厄日Ⅳ
ルームメイトとの顔合わせを終えたトドロキは、
ようやく食堂へとやってきた。
料理を待ちながら、今日一日の疲れを噛みしめる。
(いやはや、この学校終わってると言っても過言じゃねぇな
。なんで俺みたいな……前世ゴリラが安全枠なんだよ。
ヘタレとでも思われてんのか?)
(でも学園長だかなんだか知らねぇが、
俺のポリシーを見抜くとはなかなかやりおる。それに比べて……)
視線を少し離れた席に向けると、ナンパ男たちが次々と撃沈されていた。
『お嬢さん、パンt——』
『近寄らないでいただけます?おバカが移りますので』
(それまたこっちでもか)
『君君、可愛いね、この席座っていいかな?
僕たちとご飯食べようよ』
『キモっ……』
(マナーすら知らねぇ奴が多すぎるだろ。
なんで食堂でナンパしてんだよ。ざまぁみろってもんだ)
『これを見ると、トドロキがいかに安全な男か分かるな』
『うんうん、それな』
『うん……』
「お前らな、勝手についてきておいてなんの話してんだよ」
『トドロキの話』
(あぁもう!ルームメイトとはいえ一応男なのに、
なんでそんな会話ができるかなぁ?)
その時、スキル《気配察知》が発動。
(ん?こんなところで?)
『ヘイヘイヘーイ、君達楽しんでるかーい?』
『……誰?』
『僕知らないよ?』
『私の連れでもないな、何用だ?』
『こんなのといるからツマンナイだろうなぁって』
(こいつか?気配察知が察知したのは)
『君といるよりかはトドロキ君の方が断然いいけどね』
『うん……エアストの近く安心』
『そうだな、貴様よりもいい男だしな』
「お前らな……特にティナノだが、頭大丈夫か?」
『トドロキよりは賢い』
『僕はまぁどっこいどっこいくらいかな』
『エアストよりまし』
(サマナの言うどっこいどっこいの
どっちが俺のどっこい何だろうか)
「なんだかな……それと、トドロキでいい」
『わかった』
『なんだよ、そいつの方がいいってのかよ』
『そう言っているだろう』
『そうだよ~』
(つうかなんなんだよこいつ。さっきから足踏みやがってよ
……俺が柔道経験者でよかったと思ったのは久しぶりだ。
武道家精神には反するが、反撃してもいいよな!)
「燕返し(改)」
『痛ってえぇぇ、なんだてめぇ!』
「どうした?俺は足を上げて強く下げただけだぞ?」
『俺様の足踏みやがったなコノヤロウ!』
「俺の足が降りたところにいるのが悪い。
それに正当防衛だ。先に手…いや、足出してきたのはお前だ」
『んだてめぇやる気か?』
『トドロキ、お前は大変だな』
「最近この手の輩が多いんだよな」
『トドロキ……不運体質?』
「かもしれない」
『おい無視してんじゃねぇよ!』
「あぁ、すまんすまん。どこでやるんだ?」
トドロキはスキル【狂戦士】を使用した
『え?』
「ん?お前が喧嘩を売ってきたんだろ?
売られた喧嘩は買う主義だからな」
『え、あ…いや……その……』
「なんだ?」
『あの…今日はちょっと調子悪いというか……』
「おいおい、売ったものを同額で買い取れるとでも思ってんのか?お?」
『トドロキ、それくらいにしてやったらどうだ?あの男、既に戦意を消失しているぞ』
仕方のない話である
この年代でここまでの風格を纏うものはそういない
「やれやれ、詐欺師じゃねぇんだから。売ったら責任もって商品渡せばいいのに」
『トドロキさっきから何言ってる?』
『さ、さぁ?難しいこと言ってるよね』
『学園内でスキルを使うな』
「まぁいい、さっさと失せるといい」
『は、はいぃぃぃぃ』
(やれやれ、最近はこういったことに巻き込まれるな)
トドロキは、自身が置かれている環境を見直すのであった。
厄日って嫌ですね(?)
ということでまた次回
サラダバー
最新 2025/08/31




