迷子と神速
トドロキは、広すぎる学院の中で自分のクラスを探していた。
(やべぇ、また迷っちまった。
この学校広すぎだろ。あの女性に聞いてみるか)
「すいません、俺迷子になってしまって。
カラミティクラスというところはどこですか?」
『貴様もカラミティか。よし、私が案内してやろう』
(貴様“も”?この青髪ショートカットがクラスメイトなのか。
……つか初対面だよな?貴様ってなんだよ)
「ありがとう」
『困った時はお互い様だ。私はサリバン=ティナノ。
オリハルコン級冒険者を目指している』
「俺はエアスト=トドロキ。夢は特にない」
『私のは夢では無い。未来の私はオリハルコン級冒険者なのだからな』
(凄い自信がある子だな)
「そうか」
『そういえば何故カラミティクラスに行くんだ?』
「ん?俺がカラミティクラスだからだが?」
『なんと、同じクラスだったか。これからよろしく頼むぞ』
(あれ……もしかして…天然なのか?さっきそういった気がしたんだが?)
「よろしく」
『カラミティクラスはこっちだぞ。早くしろ、トドロキ』
「はいはい、わかったよ」
ティナノは走り出した。
(ちょ…はやっ)
トドロキは雫石を装備し、走り出した。
廊下の学生たちの視点
『俺タンカよろしくな』
『よろしくタンカ、僕はマルコ』
『マルコか、いい名前じゃないか』
ごく普通の学生たちが、新たな出会いに心を躍らせている。
そんな空間に“ドッドッドッドッ”と何かが近づいてくる。
“それ”は風邪を巻き起こしながら廊下をかけていった。
『……なんだ、今の』
『何かが走ってたね、2人いたように見えたけど』
『神速のティナノは見えたな』
『今のが見れたの?』
『目には自信がある』
『なるほど、ティナノといるってことは、もう1人もカラミティなのかな?』
『おぅ、そうだな……あっちにあるのはカラミティだし』
『今のふたりがカラミティクラスかー』
『何か知っているのか』
『あのクラスはね…………』
(なんだ……コイツ…将来オリハルコン級冒険者ってのも
納得がいくすばやさだな。すれ違う奴らは目で追うのですら出来てなかったぞ)
「鍛えているのか?」
『……なんと、私の速度について来れるとは。
いつものように置いていくつもりだったのだがな』
「お前……いい性格をしているよな」
『ん?褒めてくれたのか、ありがとう』
(…嫌味が通じない。こいつは手ごわいな)
「純粋だな(ボソッ)」
『何か言ったか?』
「いや、なんでもねぇ。それよりそろそろか?結構走ったぞ?」
『もうすぐ着くはずだ。……ほら、あれだ』
ティナノが指さす方には白い門があり、その先に大きな屋敷が建っている。
『あれがカラミティの学生寮よ。入口から見て右が
男子、左が女子、中央が先生って区分になっている』
「なるほど、つまり俺は右か」
『そうなるな。荷物は無いようだし、カラミティルームに向かうとするか』
「わかった……また走るのか?」
『…?もちろんだ』
「あいよ」
疾風のごとく駆け抜ける二人の姿を目で追えたものは、ほんの一握りだった
視力検査したらB判定だったぁ!
夜にスマホいじりすぎたぜ
ということでまた次回!サラダバー!
最新 2025/08/24




