石に込めた意思とチンピラ
『皆さん、手に持ってる石……何か意味が?』
優里奈が口を開き、天音も頷く。
どうやら“石に思いを込めれば形になる”という声を聞いたらしい。
スバルにはその声が聞こえなかったが、念のため石に集中。
──石は変化する。
- 守:巨大な盾
- 優里奈:鞭のような武器
- 天音:小型の傘
- スバル:大剣
『形が……変わったわね』
『想像したモノが具現化する仕組み?』
『この世界……不思議すぎます』
スバルは、手元に現れた大剣を眺める。
(とりあえず……剣の重みは本物だな。
初めて扱うが使えるんだろうか)
そのとき、3人組のチンピラ風の男たちが肩をぶつけてくる。
『うわー折れたわー(棒)』
『これは病院行きだわー(棒)』
『でも金ねーじゃん(棒)』
『どうしてくれようかー』
明らかに絡みに来た態度に、スバルは静かに一歩踏み出す。
「どうやら……面倒なお客さんだな」
守と天音、優里奈が警戒する中、スバルは大剣を構えた。
「俺がやる。責任は俺にある」
守は二人を守るように下がり、スバルが前に立つ。
『一人でやんのか~?』
『熱いねぇ~!』
スバルは一言だけ返す。
「お前ら如き、一人で十分だ」
右手をクイッと突き出し、挑発。
戦闘開始。チンピラの拳が飛ぶ前に、スバルは重みを乗せた大剣で迎え撃った。
足払い、肩当て、剣の柄での打撃――すべてが的確。
『うぐ……』
『な、何だこいつ……』
数十秒後、男たちは崩れた。
スバルは剣を肩に担ぎ、静かに言い放つ。
「これ以上絡むなら、教えてやる。
囲まれた方が効率がいい」
男たちは怯えながら逃げていった。
『スバルさん……ありがとうございました』
『本当に頼もしい方ですね』
『……怪我がなくて良かったです』
少し距離を感じていた3人との関係が、わずかに近づいたような気がした。
新しい世界。謎の街。未知のスキル体系。
スバルは、脳筋帝国の名を背負いながら、この世界での“最適解”を探す旅に踏み出した。
中二くさいのは今始まったことではない
一対三のタイマンとはこのことですな
いつものお願いします
最新 2025/07/17




