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拳の王と王の剣
ヴァルゴは白銀の礼装を翻し、戦場の中心に立つ。
その姿は優雅で、どこか芝居がかっていた。
『やぁ、エアスト君。
ずいぶんと泥臭い戦い方でここまで来たね。
拳で殴るだけなんて、まるで野犬だ』
「お褒めにあずかり光栄だ」
『礼儀作法は知っているんだね』
観客席がざわつく。
その言葉は、明らかに挑発だった。
『でも安心して。僕は騎士だから、犬の躾くらいは心得ている。
……さあ、醜くかみついてくるといいよ』
「その余裕がいつまでもつのか見ものだな」
両社の掛け合いに、観客のボルテージも上がってゆく
『その言葉、そっくりそのままお返しするよ
我が主様に取り入ろうとする愚か者、
そんな君に救済を与えてあげるとしよう』
王女システィは観客席で静かに目を伏せる。
『拳の王…だったかな?
偽りの王は粛清…いや、救済執行しないといけないね』
「貴様ごときに救済できるのならば
俺は10年前にすでに死んでいる」
二人の言葉を遮るように鐘が鳴る。
拳の王…いいですよね
中身は脳筋なのにね
ということでまだ次回、
サラダバー
最新 2025/09/07




