煽りと再会
試験会場に向かったトドロキ
『頑張ってー!』
「えぇ」
(なぜいるのだろうか、ついさっき別れたはずなんだが)
『おいおい、いつからここは親同伴になったんだ?』
(……無視しようか)
トドロキは絡んできた者をスルーした。
『おい!無視してんじゃねぇ!』
(無視無視……)
『おい!』
(チッ、触るなよ)
「なんですか?」
『てめぇガキだからって許して貰えると思うなよ? ヘルフレア!』
『あれって中位魔術の……』
『ハハハハ!どうだクソガキ!今から謝れば許してやるよ!』
トドロキは笑顔で中指を突き出した。
「ふふふ、その程度でですか」
(……青筋まで浮かべて、分かりやすいな)
『ちょっと下手に出たら舐めやがって、死にやがれヘルフレア!』
放たれた黒い炎はトドロキに直撃した。
『ダハハハハ!打たねぇとでも思ったか!』
(服が燃えてるんだが。前世の産物に着替えておくか。
ただ…別に痛くねぇな?HPも減ってないし)
『そろそろ消すか……なんだと……無傷…』
(火が消えた...?はったりか?まぁこういう時何を言うかは決まってるか)
「私を焼きたいのなら火力が足りてませんね」
『クソが』
「今度はこちらから行きますね。メテオストライク」
トドロキが静かに手を挙げると、空間が震え、
漆黒の隕鉄がゆっくりと姿を現した。
「これを喰らえばひとたまりもないでしょう」
『はっ、はったりだろうが。て、てめぇにそんな上級魔術使えるはずがねぇ!』
「なるほど、遺言として聞いておきます。
...まっとうに生きろよ来世でな。メテオスt」
『そこまでです』
メテオストライクは、触れる間もなく、
氷の結界に封じられ、音もなく砕け散った
「なんと、破壊されるとは」
『なんで……ここに……っ!』
「失礼、あなたはどちら様で?」
『あいつ、しんだな』
『ま、まぁ心優しいお方だし… …大丈夫…うん…骨は拾ってあげよ』
『というかあいつあの方が誰かわかってなさそうだぞ』
『仮にそうだとして七種の魔王の中でも美しい氷の女王を知らない奴いるのかな』
『確かに』
『それにしてもアトラ様は塔の管理はいいのかしら』
『私のことをお忘れですか?』
「どっかで見たことはある気がしますが、どこで見たのやら」
『確かにあの頃よりも時間も違えば容姿も異なりますもの。
私はアトラですよ。スバル様』
「なんだと、何故ここに居られるんだ?
そしてなぜ俺がスバルだとわかった?俺はあっちだと死んだはず」
『確かにスバル様は先の戦闘でお亡くなりになられたはずでした。
ですが、私たちの前にはスバル様の複製体が現れました。
そして、その者はあの世界で活動し始めました。
まるでスバル様がいるかのように』
「なるほど、つまりはあっちには
俺とは違う別の俺がいるわけか。なら急にいなくなったとかじゃないんだな」
(偽物は腹立たしいがギルメンに迷惑はかけられないからな)
「ちなみになぜアトラがここ…いや、
こっちの世界にいるんだ?それと俺だとわかった理由おしえてくれるかい?」
『スバル様が築いた脳筋帝国、その拠点が偶然にも
この世界のダンジョンとつながっていたのです。
スバル様のお仲間はバグだなんだと言って通るものが
おりませんでしたが、私たちは何故か行き来できることが分かり、
スバル様がお亡くなりになられたことと関係があると思い、
私達は数百年の間こちらの世界で活動していました。
そして、スバル様の魔力を感じ、ここまで来たのです』
「そうか、わかった。帰宅後脳筋帝国に向かおう」
『承知しました……それと、この者はどういたしますか?』
「まぁほっとけばいい……わかってますよね?先輩?」
『ひっ……すいませんでしたぁぁぁ!』
男は逃げ出した。
「これでよし、じゃあまた……脳筋帝国で」
『はい!スバル様!』
「今更だが俺はトドロキだ」
『承知しましたトドロキ様。では、失礼します』
「おう、また」
『あいつ……アトラ様にタメ口だし、アトラ様は様付けしてるし……何者だ?』
『さぁ、スバルとか言ってなかった?本人はトドロキって言うらしいけど』
『なんだろう?』
(やれやれ、初日から目立ってしまった。明日からどうするか)
事の重大さに気がついていないトドロキである。
(さて、時間は間に合うかなっと。試験会場……どこだ?)
こうして、騒動の余韻を背負いながら、
トドロキは試験会場へと駆けだした。
アトラ……立派になって……(謎目線)
世界のつながりは絶たれていなかった(´;ω;`)
ということで(?)また次回
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最新 2025/08/24
2025/3/22 最新編集




