戦後処理
チンピラとの戦闘を終え、スバルが深呼吸を
ひとつ吐いた時――白い制服を
身にまとった一人の男が走り込んできた。
目は鋭く、胸元には猫を象った徽章。
『何の騒ぎだ?……こいつらは……君たちは?』
場を整理するように、男はチンピラたちに視線を送る。そしてひとこと。
『黒犬隊の連中か……助かった。奴らは我々の頭痛の種でね』
白猫隊。街の治安維持を担う自警団らしい。
男は『私が責任を持って引き取る』と言い残し、スバルに一枚のカードを渡した。
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白猫隊所属
ンテ=ムジナ=ヤサジュア
「みんなの心を合わせよう」
白犬隊本部:2136_24
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いつの間にか人々が集まり、拍手が鳴り響く。
異様に整った雰囲気と、どこか“演出っぽさ”のある空気。
スバルはそれに違和感を覚えながらも頷いた。
『皆さん、どうします?』と優里奈が声を上げる。
『ここへ行くべきですわ』と天音。
守も頷き、スバルは無言で同意した。
指定の場所へ向かうと、そこは住宅地。
時折高層の建物や飲食店も混じる、不思議な構成の街。
玄関をくぐると、待っていたのは――ムジナではなく、見知らぬ女性。
黒髪をまとめ、笑みを崩さず、豪華な食事を前にこう言った。
『さぁ!皆さん!どうぞお楽しみください』
「あの……ムジナさんは?」
『あぁ、別件で少し飛び出してしまって』
どこか的外れな返答。だがそれ以上の情報は出てこない。
(妙な感じだな……)
女性は“食べてください”を繰り返すだけ。
まるで、食べさせることだけが目的のNPCのようだった。
料理は見た目こそ豪華。日本、フランス、アジア各地の名物が揃っていた。
守は果物を、天音は和食を、優里奈は洋食を。
スバルはラーメンを選び、箸を持った。
(出てくる範囲が広すぎる……普通の厨房で対応できるか?)
食事は美味い。緑茶らしき飲み物は漢方風ながら、味に苦みはなかった。
だが、食べ進めるにつれ、徐々に意識が揺らぎ始める。
ダイスが浮かぶ。
100面ダイス――表示は「30」
(……何の判定だ?)
言語化されないまま、スバルの瞳がゆらめく。
視界の端、女性が黒いローブに変化していくのが見えた。
さらに、周囲にも複数のローブ姿が立ち並び、彼らの目がこちらを向いていた。
そして――意識が途絶える。
にやにやしてる黒ローブ
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最新 2025/07/18




