呼び出し
実技試験を終えたトドロキは、
職員室への呼び出しに戸惑いつつ、重い足取りで向かっていた
(職員室に呼ばれたことないんだが…なんか言われんだろうか、面倒くせえ)
かつて“守春”だった頃、彼が産み出した世界では、
静かな学園生活を送っていた。問題を起こすこともなく、
職員室に呼ばれることなど一度もなかった。
(あれか、こんな時間まで続けてたからか。だったらどう言い訳するか……)
思考を巡らせながら、重い足取りで職員室へ。
(ちぇっ、もう着いちまった)
「スゥゥゥゥゥハァァァァ」
(おっしゃ!行ったるわ!確かノックは3回で…名乗りか。
それと要件は……呼ばれたからきたでいいか)
「い…エアスト=トドロキです!ガイジン先生に呼ばれてきました」
『おぅ!こっちだ』
(あれは…ガイジンと誰だ?耳が尖っている…超命種か)
『よく来たわね。……まずは場所を移しましょう』
(フードで顔が見えないが、声質的には女性かな?)
「わかった」
『おいトドロキ(小声)この人はr(#)Д)ブベシ』
『だからネタバレはダメだって』
『ハイスンマセン』
「なっ……」
(ガイジンの顔が…可愛くなった)
『おっと、驚かせてしまったわね』
「…いえいえ、面白い光景を見せていただきました」
『あらあら、ふふふ…かわいい反応ね』
(なんだ……コイツ)
『あら…まぁ!コランを倒した子がいると聞いて呼んだらすごい子じゃない』
『なんと、r……先生の目にとまるなんて』
「あ、ありがとうございます」
(うーん?鑑定系のスキルか?まずいな、偽装系のスキル取っておけばよかった)
「失礼ながら先程からなにかしておられますか?」
『あらあら、そこまで分かるなんてすごいわね (´ ˘ `)ウフフ』
(なんなんだよ!【ウフフ】ってなんなんだよ!)
『いいでしょう、教えてあげます。
私はこの学校の理事長です。この学校の中であれば色々できるのよ♡』
「つまりはそれで何かをしたと言うことで?」
『えぇ、【真鑑定】と【魔力感知】をしたのよ』
(したのよ。じゃ分からねぇわ!)
『【真鑑定】は偽装のスキルをすり抜けて相手の能力を
見られるもので、【魔力感知】は魔力隠蔽のスキルを
すり抜けて相手の魔力量を見られるようになるものよ』
「ハハッ、ワザワザアリガトウゴザイマス」
(思考読まれてっかな?)
『さて、本題に入っていいかしら?』
「え?あっはい……お願いします」
(まぁあなたが始めたんですがね!)
『あなた、転生者でしょ?』
「……え?」
『あら?違ったかしら?』
「なぜそう思ったのかを聞いても?」
『わかったわ。19年のことなんだけどね、
とある街で証持ちと言われる子が生まれたの。
その子は【死を乗り越えし者】という称号を持ち、
数多のスキルと強大な魔力を使い、
Aランク級の魔物を討伐したりしたのよ。
今では“魔王様の生まれ変わり”なんて呼ばれてるわ』
(……あいつらのうちの誰かじゃないか?)
『それからというもの、証持ちの子が30人生まれたのだけど、
そのうち27人が【死を乗り越えし者】を持っていたのよ』
(27……俺入れたら28……まだ希望はあるな。
こっちの世界でも死なねぇようにやってるかな)
『【死を乗り越えし者】の称号を持っている子達は、
生まれた時に“希望石”を持っていたそうよ』
「その希望石とは?」
『神話の時代、人間族には3人の勇者と呼ばれた者がいたわ。
魔族と人間族の戦争では、
大魔王様や魔王様が勇者と戦ったの。でもね、勇者の力は凄まじかった』
「つまり、そこで追い込まれたと?」
『えぇ、大魔王様が瀕死になり、魔王様達も深手を負ったわ。
そんな時に戦争で散っていった者達の魔力が魔王様の手に宿り、
小さな石になったそうよ。
その石は魔王様の手で武器へと変え、窮地を乗り越える力となった。
以来、人々はそれを"希望石"と呼ぶようになったのよ』
「なるほど、その石に性質が似ていると」
『えぇ、彼らの意思がそれぞれの石に宿り、ひとつの武具として顕現したそうよ』
(意思に石って……駄洒落かよw)
『もしかしたらあなたも持っていたんじゃないかしら?』
「うーん?どうだろうか」
(生まれた時は何も見えず聞こえずだったからな……
生まれた時は確か……『……ぇ…ま……呼………題…しょ…』……呼は
呼吸と判断して……題って何だろう?
都合よく解釈すれば『石がありました…
えぇ、まぁ呼吸はできていますし問題ないでしょう』かなぁ?
まぁ絶対違うだろうが。帰ったら聞いてみるか。
全寮制ではあるが帰っては行けないなんて言われてねぇし、
なんならポータルで帰れるし)
「帰ったら聞いてみる」
『わかりました、私から聞きたいのはそれくらいよ。
あなたはなにか聞きたいかしら?』
「いや、特にない」
『そう、長い時間引き止めて悪かったわね』
「いえいえ、良いことを聞けたのでよかったです」
『また何度か呼ぶと思うわ。その時はよろしくね』
「わかった、では失礼します」
『はい』
校長室を出たトドロキの胸には、奇妙な予感と、わずかな期待が残っていた。
呼び出しくらうのって何かやらかした時
っていうイメージありません?
ということで(?)サラダバー!
最新 2025/08/24




