査していた優里奈と天音は、すでに戻っていた。
『どうでした?』
『私はジョブスキルに関する本と……もう一冊、“月の化け物”という不気味な本を』
『私は鍵と、使い込まれすぎて読めない本を見つけました』
ジョブスキルの本は、神器が“技を宿す媒体”として機能する
という記述があり、そこにはこうあった
「神器に力の源を込めよ。汝の力が、神器に宿るであろう」
(……力の源って、意志のことか?MP?感情?)
疑問とともに周囲を見ると、仲間たちの武器が順に光り始めた。
『私は盾技“シールドバッシュ”ってのが使えるようになったみたいです』
『私は“ローズトルネード”。よくわからないけど技名はそれらしいです』
『パラソルスマッシュ……遠距離攻撃かしら』
スバルだけは、大剣に何の変化もない。
「どうすれば……俺にも技、あるはずなんですが」
『集中したら、武器が反応しました』
「集中……か」
スバルは座禅を組み、意識をひとつに絞る。
すると、大剣が熱を帯びるように脈動し始めた。
──光の輪郭が剣を走り抜ける。
【全身全霊斬り】
「……来たな」
次に開かれた本、“月の化け物”。
どす黒い表紙、血のようなインクで書かれた文字列。
“ヤツは月に潜む。
空が巡るその夜、影と牙を連れて現れる”
読み進めるにつれ、室温が下がるような錯覚が起こった。
ページの先に広がっていたのは、常識で理解できない存在の記述。
スバルたちは、ただならぬ“気配”を感じていた。
本の中に、誰か――何かが待っていた。
(……ジョブスキルを授ける本の隣に、こんなの置いておくか?)
一行は無言のまま、次の行動を話し合う雰囲気もなく、“何かに試されている感覚”を共有していた。
そういえば早く理沙視点とか増やさないとな…
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最新 2025/07/19




