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異世界転移?ふざけるな!  作者: 力なき脳筋
異世界転移?ふざけるな!
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ギャーしゃべったぁぁぁぁぁ

異世界に舞い降りて 4~5日 が経過していた。

守春の食生活は相変わらず 毒キノコとカエルの毒 のみ。

まともな食事が恋しくなるのも当然だった。


「人ひとり見つからないとは、運がねぇなぁ…」


独り言を口にするが、もちろん誰も答えない。

――4日間、誰とも会話をしていない。

そのことに気づいた瞬間、言葉が勝手にあふれ出た。


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」


ついには 叫び出すほど にまで精神が削れていた。

それもそうだ。

4日4晩、毒物しか摂取していない。

見たものといえば、カエル、キノコ、木々だけ。

そんな孤独な叫びが、森の奥へと響き渡った。

すると――

カエル…ではなく、白い体毛に包まれた 大きな狼 が現れた。

守春は目を見開き、その姿をじっと見つめる。


「…なんだよ! 人じゃねぇのかよ!」


『人でなくて悪かったな』


守春は狼が喋ったことに 数秒間の沈黙 を置いた。


「ギャー!! しゃべったぁぁぁぁぁ!!!」


狼は 鼻で軽く笑うように 答える。


『わめくな、人間が』


守春は息を整え、狼をじっと見つめる。


「…すまない、白狼」


狼は少し考えた様子で返す。


『はくろう? それは我のことか?』


守春は気まずくなり、すかさず言い訳を並べる。


「いや…その…白くて、狼だから…つい」


狼は 軽く鼻を鳴らし つぶやいた。


『ふむ。人間よ、貴様は名を適当に付けるものなのか?』


守春は 言葉に詰まる。


「え、えーっと… まあ、そんな感じ?」


狼はじっと守春を見つめ、低く唸る。


『ならば、我も貴様を モヤシ と呼ぶが構わぬな?』


「は????? モヤシ!? なんでだよ!!!」


『貴様、痩せていて貧相な姿をしておる。まるで モヤシ だ。』


「おい! そりゃ確かに 毒とカエルしか食ってねぇ からガリガリになったけどよ!」


狼は満足そうに ニヤリ とする。


『ほう、ならば モヤシ で決まりだな。』


「待て待て待て、さすがにそれは…!」


こうして、守春は 知的な狼との初対面 で、まさかの モヤシ と命名された

・・・少し後のこと、互いに自己紹介と森の異変を語るのである


「へぇ、最近カエルが 絶滅 した…ん? 絶滅した!?」


『うむ、アシッドフロッグというが』


「…それ 俺が原因かも」


『お主が原因? それはなぜそう思う?』


「いや、あのカエルどもの 毒を飲んで なんとか生きてきてなぁ」


狼は目を細め、静かに言った。


『なに? あの毒を? よく生きられたな』


守春は 嫌な予感 を覚えた。


「え?」


『アシッドフロッグの毒は 皮膚に触れた瞬間に溶かされる ものだが』


「なんだって!?」


守春の背筋が凍る。

今まで 何度も素手で触っていた カエル――

しかし、気力回復の恩恵か 毒耐性 の影響か、守春は 生き残っていた。


『そんなことも知らずに狩りをしていたのか… 本当に よく生きてきた な』


守春は 急に冷や汗 をかく。


「……じゃあ、あのカエルどもは 今までどうしてた んだ?」


『あのカエルどもは 天敵がいなく 、どんどん増えて 120,000匹 ほどいたんだ。


我らも困っていたところだ』


「なら、絶滅させてよかった… ってことか?」


狼は しばらく考えるようなそぶり を見せた後、静かに答える。


『あぁ、そうなる。我らとしては まさに求めていた結果 だったからな。

だが、数日でよく絶滅させたものだ』


守春は 苦笑い しながら言う。


「生きていくには、必要だったんだよ」


狼は ゆっくりと頷き 、言葉を続ける。


『経緯はどうであれ、問題が消えたのは事実だ。礼と言っては何だが、何か我にできることはあるか?』


「なら、このあたりに 人間が住む町 や 国 はあるか?」


『ここから北に 王都ティンベル という場所がある。そこが一番近いな』


「時間はどのくらいかかる?」


『我の足 ならば 1日 で着く』


――この 1日 というのは シルフの足 の話であり、守春の足では 5~6日 かかる。

守春は少し考えた後、北を向きながら言う。


「そうか、なら 北へ――」


しかし、そこで 守春は気づく。


「……北ってどっちだ?」


狼は 一瞬沈黙した後 、静かに答えた。


『炎星が落ちていく方を見て 右へ 行くと北だ』


守春は 納得するように頷き 、ゆっくり歩き出す。


「……世話になったな」


守春が立ち去ろうとすると、狼が声をかけた。


『待て、ひとつ 我の願い を聞いてくれんか?』


守春は足を止め、狼を見つめる。


「俺にできることならやるが… 内容によるな」


守春は慎重に答える。

――そして、シルフの願いが語られた。

投稿頻度はバラバラで、作品に関することであればコメントにて

教えていいただけるとありがたいです。

この作品を応援してくださる方は、星5評価にしていただければ

やる気が出ます。今後ともこの作品をどうかよろしくお願いします。


最新 2025/05/23

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