命の碑石
「やはり、母上の手料理はおいしいですね」
『あらうれしいわ』
トドロキは実家にて、父の帰りを待っていた。
『あら、お父さんからメッセージが届いたわよ』
「なんとおっしゃっているのですか?」
『トドロキがいるなら今すぐに帰るって言ってたわ』
「父上は確か空間属性の使い手でしたっけ?」
『そうね、だからもうすぐ帰ってくると思うわ』
『その通り』
(ビックリするじゃねぇか)
「おかえりなさいませ、父上」
『トドロキ!でかくなったな!まだ一ヶ月くらいだってのによ』
「ありがとうございます、お世話様で」
『お父さんも帰ってきたことだし、トドロキちゃん、あれ試してみたら?』
「わかりました。では、やってみます」
(さて、ペンダントから外して……と)
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所持者の意思を確認しました
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(石に意思の確認とられたんだが)
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所持者の意識を架空世界に転送いたします
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(ここは……)
トドロキが目を開けると、そこは白一色に支配された部屋だった。
『久しぶりだね、3年E組の生徒さん』
「ん?お前は確か」
『君たちをダイラヤードの世界に転移させた死神だよ』
「知ってるわ」
『ここに来てもらったのは、君たちに支給した
《命の碑石》の進化先を選択してもらうためだよ。じゃぁねー』
死神は光の粒子になって消えていった。
「なんだ、本人じゃなくてホログラムだったか」
(さて、ではそれぞれ見させてもらおうかなと)
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剣、槍、弓、槌、斧、銃
本、鞭、爪、杖、扇、鎌、etc...
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(これがさらに派生すると考えると、ずいぶんと進化先が多いんだな……
剣と槌は《テラハンマー(邪)》の形状変化でどうにかなるし、
本、弓、杖はステータスに合わない。爪は拳と被るし、扇と鎌は扱える気がしない。
となると、槍、弓、斧、銃、鞭……くらいか)
「いや、めんどくせぇ。アイさんに聞いてみるとするか」
『マスターに弓 or 銃 or 盾 or 籠手の進化を選択することを推奨します』
「etcの中身を持ってきてくれやがって。
しかし、選択し多すぎだろ……こりゃアイさんに任せたいものだわ」
『では、籠手を選択いたしますがよろしいですか?』
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YES / NO
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「YES」
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命の碑石の進化を確認
現実世界に意識を戻します
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トドロキの意識は現世に戻っていた。
母の手料理の香り、父の気配、そして胸元に宿る新たな力。
それは、家族の思いと死神の遺産が交差する、
拳の進化の第一歩だった。
どうも脳筋です
午前中だけだと時間有り余るので
指が進みますね
ということでまた次回。サラダバー
最新 2025/09/04




