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異世界転移?ふざけるな!  作者: 力なき脳筋
異世界転生?ふざけんな!
171/222

お嬢様視点

ふたつの面倒事に巻き込まれたトドロキが、

拳で騒乱を鎮めていたその頃——


馬車の中では、サンブルク王国の王女、

マリアット=サンブルク=システィが静かに窓の外を見つめていた。


「爺、先程の方は?」


『トドロキ=エアスト。エアスト一族のご子息です。

初代当主は《次元の旅人(アナザートラベラー)》であり、

代々長男には“ニホン”なる国の言葉で名付ける習わしがあるようです』


「そうなのですね。エアスト一族の階級はいくつですか?」


『第8階級です。元々は第5階級でしたが、

多額の納付金と民からの支持、

そして《人工遺物アーティファクト》の所持により昇格したようです』


「貴族としての地位もあるのですね」


『お嬢様、まさかとは思いますが、あの者に——』


「帰りましょうか、爺」


『……承知しました、お嬢様』


(爺は真面目で、常に私を気にかけてくれる。

このことも必ずお父様に報告することでしょう)


『お嬢様、お父上にご報告は——』


「報告することなどありませんでしたよ」


(お父様に知られてしまえば、

エアスト様にご迷惑をお掛けしてしまいますもの)


その時、馬車の外で騒ぎが起きる。


『お嬢様、絶対に馬車から出てはなりません』


「どうしたのですか、爺?」


『盗賊ギルドの者が、何者かと揉めているようです』


「きっとエアスト様ですね。困っている民に手を差し伸べたのではないでしょうか」


『アルベルトやウルベルクの可能性もあります』


(アルベルトとウルベルク……次のお見合い相手。

あの者たちが平民に手を差し伸べることなど、万に一つもありませんのに)


『どうやら終わったようです。旅の者が盗賊ギルドを制圧したようです』


(でしたら、エアスト様以外あり得ません。

アルベルトもウルベルクも、実戦経験などありませんでしょうし)


『では出発いたします』


「えぇ、わかりました」


(エアスト様……私、マリアット=サンブルク=システィは、貴方のことを逃しませんよ)


システィの瞳は、王都の灯りではなく、トドロキの背に向けられていた。

馬車は静かに、サンブルク王国の中心部へと向かっていく。

○○視点系久しぶりな気がする

……いや、私が投稿していなかっただけか

2話連続投稿ということでまた次回

サラダバー!!


最新 2025/08/25

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