世界の記録
《怒れる狂戦士》の効果時間が切れ、
トドロキの意識がゆっくりと戻ってくる。
(……ん?何があった……っ……痛ってえな。そういや、
あれか。俺が死ぬ前に使ったスキルか。
そんときに比べれば痛みはマシだが……って、なんか氷漬けされてんだが)
氷の檻の中、トドロキは身動きできずにいた。
『終わったかな?』
『そうみたいだね。翼ちゃんの《凍てつく大地》すごいね』
『うむ』
『あ、ありがとう。あっ、トドロキくんだっけ?今スキル解除するね』
氷が砕け、冷気が霧散する。
「あぁ、すまない。それと……ここ数分の事の顛末、教えてもらっていいか」
『じゃあ、僕から。僕の名前はシルビア=ミフィ。……またの名を毒島』
「ん?毒島だって?……いや、なんでもない。続けてくれ」
『わかった。まぁ口で説明するより、
これを見てもらった方が早いかな。《世界の記録》』
シルビアがそう唱えると、トドロキの目の前に一枚の光の画面が浮かび上がる。
そこには——
・模擬戦開始からの時系列
・《怒れる狂戦士》発動の瞬間
・アバランの恐怖に満ちた表情
・転生者たちの緊急介入
・翼の魔法による凍結
・トドロキの暴走を止めるために動いた27人の影
すべてが、記録されていた。
(……俺、こんなに暴れてたのか。アバランの顔、
引きつりすぎだろ。……それに、あいつら……)
画面の端に映る、懐かしい雰囲気を纏う者たち。
かつて同じ教室にいた者たち。
今、同じ世界に立っている者たち。
(……毒島、翼、加藤、信介……まさか、こんな形で再会するとはな)
トドロキは、記録を見つめながら、胸の奥に微かな熱を感じていた。
それは怒りの残滓ではない。
再び繋がった“縁”の温度だった。
すぐ投稿したいけど
部活の疲れヤバすぎ
ということでまた次回
サラダバー
最新 2025/08/31




