とある人
学校近くのカフェにやってきたトドロキ。
静かな空間、香ばしい匂い、そしてアイスコーヒー。
(こういう雰囲気の店は久しぶりだな……
タカーバグッスぶりか。高くて一回しか行ってないけど。
ほんと、自動翻訳は有能だな)
「すまない、アイスコーヒーを頼む」
『サイズは大中小のどれになさいますか?』
「中でいいかな」
店員は一礼し、木板に何かを書いてカウンターへ。
やがて、アイスコーヒーが運ばれてくる。
(懐かしい香りだな……多少風味は違うが、
キリマンジャロに近いか。美味い)
その時、ステータスウィンドウが突然現れる。
スキル《気配察知》が発動しました
(ん?反応したの初めてだな……範囲内に敵がいるだけだった気がするが)
トドロキは周囲を見渡し、雫石を装備。
だが、何も異常は見当たらない——と思った瞬間、背後から悲鳴。
『ヒャッハー!!殺せ!!!』
(おっと、見えなかったんじゃなくて後ろにいたのか)
ゴロツキが女性に襲いかかる。
トドロキは即座に《ガードシェア》を発動。金属音が響き、攻撃は防がれる。
「おいおい、おっさん。人の珈琲タイムを邪魔するなよ」
『俺ァおめぇみてぇなガキが大好物なんだァ!!!』
(え?大好物……スゥゥゥ…)
「それ以上近づくな。《ベノムフィールド》」
毒の霧が広がり、ゴロツキの体が変色。
トドロキは椅子を素材に《テラハンマー》で木刀を鍛造。
融合発動:木刀RANK2+ベノムフィールド
完成:腐食した木刀RANK4(毒付与15%、激毒1%、永続劣化)
「ベノムフィールド消えただろ?早く来いよ」
片手剣使いⅥ、暗殺者Ⅱ、近接格闘Ⅷが発動。
通知がうるさいので、気配察知以外をOFFに。
『覚悟しやがれぇ!!!』
「覚悟するのはどっちかな?《RPGプレイヤー》《ヘイトアップ》」
ゴロツキが一斉にトドロキへ。
斧を弾き、背後に回って木刀を振るう。
『ガハッ』
「少し寝てるがいい……毒は食らってないな。
さて、どうする?まだ続けるか?」
『ビビってるやつなんざいねぇさぁ!!!』
「そうか、なら仕方がない。《キャラクターチェンジ》《RPGプレイヤー》」
(あとは任せるぜ、前世の俺)
「呼ばれて!飛び出て!俺様じゃ〜!」
(おいやめろ、自我のセーブができてないぞ)
「久しぶりに出てきたからな。いっちょ暴れてやりますか!」
『な、なんだおめぇ!人間族か!?』
「人間族だろうが魔族だろうが、この身体はトドロキのだ。俺のじゃねぇ」
(何言ってんだこいつ……人から俺はこう見えてたのか)
『やっちまえー!』
「遅せぇよ」
(おぉ、前世の俺やるな。今じゃ筋力が足りなくてあんな動きできねぇよ)
「フッ…雑魚め」
『覚えて来やがれ!!!行くぞおめぇら!!!』
(覚えてろと一昨日来やがれが混ざってるぞ。
なんだよ覚えて来やがれって、テスト前の先生か)
「おいおい!そこに寝てるやつも連れてけ」
『忘れもんだァ!!!ヒィヤッハァァァァァァァア!!!』
(元気な奴らだな……さて)
「《キャラクターチェンジ》解除。またな、トドロキ」
(いやはや、せっかくのコーヒーが覚めてしまった
……あっ、元々アイスコーヒーか)
進捗達成:勇ましき精神
(ん?なんだ今のは?進捗なんてあったのか)
『あ、あの……』
「ん?あぁ、さっきの方」
『助けていただきありがとうございます』
「いえいえ、少し癪に障ったのでお灸を据えただけですよ」
『貴方様のお名前は?』
「トドロキ=エアスト。ただのしがない学生です」
『学生……ならルシフス学園生ですか?』
「えぇ、そうですが」
『そうでしたか、エアスト様、もしよろしければ——』
『お嬢様、おひとりで歩くのは危険だと何度言えばわかるのですか』
「っ!?」(全く気配を感じとれなかっただと)
『爺……申し訳ありませんね』
『帰りましょう』
『エアスト様、失礼いたします』
「えぇ」
(なんだったんだ?爺とやらが燕尾服着ていたし
……裕福な令嬢だったのだろうか。面倒事は嫌いなんだがな)
トドロキはモヤモヤしつつ、カフェから立ち去るのであった。
完成してから数日間投稿を忘れていた()
ということでまた次回
サラダバー!
最新 2025/08/24




