モンスタースカウト①
スキル【テイム】を得て、ダンジョンを所有する側となったスバルだったが、
意外にも最初の難関は“敵を倒さずに残す”ことだった。
(手加減の仕方……知らねぇんだよな)
攻撃力が高すぎるあまり、モンスターたちがテイムどころか、
溶けるように消えていく。テイムはHPをある程度削ったあとで
発動可能になる仕組みだが、それ以前に敵の存在が消えるのでは話にならなかった。
(……一旦、ボス級に狙い切り替えるか)
耐久力が高い相手なら、溶け落ちる心配も少ないはずだ。
そのためにまず考えるのは、
ダンジョンの階層とその環境――バイオームに合ったボスの選定だった。
スバルが設定したバイオームは以下の通り:
- 第一階層:平地
- 第二階層:荒地
- 第三階層:ジャングル
- 第四階層:洞窟
- 第五階層:悪魔城
第一階層から順に、
スライム、キメラ、サラマンダー、ゴーレムなどの
中型モンスターを配置予定。最終階層のボスはまだ決めておらず、
直感で選ぶつもりだった。
(うっしゃあ、まずはスライムからだ)
掲示板で調べると、かつて共闘した“青薔薇”との攻略地
――スライムの巣窟に、スカウト可能なスライム種が出現するらしい。
(今回は単独で乗り込むけど、スラッシュもあるし苦戦はなさそう)
それならばと、スライム系統の派生種や変異種も合わせて狙っていくつもりだった。
(……ま、粘ればスカウトできるでしょ)
そう思いながら考え事をしていた彼は、気づけばスライムダンジョンの入口へとたどり着いていた。
扉の向こうに広がるのは、かつて協力の記憶が眠るフィールド。
今回はすべて一人で挑む。
でも、スバルにとってそれは、いつものスタートでしかなかった。
どこにダンジョン置くか…
この作品を応援してくださる方は
高評価、コメント、シェアなど、よろしくお願いします
最新 2025/07/14




