表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移?ふざけるな!  作者: 力なき脳筋
異世界転移?ふざけるな!
28/222

理沙視点②新装備

 理沙は、屋敷の奥に設置された魔法陣を踏み、転移先に降り立った。

次の瞬間、視界いっぱいに広がる鳥居と鈴のある神社のような空間。

風の音すら静まり返っている。そんな場に、

彼を待っていたのは――巨大な狐だった。


(……九尾かな?かわいい)


多くの人が“かっこいい”と形容するであろう鋭い顔立ちも、

理沙にはどこか愛らしく見えてしまう。その感覚がちょっとズレていることは、本人も理解していた。

そして、戦いが始まった。


「加速!」


理沙の体が一瞬で軽くなり、風のような動きで九尾へと接近する。


「パワーアタック! テレポート!」


力を乗せた一撃とともに、すぐさまテレポートで後方へ。

近接一撃離脱――これが今の理沙のスタイルだった。

九尾は尻尾を一振りすると、複数の火の玉を生み出して飛ばしてくる。


「スラッシュ!」


剣に力を込め、火の玉を叩き落とすように一閃。

炎と理沙の刃が空中で衝突し、相殺された。


「トリプルスラッシュ! 乱れ切り!」


続けざまに放たれた怒涛の連撃に、トリプルスラッシュの効果が乗り、

ダメージは瞬く間に跳ね上がる。九尾のHPバーがごっそり削れた。

その瞬間、辺りに赤や青の人魂が現れ始める。


(……行動パターン、変わった?でも攻撃、通る?)


理沙は試しに斬りつけるが、手応えがない。ダメージエフェクトも、HPバーも表示されない。

そして気づく――


(あれ……逆に、九尾のHP、少しずつ回復してる……?)


次の瞬間、理解が追いつく。


(この人魂、ドレイン効果があるんだ。攻撃するたびに、九尾に回復が入ってる!)


理沙が再度本体に斬り込もうとした瞬間、九尾は距離を取るように大きく跳躍し、身をひいた。


(攻撃してこない……ってことは、あの火、無視してよさそう)


「テレポート!」


一瞬で距離を詰めて、再び剣を構える。


「パワーアタック!」


真芯を捉えた一閃。光の余韻だけを残し、九尾は霧のようにその場から消えていった。


「やったー!」


理沙は両手を挙げ、素直な歓喜をあげた。

そして目の前に現れたのは、一つの宝箱。

中には、濃紺の装束と、煌びやかな指輪が入っていた。


(“深海の服”に、“狐の嫁入り”?……名前センスはアレだけど、性能めっちゃいいじゃん!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【深海の服】

防御力 +50/素早さ +70

〈装備スキル〉海神わだつみ/液状化

〈エンチャントスキル〉破壊不可

【狐の嫁入り】

テイムモンスターとの共闘が可能になる装備

・召喚:モンスター呼び出し

・休息:モンスターを退却させる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(これ……テイムなんてあったんだ、めちゃくちゃ良い……!おみやげ確保ー♪)


宝箱を手にした理沙は、その場でくるりと一回転。

笑みを浮かべた彼の横顔は、どう見ても女の子そのものだった。


(……よし、今日はここらへんで切り上げ――って、

そうだった。ログアウト、できないんだよね)


一転して現実の重みを思い出した理沙は、少しだけ苦笑する。

それでも彼は、宝箱を背中のポーチにしまうと、淡々と歩き出す。

向かう先は――街の宿屋。その背中は、どこか軽やかで、次の冒険を待ちきれないようにも見えた。


理沙の冒険はこれからだ!

この作品を応援してくださる方は

高評価、ブックマーク、コメントの方お願いします


最新 2025/06/30

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ