実家帰省
やっぱり遅れた分は取り戻さないとね
とは言いつつ、次がいつになるかわからないのが
また怖い。ということでまた次回
サラダバー
ポータルスキルを使い、
トドロキは久しぶりに実家へと戻ってきた。
「この家も久しぶりに見たな」
「おかえりー!トドロキちゃーん!」
「母上。相も変わらずお元気そうで何よりです」
(相変わらず《RPGプレイヤー》様様だわ)
「お父さんがお仕事なのが残念だわ」
「そうでしたか、それは残念ですね」
「ところでトドロキちゃんは、どんな用があったのかしら?」
「さすが、母上……このアクセサリーなんですが」
「トドロキちゃん、その石のこと、何か知ったのでしょう?」
「そうなのだけれど、なぜわかったのです?」
「母親だから?」
「さすがです」
(回答になってはないがな)
「お父さんと話してね、その石はトドロキちゃんの
好きなようにしてほしいって決めたのよ」
「既に相談し終わっていたのですね。助かります」
「その代わりに、これをあげるわ」
母親の手には、アレキサンドライトのように
輝く石で作られたネックレスが握られていた。
「……ありがとうございます」
「その石はね、《レオンライト》って言ってね。人によって色を変える石なの。
トドロキちゃんがどんないい子にも
なれるって思いを込めて、お父さんと一緒に選んだのよ」
母親は、切ない顔でトドロキの持っているネックレスを見つめる。
「そういえばこの石は、私が生まれた時に握っていたのでしたっけ?」
「そうよ。あなたが生まれて、その石も一緒に出てきたの。
お医者さんとお父さんも驚いていたのだけれど、
その時たまたま同じような状況の出産を体験したナースさんがいてね。
『5年前にも同じような石を持って生まれたお子さんがいましたが、
その子の石はたいそう見事な武器に変化したそうですよ』って」
(あいつらのことだろうな)
「お医者さんも、『このまま様子を見たいですか?
呼吸にも問題はないので大丈夫でしょう』っておっしゃっていたのよ」
(赤ん坊の時に聞き取れなかったのは、この文面だったのだろうな)
「その時からお父さんと話してね、
トドロキちゃんのしたいようにさせてあげたいっていう話にまとまったのよ」
「助かります」
「あら、もうそろそろお父さんが帰ってくる時間ね。
トドロキちゃんはまだここにいられるのかしら?」
「えぇ、問題ないですが」
「じゃあ、お父さんが帰ってきたら、
その石を変化させることができるか試してみましょう」
「わかりました」
トドロキは、久方ぶりの母の手料理を堪能しながら、
父の帰宅を静かに待つのであった。
その石に宿る力と、家族の思いに触れるために——。
最新 2025/09/04




