大ゴリラと初瀕死
ジャングルダンジョン――元気モリ森の
さらに奥に位置する、原始と氷が共存する暴風地帯。
スバルは当初の目標である“化け猫”こと【レオタルド】の
テイムに成功し、ダンジョン本格攻略へと乗り出した。
(この光景……ジャラシックパークかよ)
鬱蒼と茂る巨木、咆哮のような風、そして突如吹いた冷気
――まるで演出のような自然変化が、視界を白く染めた。
目を開けると、そこは一面雪のフィールド。
中央に鎮座していたのは、白い毛皮を纏った大ゴリラ。
その周囲には、小型のゴリラ型モンスターが束になって唸っている。
(ちっこいの多すぎるだろ……!)
いつものようにハルコンを呼び出そうとするが、現在は休暇中。
代わりにスバルは、狂戦士を起動し、自ら戦場へ躍り出る。
「メテオストライク!」
地面ごと吹き飛ぶ一撃で、小型ゴリラの6割を消し飛ばす。
そこからは怒涛のスキル展開――
「ヘイトアップ!範囲防御壁!チャカフレア、投擲!」
火球が唸り、ヘイトを集めた群れを一掃。白い雪景色に紅蓮の爪痕が刻まれていく。
だが、本命はまだ座っていた。
大ゴリラがゆっくりと立ち上がる。
顔は真っ赤、目は血走り、拳を握るその姿は、まさしく“原始の王”だった。
スバルは静かに拳を構える。
(来るな……こいつ、ガチで来るな)
そして――高速のグータッチ。
拳がぶつかると同時に、スバルのHPが560→71まで急降下。
「戦略的撤退ッ!」
距離を取る。だが、大ゴリラも負傷していた。左腕は吹き飛び、肩から血が噴き出している。
(リアルだったら即死だろこれ。……ゲームって、すげぇな)
スバルはポーションを流し込み、再び拳を握る。
「ゴリラ……悪いが、倒れてくれ」
「メテオストライク!」
雪原に爆音が鳴り響き、空気が震える。
やがて白い巨体が光に包まれて消え、ジャングルダンジョンは静かに沈黙した。
勝利の興奮とともに、スバルは拳を天へ掲げた――が、
「うおおおぉぉぉぉぉ!超危なかったぁぁぁ!」
実際には、めちゃくちゃビビっていた。
(ゲームだからこそ、生き残れたけど……
って俺は結局生きているんだろうか…
いや、意識があるから大丈夫か)
スバルは帰還ポータルを使い、脳筋帝国へ戻る……そのはずだった。
しかし――
次の瞬間、強烈なめまい。
視界が歪み、意識が薄れ、そして――町の中央にいた。
この作品にある行動は、設定上
ゲームであり、脳筋の行動です
絶対にマネしないように
いつものお願いします
最新 2025/07/17




