かつての仲間
闘技場の観客席では、模擬戦を見守る生徒たちの会話が交錯していた。
『アバランって確か入学初日から
中位魔法使って指導食らってたヤツだったよな』
『あぁ、その中位魔法の矛先がエアストだったと思う。因縁の対決って訳だ』
『いやしかし、こいつらなかなかやるよな』
『そうか?今ん所睨み合ってるだけにしか見えないんだが』
『そりゃあよ、アバランは1回エアストに
負けてるわけだろ?なら出方を伺うしかねぇ』
『そうか!つまりエアストが手出ししなければ、
アバランは下手に動けねぇのか!』
『そうだ、どっちもそれを理解してる。
そこらの雑魚じゃねえってこった。
特にあのトドロキってやつだな……あいつはただもんじゃねぇ』
その会話の中で、別の視線が交差する。
(トドロキ……漢字かな?なら僕たちと同じ転生者っぽいかな?)
『ね、ドロップちゃん。トドロキって子、もしかしたら転生者かもしれないよ』
『私もそう思ってたとこ。でも私達の知り合いとも限らないし……』
『後で聞いてみようよ!』
『そうだね!それとさ、やっぱり元の名前で話さない?2人の時は』
『うーん……それがいっか』
『ありがと。じゃあ改めてよろしくね、加藤さん』
『陽菜でいいよ。こちらこそよろしく、翼ちゃん』
その時——
『やぁ』
『『ハイッ』』Σ(๑ °꒳° ๑)ビクッ
『さっきから話を聞いてたんだけど、
翼ちゃんと陽菜ちゃんで間違いない?俺、齋藤なんだけど』
『えっ!信介君!?』
『ほんとだ、転生者のポインターが出てる』
『やっぱみんなも見えてんだ。ちなみに俺は《主人公》の
スキルで“目的”ってのがあるんだけど、
それにある「クラスメイトを見つける」って欄が今まで24だったんだ
だけど今は26、つまり、あと二人で全員揃う』
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元クラスメイトを探す:26/28
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『え?あと2人じゃん!あと誰と誰なの?』
『守春と理沙ちゃんかな』
『待って待って、みんな今どこにいるの?』
『今のところ全員この学校で出会ってるよ』
『ならふたりも?』
『そうじゃないかな?ひとまずあのトドロキってのが
転生者ってことは見えるからさ、聞いてみるよ』
『気をつけてね』
その時——
『おっ、そろそろ終わりそう……って、あれは……』
『っ!』
『この感じは……《怒りの狂戦士》……』
『守春君……』
空気が変わった。
魔力の波が、怒りの衝動が、理性を焼き尽くすように闘技場を覆う。
それは、かつての“守春”ではない。
それは、破壊の化身だった。
『止めよう!あれはダメだ』
『わかった!』
『みんな!全力でトドロキを止めるんだ!』
『『『『了解!』』』』
27人の影が、一斉に闘技場内へと飛び込んでいく。
それは、かつて同じ教室で笑い合った者たちの、再会の第一歩。
そして、暴走する“守春”を止めるための、最初の戦いだった。
ちょっとクラスメイトどうしようか悩んだなんて
そんなことないですからね(小声)
そういうことでまた次回、
サラダバー!
最新 2025/08/31




