お試しダンジョン①
スバルは、自分自身の作り上げたダンジョンへと一歩踏み入れた。
始めたばかりとは思えない猛攻に、思わず眉をひそめる。
(……このダンジョン、結構めんどくせぇな)
最初に彼を迎えたのは、属性持ちのスライムたちだった。
拳という物理型で挑むには厄介な相手だ。
魔法耐性は低くとも、距離を取った攻撃が豊富なこの群れは、
ソロでの攻略を難しくしていた。
スライムAに気を取られれば、背後からスライムBが魔法を放つ。
さらにスライムC、スライムDと複数が入り乱れてくると、
それぞれが違う属性魔法を繰り出すので対処に追われる。
(俺でこれだ。ソロは結構きついんじゃねぇか?)
パーティならば分担できるが、油断すれば一瞬で崩される難易度だ。
第一階層からこの調子――やはりスバルという脳筋設計者は容赦がなかった。
「お、宝箱発見」
苦戦の合間に見つけた宝箱を開けると、
中には《アイアンソード》が収められていた。
(ふむ。宝箱機能、ちゃんと作動してるな)
複数の宝箱を確認するが、10個中2つはミミック。
戦闘を経て勝利すれば、ちゃんと武器がドロップするように設定されていた。
自分が作ったシステムで、自分が苦しみ、それでもきっちり成果が返ってくる。
それは何とも言えない達成感が彼の心に生まれていた
やがて、第一階層の奥へ到達する。
(ここか……ボスエリア)
だが、これまでのダンジョンのような重厚な扉はない。
代わりに、木々が道をつくるように自然と左右に分かれ、静かに誘導してくる。
まるで、森そのものが案内人のようだった。
(……わかりづらいな。看板でも立てとくか)
スバルはそっと小さな札を立てる。
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《コノ先ニボスアリ》
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プレイヤーの心理を読む設計者として、こうした配慮も忘れない。
こうして彼は、自らの手で生み出したダンジョンにて、
第一階層のボスに挑むことになる――。
それは設計者がプレイヤーに戻る、ひとつの儀式のようだった。
やっぱりごみダンジョンじゃないか
内容もっと考えればよかったな
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最新 2025/07/14




