イベント準備
ダンジョンでの共闘、装備強化、
そして気づきのあった日の翌日、
守春は宿の部屋で、自分の能力と向き合っていた。
「……本当に、スキルって理解して使わないと意味ないんだな」
投擲スキルの“実はアクティブだった”騒動以来、
スバルは自身のスキルリストを丁寧に見直し、
何が自動発動で何が発動型か、ひとつずつ把握し直していった。
その最中、ひとつ通知が届く。
〈3日後に、PVPイベントを開催します。
パーティを組むもよし、ソロで活動するもよし。
キル数と活動時間で競い合ってください〉
「……イベントか。確か俺がAWOやってた頃は、
人も少なくてさ。リアルの方が動き多かったような……」
理沙から聞いた記憶がよみがえる。
1年前、ようやくサービスを開始したものの、
ろくに人が集まらず、開発・運営も広報活動で手一杯。
だからこそ、今のこの通知は“この世界で
初めてのゲーム内イベント”ということになる。
静かに、スバルは画面を閉じた。
ハルコン:Lv4
ステータス数値
HP 1000
MP 120
攻撃 120
防御 400
素早さ 20
賢さ 60
所持スキル:
タックル/気合ため/魔人攻撃/フルパンチ
守春:Lv7/職業・脳筋
称号/異世界人・学生
ステータス数値
HP 560
MP 35
攻撃力 280+300
防御力 385+50
素早さ 205+50
賢さ 35
所持スキル一覧
パッシブスキル
- 成長数値倍化
- 持続回復
- 痛覚無効
- 気配察知
- 毒無効
- 状態異常無効(毒・麻痺・混乱)
- 守護神
- ペットなつき補正
- 鉱石ドロップ率UP
アクティブスキル
- クリーン
- 絶対防御
- 範囲防御壁
- メテオストライク
- 狂戦士
- 投擲
- スラッシュ
- 挑発
スバルはさらに装備の強化も済ませていた。
《ディ=ブロス》に取り込ませた鉱石類が効果を発揮し、
新たな装備《バンダロス=ローグ》へと進化していた。
「名前、変わってる……? 素材の合成で名前が進化するのか」
しかし、次の合成は制限されていた。
[しばらく期間を開けてから合成してください]
「なるほど、一気には上げられないってことか」
コツコツ育てるしかない。
そんなところも、やけにこの世界っぽい。
その時だった。チャット欄が光り、フレンド通知が届く。
〖次のイベントで、パーティを組まないか〗(ケイン)
……数秒だけ、考える。
けれど、打ち込んだ言葉は短かった。
【今回はソロでやりたい】
守春が背負っているのはこの世界の理不尽さ。
そして、死神への怒りである
その夜、守春は満月の下で拳を握り、言葉をつぶやいた。
「――3日後、暴れてやるよ」
そして、イベント当日が静かに近づいていた。
次回から初イベです。楽しみにしといてください
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2025/06/22




